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クールジャパン(Cool Japan)とは、「世界からクール(かっこいい)と捉えられる日本の魅力」です。食やアニメ、ポップカルチャーに限らず、様々な分野が対象になります。
内閣府の知的財産戦略推進事務局のクールジャパン戦略では、様々な戦略が設定されています。発端は、2001年経済産業省の商務情報政策局に文化情報関連産業課(メディア・コンテンツ課)が設置されたことに始まります。そして2003年内閣官房に「知的財産戦略戦略本部」が設置され、2010年に経済産業省製造産業局に「クール・ジャパン室」が開設されました。
本記事では、クールジャパンの歴史や狙い、取り組みや問題点について解説します。
1. クールジャパンの歴史
ここではまず、クールジャパンの歴史について解説します。
1-1. 米国ジャーナリストが命名
2002年、米国のジャーナリストのダグラス・マクレイ氏が「Japan’s gross national cool(日本の国民総クール量)」という記事を書きました。これが、クールジャパンの起源とされています。
もともとは、1990年代のイギリス文化のクールな様子を表すためにメディアが使った用語「クール・ブリタニア」にもじったといわれています。2003年5月には、その抄訳が『中央公論』に「ナショナル・クールという新たな国力 世界を闊歩する日本のカッコよさ」という題で掲載されました。マクレイ氏の記事は、ハーバード大学の日本講座でも扱われました。
1-2. 日本の国策として位置づけられる
経済産業省は、2010年6月「クール・ジャパン室」を設置しました。経済産業省商務情報政策局クリエイティブ産業課は、世界の分化産業5分野(ファッション、食、メディア・コンテンツ、観光、ものづくり・地域産品)の2009年ち2020年の市場規模を推計しました。その目的は、クール・ジャパンのポテンシャルを把握するためです。
その結果、これらの分化産業5分野は、アジア圏、特に中国やインド、インドネシアで成長が見込めるという推計結果が出ました。この背景には、「中間層の台頭」と「高品質製品・サービスに対する需要拡大」がありました。クール・ジャパン戦略は、このアジア圏の中間層をコアターゲットに2020年までに世界の文化産業市場規模900兆円のうちの8~11兆円を獲得することを目標としました。現在は、経済産業省商務情報政策局クリエイティブ産業課とメディア・コンテンツ課の2つの部署で推進されています。
クール・ジャパン戦略は、「外に売って内に呼び込む」ことです(※「クール・ジャパン戦略で経済成長を目指す」より)。まず中小企業やデザイナーが作る日本の良いものを、海外で売る「アウトバウンド」に取り組みます。そうすることで、海外にファンを形成します。次に、日本への観光客等を増やすといった「インバウンド」につなげていきます。
クール・ジャパンの目的は、このサイクルを通じ、日本のクリエイティブ産業の持続的発展を実現することです。
1-3. クールジャパン機構が設立
2013年11月25日、日本政府と電通などの官民ファンド「海外需要開拓支援機構(愛称:クールジャパン機構)」が設立されました。官民ファンドとは、国の政策に基づいて政府と民間が共同で出資する政府系ファンドです。仕組みとしては、まず国と民間企業が特定の目的のために資金を出し合って基金を作ります。その後投融資を行い、その配当や収益を分配します。
この官民ファンド海外需要開拓支援機構は、計375億円を集めました。また日本政策金融公庫では、海外でビジネス展開する中小企業向けに低金利の融資制度を検討するといったクールジャパン関連事業を促進する動きもあります。
2. 新しい連携の推進
ファッションやデザイン、アニメ産業は、個人やプロジェクト、ネットワーキングといったフラットな展開が必要です。また、プレイヤー同士の新しい連携を促進する必要があります。
その重要分野の一つが、「海外展開プロジェクト」です。ファッションや食の分野の送り手は個人が多く、キャパシティの問題があります。そこで、ビジネスプロジェクトの資金的な後押しをするため、2011年から毎年度数十個のプロジェクトを世界各国で実施しています。
2-1. 中国での「住まい」の海外展開プロジェクト
住宅メーカー、インテリア関連企業、省エネ家電メーカー等が協力し、近未来のライフスタイルをパッケージで提案する。
2-2. ブラジルでの「地域産品」の海外展開プロジェクト
ブラジル国内のホテル・飲食店等に、日本の地域産品を売り込んでいく。そのため、現地アンテナショップの設置等、現地消費者の嗜好を把握し、地域産品を提案する。
2-3. シンガポールでの「ファッション」の海外展開プロジェクト
日本のストリートファッションのブランドを集約し、現地の百貨店とWeb上でテストマーケティングを実施する。現地消費者の視点に立ったPRで、日本ファッションのファンを拡大する。
2-4. フランスでの「生活雑貨」の海外展開プロジェクト
若手クリエーターチームの“目利き”により、日本各地のデザインプロダクトを選定する。パリで話題作りをしながら提案する。
3. クールジャパンの課題
3-1. Create Japan WGの設置
2013年11月5日、知的財産推進計画に位置づけられているクールジャパンの推進のため、Create Japan ワーキンググループが設置されました。その目的は、世界からの共感を得るための方策について、必要な議論を行うというものです。
