シリコンバレーの人材育成プログラムとは?グローバル人材に向けて

人口減少による国内市場の縮小を受け、海外に活路を見出す企業が増えています。そこでニーズが高まっているのが、グローバル人材です。

内閣府によれば、グローバル人材に求められる能力は、「語学力、主体性、異文化理解力、教養、専門性、チームワーク、リーダーシップ、公共性、倫理観、メディアリテラシー」となっています。

今回ご紹介するのは、そんなグローバル人材を育成するための『グローバル起業家育成プログラム』に関する企画書です。

日本の若手経営者や秋元康といった著名人まで幅広い講師が講義をし、シリコンバレーに派遣されるこのプログラムの内容が詰まった今回の企画書は、今後の日本におけるグローバル人材育成の風土作りへの取り組みの見本となるのではないでしょうか。

 

次々と新しいイノベーションを生むシリコンバレー

◆アメリカグーグル本社から呼び出し!?本場シリコンバレーは半端ないくらい自由だった!?

 

【目次】
1. 今回の企画書の特徴
2. 『平成30年度グローバル・ベンチャー・エコシステム連携強化事業(グローバル起業家等育成プログラム)報告書』から学ぶ
3. 表紙
4. 目次
5. 本事業の目的と概要
6. 公募~選定
7. 国内プログラム
8. 始動カフェ
9. シリコンバレープログラム
10.国内フォローアッププログラム
11.最終成果報告会
12.事業化アンケート結果

 

1. 今回の企画書の特徴

今回の企画書は、グローバルに通用する次世代のイノベーションの担い手を育成するプログラムの全体像が描かれています。ポイントとなるキーワードを、以下に記します。

・イノベーションの創出
・米国シリコンバレーの投資家
・メンター
・事業計画
・プレゼンテーションスキル
・シリコンバレープログラム
・スタートアップ
・事業コンセプト
・イノベーター
・サイエンス思考
・アーリーアダプター
・アーリーマジョリティ

※関連コンテンツ
・Web集客とは?その全体像と成功するポイントを丁寧に解説します

 

2. 『平成30年度グローバル・ベンチャー・エコシステム連携強化事業(グローバル起業家等育成プログラム)報告書』から学ぶ

では、大和総研が作成した企画書を以下具体的に見ていきましょう。

3. 表紙

4. 目次

5. 本事業の目的と概要1

1. 本事業の目的
本事業は、「Thinker(考える人)から Doer(行動する人)へ」をテーマに、イノベーションの創出に挑戦する人材や大企業で新事業に挑戦する人材等を広く募集・選抜し、講演や講義・ワークショップ、メンタリング、米国シリコンバレーの投資家や起業家との交流を通じて、グローバルに通用する次世代のイノベーションの担い手を育成することを目的としている。

本事業は2015年度から開始され、本年度で4年目を迎えた。

2. 求める人物像
“If things are not failing, you are not innovating enough”(Elon Musk/Tesla, SpaceX)「何も失敗ごとが起こっていないとしたら、十分にイノベーションを起こしていない証拠だ」(イーロン・マスク-テスラモーターズ/スペース X)

今日の日本は、少子高齢化や産業の成熟化に加え、ITの世界が全産業を飲み込もうとしている未知なる社会の変化に直面している。このような社会背景においては、これまでのやり方や既成概念に縛られず、積極的に社会の課題を発見し、その解決に挑戦する人材が求められている。

このような背景認識から、本事業では、受講生が普段の生活や職場で感じた課題や、思いついたアイデアを「直ちに実践」し、実践を通じてより早く本質に近づき、好機を見逃さない姿勢や習慣を身につけることを重視している。

公募にあたっては、「失敗を恐れるのではなく、好機を見逃すことを恐れる」チャレンジ精神を持つ人材を求めた。また、企業で新規事業を担当する方、自治体などの組織で新規事業やイノベーションの仕掛けや政策を担当する方、研究所などの組織で事業化を目指す研究者、事業経験を持つ起業家、起業を目指す学生など、幅広い方々を対象とした。

5. 本事業の目的と概要2

3. 本事業の全体像
本事業は、公募・選定期間2ヶ月とプログラム実施期間8ヶ月、合わせて10ヶ月にわたって実施した。本年度は、2018年5月から6月にかけて一般公募を実施し、厳正なる審査のもと、応募者345名から合格者(受講生)126名を選抜した。

