ラピダスとは?先端半導体の国産化を目指す製造業復活の象徴へ

ラピダス

Rapidus株式会社は、2022年8月に設立された半導体メーカーです。ラピダスが製造する半導体は、次世代の2ナノ半導体です。これは米IBMからの話が起点となり、最先端半導体の国産化がスタートしました。出資企業には、トヨタやNTT、ソニーグループ、NECなどの一流企業が連なっています。

2024年4月2日、経済産業省は新たに最大5900億円の支援を発表しました。また2024年4月12日、ラピダスは米シリコンバレーに新会社を設立することを発表しました。

本記事では、日本の製造業復権の象徴であるラピダスについて解説します。

 

1. ラピダスとは

ラピダス

TVh北海道ニュースより

1-1. 先端半導体の国産化を目指す

EV 半導体

EVの頭脳部分に使われる半導体

ラピダスは、先端半導体の国産化を目指し、2022年8月10日に設立されました。この先端半導体とは、回路の幅が16ナノ以下のものです。ちなみに1ナノ=1ミリメートルの100万分の1です。

そして今や次世代品開発の主戦場は、2ナノ半導体に移っています。この2ナノ半導体は、大手のTSMCやサムスンでさえも量産化には至っていません。現在の日本で製造できるのは、40ナノ世代です。つまり、40ナノから一気に2ナノまでジャンプさせるのが、ラピダスの挑戦になります。具体的には、2027年の量産化を目指しています。

1-2. ラピダスの会社概要

ラピダスの経営理念の1つに、「世界最高水準の開発力、技術力、製造力を持つ工場経営を推進する」があります。この世界最高水準が、2ナノ半導体のことです。ラピダスの小池社長はANNewsCHのインタビューで、「良い人生を送ったなというものを作りたい。その基盤が2ナノです」と語っています。

社名  Rapidus株式会社(英文名:Rapidus Corporation)
所在地  〒102-0083 東京都千代田区麹町4丁目1番地 麹町ダイヤモンドビル 11階
設立日  2022年8月10日
資本金等  73億4,600万円(2022年11月時点。資本準備金の額を含む。)
経営陣  取締役会長 東 哲郎、代表取締役社長 小池 淳義
主な事業内容  半導体素子、集積回路等の電子部品の研究、開発、設計、製造及び販売

 

2. 米中貿易摩擦の最前線半導体

2-1. 2015年発表の「中国製造2025」の影響

米中貿易摩擦の発端は、2015年に中国が発表した「中国製造2025」です。この10分野の中の一つに半導体を入り、米国を刺激しました。しかもその後半導体不足という事態が発生しました。2022年10月、バイデン政権は大型の対中半導体輸出規制を発表しました。そして米国政府は、日本政府とオランダ政府に対中規制の協力を求めました。

半導体は「産業のコメ」であるだけでなく、「戦略的重要物資」になりました。戦闘機やミサイル、戦車には多くの半導体が使われています。また核兵器や超音速ミサイルなどの最新兵器には、人工知能が採用されています。これらの技術を可能にしているのが、先端半導体です。そのサプライチェーンの重要起点を西側諸国が握っており、争奪戦が展開されています。

2-2. 半導体製造装置は米国、日本、欧州で94%のシェア

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の最新の調査では、2022年の本社別地域・国別シェアは米国が50%、日本が23%、欧州が21%、中国および韓国がそれぞれ3%前後です。つまり半導体製造装置市場で、米国と日本と欧州で94%を占めています。またオランダの半導体装置メーカーASMLは、チップ製造に不可欠な半導体露光装置を製造しています。しかも世界のチップの85%は、ASMLの製品を使って作られています。

2-3. 世界の半導体チップの85%はオランダのASMLが製造

オランダの半導体装置メーカーASMLは、半導体チップ製造に不可欠な半導体露光装置を製造しています。しかも世界の半導体チップの85%は、ASMLの製品を使って作られています。つまり、スマートフォンやラップトップの製品に使われる半導体チップの多くは、ASMLの機械で作られています。これが、「ASMLが一時停止したら、iPhoneの新製品は出せない」といわれる由縁です。

2-4. 米国下院の中国特別委員会の動き

2-4-1. 技術規制から資本規制へ

2023年11月17日のYouTube『デイリーWill』では、半導体戦争の裏側について報じていました。経済安全保障アナリストの平井宏治氏は、世界の「知能化戦争」を指摘しています。これは、「AIを制するものは覇権を制する」というものです。従来は、技術の流れの規制でした。しかし今アメリカは、資金の流れの規制に動き出しています。この規制対象の舞台になるのが、ベンチャーキャピタルです。