3-2. 12名のワーキンググループ委員
クールジャパンのこれまで得られた知見や外国人の視点を取り入れることも考慮し、12名の委員を選定しました。
名前 | 肩書 |
アストリッド・クライン | クライン ダイサム アーキテクツ代表 |
ダニー・チュー | スマートドール株式会社 代表 |
コチュ・オヤ | 株式会社Oyraa 代表取締役社長 |
シーソンクラム・カオ | 株式会社MATCHA インバウンド戦略部 統括マネージャー |
ニック・サーズ | 有限会社フクオカナウ 代表取締役 |
ローレン・ローズ・コーカー | ZAIKO株式会社 取締役COO兼FUGA Japan Business Development Representative |
梅澤高明 | A.T.カーニー日本法人会長 |
楠本修二郎 | カフェ・カンパニー株式会社 代表取締役社長 |
佐藤一毅 | 国際オタクイベント協会 代表 |
田中里沙 | 事業構想大学院大学 学長 |
中村伊知哉 | 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授 |
夏野剛 | 慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授 |
※議論は、チャタムハウスルールにて実施する
4. クールジャパン発掘のための産業分析調査企画書から学ぶ
クールジャパン(日本食分野)発掘のための産業分析調査
2014年8月
PwC Japan
プライスウォーターハウスクーパース株式会社
4-1. 目次-Index
① 調査の趣旨目的
② 戦略地域の選定
③ 市場規模と成長性の概観
④ 嗜好性
⑤ ボトルネック、各種制度・ルール
⑥ ビジネスモデルと事例分析
⑦ 各国別の詳細
4-2. クールジャパン食産業調査の趣旨目的
世界の食市場は今後急速な拡大が見込まれ、現在海外で起きているクールジャパンの「日本食ブーム」の波を確実にとらえ、日本企業がビジネスとして確立すれば、大きな「稼ぎ」となるチャンスがある。
一方、食市場の特性(所得、嗜好、習慣等)や、流通コスト、規制など市場ごとに存在する様々なボトルネックにより、多くの日本企業が撤退を余儀なくされていることも事実。
本調査においては、こうした様々な要因をマクロ的視点から整理するとともに、ミクロ的視点として、こうした市場にチャレンジしてきた日本企業の教訓をヒアリングを通じた整理を試みた。
また、主要国の食市場のバリューチェーン構造を分解し、川下のレストランだけでなく、生産・加工といった川上からの日本食の浸透の可能性を調査した。
これにより食に係る様々な日本の産業が、海外事業で同様の失敗を繰り返すリスクを減らし、効果的な政府の支援策を検討する基礎とすることを目的として調査を行った。
4-3. クールジャパン食産業戦略地域の選定①
1-3-1. 食産業市場規模・成長性
投資するに足る規模や成長性は見込まれるか?
1-3-2. 制度・ルールの障壁の高さ
規制による障壁は高いか、低いか?どのような対策が必要か?
1-3-3. 日本食に対する受容性・普及度
日本食に対して興味はあるのか?
1-3-4. 他産業にとっての有望性
食以外の産業での動向や有望性はあるのか?
1-3-5. 周辺市場への影響力
影響力があり、周辺以上への伝搬を見込めるのか?
1-3-6. 日本食の伝搬ルート・機会
日本食の伝搬のためのルートや機会はどの程度あるのか?
1-3-7. 考慮すべき特殊事項
独自に加味すべき特殊事項は?
4-4. クールジャパン食産業戦略地域の選定②
4-5. クールジャパン食産業戦略地域の選定③
4-5-1. 一国普及型投資モデル
① 初期市場開拓モデル/将来の市場成長を見越した初期投資(インフラ整備等含む)
② 拡大市場開拓モデル/一定量普及を更に拡大させるための投資
③ 成熟市場開発モデル/成熟市場への展開。影響力活用モデルと併用も考慮
4-5-2. 活用・展開型投資モデル
④ 影響力活用モデル/他国への文化影響力を活用するモデル(観光地デモ、有名人活用、メディア活用etc)
⑤ 生産拠点展開モデル/生産コストの安さ、輸出のしやすさ等を利用(共有施設・工場等の設置、共同輸出、手続き一元化etc)
4-6. クールジャパン食産業戦略地域の選定④
① 中国/②拡大市場開拓モデル
② タイ/⑤生産拠点展開モデル
③ インドネシア/④影響力活用モデル
④ ベトナム/①初期市場開拓モデル、⑤生産拠点展開モデル
⑤ シンガポール/③成熟市場開発モデル、④影響力活用モデル
⑥ インド/①初期市場開拓モデル
⑦ ミャンマー/①初期市場開拓モデル
⑧ 英国/④影響力活用モデル
⑨ フランス/④影響力活用モデル
⑩ ロシア/②拡大市場開拓モデル
⑪ 米国/④影響力活用モデル
⑫ ブラジル/②拡大市場開拓モデル
4-7. 市場規模と成長性の概観
4-8. 2020年を鑑みた成長性と食産業の市場規模(アセアン地域)
4-9. 市場規模と成長性の概観
4-9-1. 食関連輸出モデルの参考となる国の分布
日本同様に国土面積が大きくない欧州や東南アジアが、実は、世界各国に農産物・食料品の輸出することに成功しており、その輸出額が10兆~3兆円に上る。
タイ政府は国家戦略として「世界の台所計画」を掲げ、長期に渡り世界中に農産物・加工食品を輸出している。