国内プログラムは7月にキックオフを行い、講義・ワークショップやメンタリング(「メンター」と呼ばれる経験豊富な熟練者が、未熟練者に対し、対話や助言によって本人の成長や事業計画のブラッシュアップを促すこと)、ピッチ大会などを通じ、事業計画のブラッシュアップやプレゼンテーションスキルの向上を図った。また、国内プログラムと並行して希望者向けの少人数制プログラム「始動カフェ」を行い、特定のテーマについての知見を深めた。

2018年12月15日に実施したピッチ大会では、書類審査とピッチ審査の総合評価によってシリコンバレー派遣者20名を決定した。選定された20名は2週間のシリコンバレープログラムに参加し、現地のスタートアップで活躍する起業家や大企業の新事業開発担当者、ベンチャーキャピタリストを訪ね、スモールミーティングやメンタリングを通じて、自身の事業計画の質を高めた。また、シリコンバレー非選抜者のうち 31 名が「国内フォローアッププログラム」に参加し、国内で引き続き事業計画のブラッシュアップを行った。

2019年2月15日の最終成果報告会(Demo Day)では、シリコンバレー派遣者20名と国内フォローアッププログラム参加者20名の計40 名によるピッチを行った。Demo Day ではその他に、ゲストスピーカー講演、アルムナイによる事業紹介ブースの出展、パネルディスカッションなども実施した。

6. 公募~選定1

1. 公募
本年度の公募では、2017年度に続き、書類および動画による募集・審査を行った。書類審査では、

1. 事業タイトル
2. 解決したい課題とその背景
3. 課題解決策と提供価値
4. ビジネスモデル
5. 競合とリスク

の5つの要素からなる「事業コンセプト」をPDFファイル10 枚程度で提出するものとし、動画審査では、事業に対する応募者の「ビジョンや熱意」を2分以内の動画で提出するものとした。

本年度(第4期)の応募総数は345 名となり、2017年度(第3期)の応募総数243名を大きく上回った。

2. 選定
選定において、書類審査では、事業コンセプトにおける課題の内容や論理的思考能力、課題と解決方法との一貫性、社会的インパクトの大きさなどを評価し、動画審査では、事業に対する本人の意欲や意思を評価した。これらの選定基準のもと、1名の応募者につき独立した3名の審査員が厳正なる審査を行い、応募者345名から合格者(受講生)126名を選定した。

選定された受講生126名のうち、女性比率は23.8%(30名)となり、これは2017年度の24.6%(31名)とほぼ同様の水準であった。また、大企業(従業員300名以上)の比率は67.5%(85名)となり、こちらも2017年度の65.1%(82名)とほぼ同様の水準であった。

地域別にみると、関東圏は75.4%(95名)となり、2017年度の73.0%(92名)とほぼ同水準であった。ただし、本年度は始動プログラムでは初めて東北地域からの参加者があった。年齢層を見ると、30代がもっとも多い55.5%、20代がそれに次ぐ27.7%となり、20~30 代の合計で8割以上を占める結果となった。本年度合格者の最年少は21歳、最高齢は58歳であった。

6. 公募~選定2

6. 公募~選定3

6. 公募~選定4

7. 国内プログラム1

1. 概要
国内プログラムは、「意識改革」「スキル向上」「事業化促進」「成長促進」の4つの構成および流れに沿って実施した。

国内プログラムの前半では、「意識改革」と「スキル向上」を重視した。各日のプログラムの基本的な構成としては、まず事業創出の実践知をもつ起業家・実業家等からのレクチャー(ゲストスピーカー講演)を行い、次にそのテーマに関連したモデル事例や考え方のフレームワークを、講師陣からケーススタディ形式で学ぶ形式とした。

レクチャーとワークショップを同日内に行うことによって、テーマに対する理解を深めるとともに、アウトプットを通じたスキルの定着を図った。また、チーム単位での検討をプログラムに組み込むことによって、多様な価値観やバックグラウンドを持った受講生が互いに学びを共有し、刺激を与え合うことも学びの要素とした。

国内プログラムの後半では、「事業化促進」と「成長促進」を重視した。ピッチ大会と並行して個人メンタリングを実施し、個人メンタリングにおいて受講生は、マンツーマン形式でメンターから事業計画に対するフィードバックやアドバイスを受けた。また、「ピッチ→フィードバック→事業計画の修正→メンタリング→ピッチ→フィードバック→…」のサイクルを回すことによって、事業化(本事業内では「事業資金または人材を獲得すること」と定義している)に向けた事業計画のブラッシュアップを強力に推進するとともに、受講生のイノベーターとしてのマインドセットとスキルの定着を図った。