2-4-2. 中国投資の4ベンチャーキャピタルに送った書簡の中身

アメリカ ベンチャーキャピタル資本規制

デイリーWillの「対中投資に最終通告!アメリカはもう中国を許さない」

2023年夏、米国下院の中国特別委員会が4つの米ベンチャーキャピタルに書簡を送りました。その中身は、「過去に投資した半導体、人工知能、量子コンピュータを扱う中国企業の名前と投資額、内容、中国共産党との関係を、書面で回答せよ」というものです。この背景には、アメリカの国家安全保障上問題がある中国投資を規制する法案の動きがあります。具体的には、2024年度国防権限法修正案に反映される予定です。

2-4-3. 書簡を送られた4つのベンチャーキャピタルとは

米国下院の中国特別委員会が書簡を送ったベンチャーキャピタルは、以下です。

◆GGV Capital/2000年設立。2005年Jenny Leeは上海オフィス設立。ByteDance、メグビーなどに投資
◆GSRベンチャー/2004年設立。管理資産は37億ドル、中国のAI企業に33件投資している
◆ウォールデン ベンチャー キャピタル/1974年、アート ベルリンナー、ジョージ サーロが設立。SMICにも投資
◆クアルコム・ベンチャーズ/ウィグル人の顔認証のセンスタイム、デンリン・テクノロジーに投資

2-5. 米規制強化前に大量に半導体確保

2023年11月10日、ブルームバーグは中国AI企業零一万物(01.AI)の最先端半導体の大量購入を報じました。これは、米政府の対中輸出規制強化前に、エヌビディアの最先端半導体を1年半分購入したというものです。零一万物は、「Yi-34B」と呼ばれるオープンソースの大規模言語モデル(LLM)を発表したばかりです。今年に創業された零一万物は、8ヶ月足らずでその企業価値は1,500億円と評価されています。

 

3. ラピダス設立の流れ

3-1. 旧知のIBM幹部からの1本の電話

2020年東京エレクトロンの元社長の東哲郎氏に、米IBM幹部ジョン・ケリー氏から1本の電話が入りました。その中身は、「2ナノの最先端半導体開発の目途がついたので、日本で製造できないか」というものです。ちなみに米IBMは、半導体技術の開発のみを行い、量産は行っていません。

狙いは、2つありました。一つは、自社のライセンスの供与先を作ることです。もう一つは、量産化が成功すれば、自社で使う先端半導体の調達先の多様化につながるというものでした。そこで東氏は、日立製作所出身で旧知の小池淳義氏らに技術の検証を依頼しました。その後技術内容や国内生産、ファウンドリー(製造受託企業)事業化が検討されました。その結果、経済産業省に話は持ち込まれました。

そして2022年8月10日、日本企業計8社が総額73億円出資して、Rapidus株式会社は設立されました。具体的には、トヨタやデンソー、ソニー、NTT、NEC、キオクシアなどです。またソフトバンクや三菱UFJ銀行も出資しています。代表取締役社長には小池淳義氏、取締役会長には東哲郎氏が就任しました。今後の予定としては、2025年に試作ライン、2027年に量産ラインの立ち上げを目指しています。

3-2. 日の丸ファウンドリー(受託製造)を狙う経産省

3-2-1. 半導体のエコシステムが期待されるラピダス

ラピダスの設立は、一半導体企業の域を超えた“日本の産業再生”の使命が託されています。産業を体に例えると、半導体は脳であり、心臓です。上流設計という脳を作り、チップという血液を自動車産業や電気製品産業に送り込むのがラピダスです。

【徹底議論】“日の丸半導体”復活なるか?日本の新戦略に迫る!【深層NEWS】

日テレNEWSのラピダス特集

日テレNEWSでは、「半導体産業の構造」や「LSTCの設立」、「半導体エンジニア」等について議論されています。LSTCとは、日米が設立する次世代半導体の研究開発拠点です。理事長には東哲郎氏が就任し、組合員にはラピダス、物質・材料研究機構、理化学研究所、産業技術総合研究所が参加しています。また準組合員には、東京大学、東京工業大学、東北大学、大阪大学などが参加しています。