国内プログラムの総仕上げとして、2018年12 月15日に事業内容の発表(最終発表会)を行い、事業計画の書類審査結果とピッチ審査結果との総合評価によって、シリコンバレー派遣者20名を決定した。また、2019年2月15日には、始動カフェプログラム、シリコンバレープログラム、国内フォローアッププログラムを含む全プログラムの最終成果報告会として、Demo Day を開催した。

7. 国内プログラム2

7. 国内プログラム3

2. Day0(キックオフ)
Day0(キックオフ)の開会挨拶では、経済産業省福本拓也氏が、「始動は『人』に投資する特別な国家プロジェクトである。事業計画を実行し事業を成功に導くと同時に、次に活きる失敗などの『火種』を作ってもらいたい。」と受講生を激励した。また、株式会社 WiL共同創業者CEOの伊佐山氏は、ビデオメッセージを通じて、始動プログラム受講生が持つべき心得(こころえ)として、「社会的な課題を解決しているか」「学びを共有できているか」「地球儀を見ているか」「行動を起こせているか」の4点を紹介した。

当日は受講生同士のネットワーキングを促すためのランチセッションののち、早稲田大学大学院経営管理研究科准教授の入山章栄氏より「イノベーションの理解」と題した講義をいただいた。入山氏は、「知の探索」と「知の深化」が高いレベルでバランス良く行われている組織がイノベーションを起こせる組織であるとし、そうした組織においては、ダイバーシティや“ゆるい”ネットワークが重要な役割を果たすことなどを解説した。

始動アルムナイによるパネルディスカッションでは、経済産業省(当時)石井芳明氏のファシリテーションのもと、第1期生吹野豪氏、第2期生森脇潤一氏、第3期生佐藤弥生氏の3名が「始動へ応募したきっかけ」「始動での学び」「始動プログラム中の時間管理」「メンタリングの活用方法」「始動終了後の活動」などについて意見を交わし、第4期受講生に向けて激励のメッセージを送った。

7. 国内プログラム4

受講生からは、次のようなコメントが寄せられた。

・始動が日本の将来を担う人材を育成する国家プロジェクトであると理解できた。そのようなプログラムに参加させていただいているということに留意して、アクションを起こしていきたい

・受身では無く、この機会を自ら積極的に活用することが求められている事が分かりました

・プログラムの内容をより深く理解でき、初日で沢山のメンバーと知り合いになれ、話すことができたことで大いに意欲が高まった

7. 国内プログラム4

3. Day1‐2
Day1は「イノベーターのマインドセット」、Day2は「解決したい課題の発見・定義」をテーマとして、ゲストスピーカー講演、パネルディスカッションおよび講義・ワークショップを行った。

Day1「イノベーターのマインドセット」では、株式会社ソラコムの代表取締役社長の玉川憲氏が、「未来のプレスリリース作成」ワークショップ(将来、事業が実現した際に出すプレスリリースを予測に基づいて作成するワークショップ)を行った。

続いて、株式会社ユーグレナ取締役CFO兼リアルテックファンド代表の永田暁彦氏、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ代表取締役社長の阪根信一氏、株式会社龍角散執行役員開発本部長の福居篤子氏の3名が、「イノベーターとしてのマインドセット」と題したパネルディスカッションを行った。

同パネルでは、永田氏が「資金調達でも事業遂行でも『共感』を得ることが重要。とにかく生産者に会いにいくなど、実体験を大事にしている」と述べるなど、「共感」を作ることが周囲や上司の協力を得る上で重要であることなどが語られた。

7. 国内プログラム5

Day2「解決したい課題の発見・定義」では、三井化学株式会社コーポレートコミュニケーション部広報グループ課長の松永有里氏が、「B2B企業とクリエイティブの出会い~部活から始めるイノベーション~」と題したゲストスピーカー講演を行った。その後、株式会社エムテド代表取締役の田子學氏が「Think out of the box」と題したワークショップを行った。

ワークショップにおいて受講生は、駄菓子を食べる様子を互いに観察し、課題を発見し、解決策のプロトタイピングを行うプロセスを体感した。受講生からは次のようなコメントが寄せられた。

・プレスリリースで示すと、ロジックやハイライトしたいビジョンが明確でないことに気がつくことができた。自分の事業にはシンプルさが足りないと感じた

・先輩起業家の方々の仕事における「大義」の明確さが最も印象に残った

・プロトタイプを、工作のようにいきなり作ったことが印象的でした

・デザイン思考は何回か実践しているが、マインド(子供心)が足りなかった

・大人の事情は言い訳であり、やると決めたら、なんでもできる。という気持ちにさせてくれる内容であった

7. 国内プログラム6

Day3は「解決したい課題の解決方法」、Day4は「ビジネスモデル① 顧客と市場」をテーマとして、ゲストスピーカー講演および講義・ワークショップを行った。

Day3「解決したい課題の解決方法」では、Day2「解決したい課題の発見・定義」に続き、田子學氏のファシリテーションのもと、実践形式で、顧客の声を聴く方法、解決策や提供価値をプロトタイピングする方法、不足の事態にチームとして対処する方法などを学んだ。

Day4「ビジネスモデル① 顧客と市場」では、作詞家の秋元康氏が「マーケットを創出する」と題した講演を行った。秋元康氏は講演の中で、自身の思い込みの激しさを大切にすることや、それに水を差すような大人の意見に影響されないようにすること、誰かに話したくなるような要素があること、簡単に説明できることなどがマーケットの創造において重要なポイントであることなどを話した。

また、組織の中で企画を通すにあたり、説得できない人や抵抗する人が出てくる場合、そうした人々を無理に説得しようとせず、あっさりとひっこめることも時には大事であるとも語った。

7. 国内プログラム7

ビジョンプロバイダー株式会社代表取締役の磯尾克行氏は、「ミリオンセラーはなぜ生れたか」「サイエンス思考とブリコラージュ思考」と題した講義・ワークショップを行った。

磯尾氏は、顧客目線とサイエンス思考で「ない」ものを探し、ブリコラージュ(「寄せ集めて作る」の意)思考で新しい価値を作るという考え方のフレームワークに基づいたワークショップを行った。受講生からは次のようなコメントが寄せられた。

・解決したい問題があれば、何かしら解決策は作れると感じた。方法もロジックも無限にある。あらゆる発想を捨てない子供の意識を大事にしたい

・万人ウケを目指すのではなく、自分が「これこそは!」と思ったサービスやプロダクトを作ることが大切だと、改めて感じた

・秋元氏の講演で感性を大事にすることの重要性、磯尾氏の講義・ワークショップでロジカルにマーケティングをしていく方法を学んだ

7. 国内プログラム8

7. 国内プログラム9

Day6「事業の実行計画~顧客獲得戦略と必要なリソース~」では、Indeed Japan 株式会社代表取締役社長の高橋信太郎氏が、「いかに新規事業を創出・拡大し実行して来られたか」と題した講演を行った。

また、株式会社博報堂シニアマーケティングディレクターの土屋亮氏は、「顧客拡大の方法論」と題して、ペネトレーション(低価格で一気に市場拡大)とスキミング(高価格から徐々に市場拡大)の成立条件の違いなどを説明しながら、ワークショップ形式で講義を行った。受講生からは次のようなコメントが寄せられた。

・ヤフー川邊社長の「インターネットが大好き!!!」と言っているときのエネルギー量に心を動かされました

・市場がレッドオーシャンかブルーオーシャンか考えるよりも、その事業でどれだけ世の中が便利になるかを考える事が大切であることに気づかされました

・それぞれが考えて来た事業案をいかに折衷し、削ぎ落として、価値あるものにしていくか、ということの難しさを非常に感じた

・イノベーターやアーリーアダプターからアーリーマジョリティに普及させるための顧客拡大のシナリオを考えることは、新たな視点だった

7. 国内プログラム10

7. 国内プログラム11

7. 国内プログラム12

7. 国内プログラム13

Day9「事業の実現性を高める」では、株式会社資生堂チーフストラテジーオフィサー兼株式会社HIZZLE代表取締役社長の留目真伸氏が「新規事業・スタートアップと価値創造プロセス」と題した講演を行い、レノボ・ジャパン株式会社スマート製品事業部部長の湯浅浩一郎氏が「新規事業開発の実践とマインドセット」と題した講演を行った。

また、株式会社コンセラクス代表取締役の住友滋氏は、「顧客起点/ 課題起点の事業開発」と題した講義・ワークショップを行った。

Day10 は、第2回目のピッチ大会を行った。Day7の初回ピッチ大会とほぼ同様、受講生は16名ずつ7部屋に分かれ、4名のメンターとその他の受講生に対して、1名あたり6分間のピッチを行った。Day10では総勢28名のメンターに協力を得、ピッチ終了後はグループメンタリングを実施した。受講生からは次のようなコメントが寄せられた。

(Day9「事業の実現性を高める」)
・「大企業が悪」ということはないのだろうけれども、新規事業・イノベーション領域においては、難しさが大きくなることは確かで、そこでどうしていくか、外に出ていくこと・外と繋がることも大きな選択肢だと実感しました

・ペルソナ探しよりも、JTBD(Jobs-To-Be-Done:顧客が片づけたい用事)で顧客を定義し課題を解決する事が重要だという事に共感しました

(Day10:第2回ピッチ大会)

7. 国内プログラム14

・事業計画書とは別でピッチ資料を作り込み、準備通りのプレゼンテーションができました

・ベンチャー・キャピタルの視点を学んだ。金額の根拠を根掘り葉掘り聞かれた。答えられてないことはロジックが積み上がってないと感じた

・どういったデータをどう活用できるのか具体的にすることができれば、よりプレゼンの精度が上がる、というご指摘を頂きました

7. 国内プログラム15

◆始動2018 シリコンバレー派遣メンバー20名と事業プラン名(仮)
1. 新井美月/株式会社ネクスウェイ/アスヤクLABO‐製薬会社と薬剤師をつなぐプラットフォーム
2. 有川尚志/株式会社カネカ/地球を救う天然プラスチック PHBH ~海洋ごみ問題ソリューション~
3. 石倉美和/JFEエンジニアリング株式会社/うみがめパワー 海洋プラごみ由来の電力で日本発の越境可能な環境価値市場を創る
4. 乾元英/全日本空輸株式会社/CoCo:車椅子ユーザーおよび高齢者向けパーソナルモビリティ(電動車椅子)シェアリング旅行事業
5. 岩崎真宏/Omoi Foods株式会社/ポケベジ®「自分だけの健康管理をいつでもどこでも」を可能にする完熟野菜カプセルを健康ニーズと自動マッチング
6. 江崎英太/ハイツー株式会社 株式会社ふるさとup/『デリトラ』:荷物の移動が見える配達管理アプリ
7. 大野次郎/ティシューバイネット株式会社/細胞だけで移植可能な細胞ブロックを作成する新技術「ネットモールド」
8. 久保昇平/関西巻取箔工業株式会社/VOCゼロを実現する「熱転写顔料箔」の提案
9. 澤口早苗/株式会社リクルートキャリア/unitrade-ブロックチェーン技術による製造流通業向けSCMエコシステム
10. 髙田諭/東日本電信電話株式会社/JAPAN QUEST:ARカード「CUzo Card」を活用したインバウンド地方送客事業
11. 竹之下倫志/グロービス経営大学院(2017期生)/【Easy Me】テクノロジーを活用したいじめ予防/対応事業
12. 千野歩/株式会社本田技術研究所/michi tech:視覚障害者単独歩行支援
13. 西光司/澤田経営道場 株式会社アグリツリー/ソーラーシェアリング:農業と自然エネルギーによる地域社会の活性化
14. 西沢眞璃奈/株式会社リクルートジョブズ/Pharmony 薬局と患者をつなぐアプリケーション
15. 一杉泰仁/東日本電信電話株式会社/地下空間とドローンがもたらす物流革命-地下配送ドローンが街角まで-
16. 平野真康/株式会社博報堂DYメディアパートナーズ/ユニバーサルツーリズムにおけるCtoCプラットフォーム事業
17. 星野綾香/株式会社アシックス/ASICARA:歩行の老化診断&改善ができるシニア世代向け「足腰見守りAIシューズ」
18. 三原雄一/富士通株式会社/Watching Call:患者・被介護者の転倒転落を防止し、医療・介護関係者を支援するサービス
19. 宮脇崇/株式会社ニコン/AIと画像解析による食事療法支援サービス
20. 森川悠/パナソニック株式会社/Famileel(ファミリール):難聴高齢者と家族のコミュニケーションを改善するサービス

7. 国内プログラム16

7. 国内プログラム17

8. 始動カフェ1

本年度始動プログラムでは、2017年度と同様、を国内プログラムと並行して「始動カフェ」を開催した。始動カフェは、20~30名程度という少人数のゼミ形式で希望者が集まり、カフェのような雰囲気の中で、リラックスして補足学習を行う機会である。始動カフェは、メインプログラムでの学びを自身の事業に効果的に落とし込むためのサブプログラムに位置づけられる。

本年度は、「グローバルの視点」「ローカルの視点」「もの作り系大企業の新規事業創出」「ベンチャー・スタートアップの資金調達」という4つテーマで始動カフェを開催した。なお、第1、2、4回始動カフェは東京、第3回始動カフェは大阪で開催した。

9. シリコンバレープログラム1

シリコンバレープログラムは、国内プログラム参加者から選抜された20名が米国シリコンバレーに渡り、2週間という限られた期間の中で、現地で活躍する起業家や大企業の新事業開発担当者などを訪ね、「イノベーションの聖地」における考え方の文化(マインドセット)やエコシステムを体感し、さらに、そこで得られた学びを自身の事業計画に反映し、さらなる事業化促進と成長促進を行うプログラムである。

シリコンバレープログラムは、大きく分けて①ワークショップ、②企業訪問・ゲストスピーカー講演、③スタートアップ訪問、④メンタリング、⑤アウトプットの5つの要素から構成される。

9. シリコンバレープログラム2

9. シリコンバレープログラム3

SVプログラム前半について、受講生からは次のようなコメントが寄せられた。

・「Yes, And」を如何に続けていくか、自分の周りにそして社内への伝播の仕組みづくりに取り組みたい

・(FarmStead 社企業訪問について)一見、「Amazon あるじゃん」「スーパーあるじゃん」と思ってしまうのですが、地域限定、何かを抜く(店舗、商品数を絞る)、ニーズや回転数の多いものから始めるなど、focus戦略の具体例を生々しく学べました

・Facebook、Intelの社員は、未来をどう変えるか、自分が社会にどのようなインパクトを与えられるかを常に考えていた。このマインドセット、視座の高さが、圧倒的なシリコンバレーの強みだと感じた

・Twitterやsquareも組織や体制は日本の大企業と一緒。大きな違いであるチーム構成、意思決定、データ分析手法等を改善・改革すれば、格段にレベルアップできる

・日本は誰でもそこそこの生活が遅れる社会保障国家&企業である一方、アメリカは格差が激しく、日本以上に学歴社会・会社社会であると思いました

・「シリコンバレーでは、起業に失敗してもアントレプレナーに戻るだけ」との言葉が印象に残った。これは日本と本当に違うし、「ただ失敗を恐れるな!」と言われるよりもすごく分かりやすかった

9. シリコンバレープログラム4

9. シリコンバレープログラム5

9. シリコンバレープログラム6

9. シリコンバレープログラム7

10.国内フォローアッププログラム

11.最終成果報告会1

2018 年度始動プログラムの最終成果報告会「Demo Day」は、参加チケットを一般の方々にも一定数公開し、始動としては初めての公開イベントとして実施した。

内容としては、受講生計40名(シリコンバレー選抜者20名+国内フォローアッププログラム選抜者20名)によるピッチ大会や、シリコンバレー派遣メンバーによるシリコンバレープログラム帰国報告会のほか、WHILL株式会社代表取締役兼CEO杉江理氏による基調講演、アルムナイによるブース展示や、始動プログラムについてよく知らない方々に向けたステージセッションなどを行った。

第4期受講生やアルムナイ、メンターなどの始動関係者のほか、受講生が所属する企業の経営陣や人材育成プログラムの担当者、研究者、学生など幅広い方々に来場いただき、総来場者数は500名を超えた。

11.最終成果報告会2

Demo Day では、40名のうち審査員評価の高かった6名がステージで再度ピッチを行い、最優秀賞1名と優秀賞2名を表彰した。

最優秀者は関西巻取箔工業株式会社の久保昇平氏(事業計画タイトル「VOCゼロに貢献する『熱転写顔料箔』」)が受賞し、優秀賞は株式会社カネカの有川尚志氏(同「地球を救う天然プラスチック PHBH ~海洋ごみ問題ソリューション~」)と、株式会社NTTデータ兼 Neikidの野辺健一郎氏(同「『親が選択しなかった人生を歩む』新しい教育プラットフォーム“Nei kid”」)が受賞した。

11.最終成果報告会3

・ピッチ予選会のレベル、熱気、人気、とても素晴らしかった。緊張感が気持ち良いだろうと羨ましかった。(大学、40 代男性)

・男性も女性も関係なく、堂々としたピッチをしていたことが印象に残った。(大企業、30代女性)

(アルムナイ)
・「考えてばかりではダメ、行動しよう」「新しいことをやるなら失敗もつきもの、失敗を恐れるのではなくチャンスを見過ごすことを恐れよう」といった全体の空気感がベースにあるので、あの場にいるだけで元気になれるし建設的な話が色々と出来て、本当に最高の場だと思います

・ピッチ大会での「Why you?」の部分が強く、それぞれ印象的であった

・(ブース出展者)大手企業の執行役・開発センター長・イノベーション関連部門の部長などに開発成果の展示について興味深く聞いていただくことができ、今後のビジネスへの繋がりにも期待が持てた

(受講生)
・始動同期のイキイキとした姿が印象に残った。心から世の中を良くしたい、誰かのためになりたいという気持ちがにじみ出ていました。また、それを真剣に聞いている方々の姿がとても印象的で、想いを持って続けてきた活動は、誰かの心を動かすということを感じることができました

・最終ピッチのレベルが高くレベルの差を感じたが、彼らに負けないようにもっと成長したいと思った

・4期生としてDemo Dayにピッチ登壇者として立てなかったことを悔しいと思うと同時に、同じように頑張ってきた同期がピッチしているのを見て、積極的に応援したい、という熱い気持ちになった

・今までメッセンジャーや電話でしか繋がってなかった始動の先輩方に会えてよかった。しかも私に会わせたい人がいるとわざわざ連れてきて頂けたのは感激でした

・WHILL杉江氏の講演が素晴らしかった。起業のきっかけ、スタートアップ時代のチャレンジ、悩み、英語の学び方、スケールの仕方、ビジョンの描き方等まさにお手本だった。刺激を受けた

12.事業化アンケート結果1

12.事業化アンケート結果2

12.事業化アンケート結果3

12.事業化アンケート結果4

12.事業化アンケート結果5

12.事業化アンケート結果6

12.事業化アンケート結果7

◆事業化以外の活動成果(第2期生)

Q:「始動」を機にした事業化以外のDoerとしての活動成果があれば、具体的に教えてください。

◇事業ではなくどちらかというとNPOや社会貢献に近い形だが、ミュージカルというリアルな舞台表現を通じて日本の文化芸術活動に貢献し、高品質なエンターテインメントを創り出す、それらに関わる人々をサポートする、というところの活動を開始。現在でも始動同期との仕事を一緒にしている

◇本業の他に、「親子の休日革命」という団体を立ち上げ、親子向けのワークショップの提供などを通じた子育てリソースシェアリングのプラットフォーム化を目指して活動しております

◇県庁を含む市町村との連携が実現しつつある。
◇医療ベンチャー・医療機器開発支援団体への参画、関西始動コミュニティの活性化、CancerXによるコレクティブインパクト、大阪府臨床工学技士会に医産連携委員会を発足、その他医療健康関連のコミュニティに多数声をかけて貰ってるので、これらを統合出来るような仕組みを作りたいと考えております

◇信金グループでOne Shinkinを立ち上げた

◇AIを活用した事業化に興味を示すメンバーを集めて、5日間連続のイベント「AIフォーラム」を日比谷ミッドタウンにて開催(2018年5月)

◇始動のメンタリング等を通して、ベンチャー企業の立ち上げの支援ができないかと考え、フリーランスとして活動することとした。縁もあり現在2社のベンチャー企業で活動を1年以上継続することが出来た。1社では、経営企画としてNEDO等の助成事業の獲得で1億円以上の売上の計上。1社では、PMとしてJR駅構内での案内サイネージのPOCを実施している

◇始動の出会いきっかけに新規事業推進へ異動となり、現金受取サービスを立ち上げた。ただ、自分のやりたいことを諦めきれず、他社で始動で検討していたプランのようなものを検討していたため、転職し現在推進中

◇社内ベンチャー制度立ち上げ運営、スタートアップへの転職

◇社内のアンオフィシャルな新規事業創出チームの活動開始⇒経営トップの公認プロジェクト化

◇社内のアンオフィシャルな新規事業創出活動の開始。所属部署を超えた会社取締役、役員との有志の意見交換会、新規事業提案の機会創出。 社内のオフィシャルな起業家プログラムの提案(承認プロセス中)

◇始動3期生の斡旋をして2名参加させることが出来たこと。その2名と一緒に始動への参加報告を社長に実施して意義を理解してもらえたこと

◆事業化以外の活動成果(第3期生)

Q:「始動」を機にした事業化以外のDoerとしての活動成果があれば、具体的に教えてください。

◇外国人労働者の受け入れプロジェクトをお手伝いしております。また、今後は地方創生のリブランディングにも携わる予定です。

◇日本でのモンゴルのスタートアップコミュニティを立ち上げ、運営開始。

◇事業ではありませんが、1ヵ月に約1回のペースで「大人の教養大学」を実施し、1年間継続的に活動してまいりました。現在、のべ500名ほどの参加者になり、今後も、大人が教養を身につける場、社会人のリカレント教育の場、現代人のサードプレイスとして続けていくつもりです

◇鳥取県での始動報告会の開催、山陰イノベーションプログラムのアドバイザー就任

◇始動メンバーで計画して発表した内容が実現した、調理×ロボットの店舗の出展。ビジネスの種だったものが、大手との協業が始まった

◇始動SVプログラムでもご一緒したNTTドコモ(始動参加時はNTTデータ)の神谷さんと、両社共同でキャンペーンを実施した。拡大に向けて継続 活動中です(セブン銀行)

◇横浜ITクラスター交流会の実行委員会メンバーとして参画

◇Girls in Techでの活動、登壇・Women in Tech(日本マイクロソフト内でのinitiative)の立ち上げ、運営メンバーとしての活動・保育の 各種団体の支援(特にICT関連)

◇始動を機にポートフォリオワーカー(フリーランス)になろうと決意できた

◇希望部署へ異動した

◇グループ横断の金融イノベーションを担う組織の事務局の主担当となり、組織の見直しから着手。来期からは、社内のLab的な仕組みを立ち上げる予定。またSDGs 推進の立ち上げメンバーとなり、社会課題解決の視点で期間限定ながら会社としては初となる社内有志組織を設計、運営し、 経営への提言まで実行

◇大企業を退職してスタートアップに参加したこと

◇社内ビジネスコンテストを企画、運営

◇全社の有志活動で「新規事業を何が何でも実現するぞプロジェクト」を発足。始動をパクリまくってます

12.事業化アンケート結果8

◆事業化以外の活動成果(第4期生)

Q:「始動」を機にした事業化以外のDoerとしての活動成果があれば、具体的に教えてください。

◇始動Demo Dayのプレゼンをきっかけに他企業がビジョンに共有し、一緒に新規を取り組みたいとお声がけをいただく機会が増えた

◇浜松市トライアルオフィスでの成果が認められ、事業継続するとともに、業務範囲が拡大しています。その活動の中で出会った自社のビジネスと親和性の高いSaas事業者との東海地区における提携が具体化しています。また、㈱TBMの販売代理店化の話と、それに伴う社内デザイン部門の立ち 上げが実現しました。浜松市内にコワーキングスペース立ち上げの話があり、大企業をスポンサーとした場所の立ち上げが実現しそうです。浜松地域におけるStartupコミュニティの創出に向け、Startup weekend浜松のオーガナイザーとなり、イベント主催していくことになっています

◇始動のメンタリングで分かった自分のやりたいことを行う為に、NPO法人JSBNの運営に携わるようになった。コミュニティ運営スキルを得る為に、有志団体(ONE JAPANやFacebook Developers Circle)のメンバーとして参加

◇副業推奨の企業に再就職した。起業家でありながら、別の会社の社員というパラレルな働き方が出来ている。土日はストアカでwebsite構築の 講師活動を始めた

◇始動の応募を経て、自分の未来を考えました。「現状が実現したい未来に繋がっているか?」という問いで、「繋がっていない」と判断し転職しました

◇SHOWROOM株式会社へ転職し、より実装力の高い環境に身を置くことにした

◇経営層トップを巻き込んだ、社内スタートアップ制度の立ち上げ

◇社内で評価が高まり、様々な人から声をかけられるようになった。人事部も認知してくれている。有志活動であるものの新規事業提案のチームに加わり、始動で得たネットワークも活用出来ている

◇本部の、新規事業検討プロジェクトのリーダーになった。今後のスポーツビジネスの新規事業について社内に提案する予定である。現在は、チームが 確定した段階であり、開始は来年度からの予定

◇次代のコミュニケーションの柱となりうるxR領域のクリエイティブのパイロットチームのマネジメント担当に

◇社内で新人事制度『社内交換留職制度』を提案し、現在詳細制度設計中。社内インキュベーションチームBOOSTを結成し新事業開発を促進している。趣味でベンチャーを手伝い経験を得ている。(副業禁止のためボランティア)

◇社内で既に立ち上げていた価値創造/事業創出WG活動の更なる推進と拡大、社内での発信を増やすことで組織の壁を越える活動の事例として労働組合で取り上げて頂いた

ほか多数

12.事業化アンケート結果9