3-2-2. エルピーダとルネサスの失敗から学ぶべきものとは

興味深い視点は、「日本の弱点」です。過去の失敗から学ぶならば、日本の半導体の盛衰にはどんな要因があるのでしょうか。

例えば2000年前後に、日本の半導体メーカーはメモリーの一種であるDRAMから撤退し、SoC(集積回路の一種)に舵を切りました。その時、NECと日立のDRAM部門が統合されたのがエルピーダです。エルピーダは、後に三菱のDRAM部門も吸収しています。また2003年、NECはSoC部門を分社化してNECエレクトロニクスを設立しました。その後、2004年に日立と三菱のSoC部門は統合されました。これが、ルネサステクノロジです。そして2010年にはNECエレクトロニクスと統合され、ルネサスエレクトロニクスになりました。

この分社化が、大きな失敗の要因といわれています。そもそも半導体業界は巨額の投資を必要とし、分社化した半導体メーカーには資金力がありませんでした。その結果、設備投資には親会社の許可が必要で、迅速な経営判断ができなかったのです。また期待された合併によるシナジー効果に関しては、各社の文化の融合は困難でした。例えば、製造工程の30%を超える洗浄技術は各社で互換性がありませんでした。この他に膨大な社内調整負荷も発生し、競争力が失われていったのです。

半導体産業における日本勢の盛衰要因を探る』には、大きく4つ指摘があります。それは、「4層基板スパコン」「日米半導体協定」「DRAM市場のクロックスピード」です。状況は異なるものの、こういった過去の失敗要因の分析も重要な要素です。

日本半導体産業の弱点

世界半導体出荷額の推移

 

4. ラピダス設立後の流れ

4-1. 最初の5年は日米連携で勉強する

ラピダス 日本IBM ライセンス契約

ラピダスと日本IBMは技術のライセンス契約を結んだ(※朝日新聞デジタルより引用)

2022年11月11日、小池淳義社長は記者会見を開きました。そこで、「最初の5年間は、日米の連携という形でまず徹底的に勉強から始める」と述べました。またそこで、東哲郎会長は「日の丸連合では勝てない。世界の技術を結集する観点が一番重要」と語りました。

2022年12月13日、ラピダスは米IBMと技術のライセンス契約を結んだと発表しました。米IBMは、独自に開発した2ナノ世代半導体の技術をライセンス提供しています。現在米IBMは、半導体の設計開発に特化して技術力を磨いています。そして知的財産のライセンス提供で、利益を得るビジネスモデルを拡大しています。

またラピダスは、ベルギーの半導体研究機関IMEC(アイメック)とも連携します。IMECは、ベルギールーベンにある世界最大級の半導体研究開発機関です。具体的な取り組み分野には、「半導体技術」「ナノテクノロジー」「バイオエレクトロニクス」「エネルギー」があります。また、「高性能マイクロプロセッサ」や「長寿命バッテリー」でも成果を出しています。

4-2. ニューヨーク州の研究開発施設へ派遣

アルバニー・ナノテク・コンプレックス

米東部ニューヨーク州オールバニにあるアルバニー・ナノテク・コンプレックス(※IBM Community Japanより引用)


 

2023年4月、ラピダスの技術者100名が、米国ニューヨーク州に降り立ちました。その目的は、2ナノ半導体の製造に必要な技術の習得です。回路の線幅が2ナノメートルで、1ナノメートル(nm)は10憶分の1メートルに相当します。そしてこのニューヨーク州オールバニには、IBMの研究開発拠点があります。その名前は、「アルバニー・ナノテク・コンプレックス」です。ここは、州政府など産学官が連携して資金を拠出し、2001年に整備されました。

例えば、年間の運営予算は443億円で、今までの投資総額は2兆9,500億円に達します。200以上の国際的企業や研究機関とパートナー関係を結び、約3,000人の研究者や技術者が働いています。今後量産化を目指す2ナノ半導体の特徴を、以下に記します。

◆2ナノ半導体の特徴
① 3ナノ半導体と比べて、処理能力を1割向上できる
② 3ナノ半導体と比べて、消費電力を2~3割抑制できる
③ 3ナノ半導体と比べて、面積を5%減らせる

 

5. ラピダスが北海道の起爆剤に

5-1. ラピダスの半導体製造

半導体の特徴として、回路の線幅があります。例えば線幅が細くなるほど、処理速度や電力効率が上がり高性能化します。例えば世界の量産段階にある最先端品の回路線幅は、3ナノメートル(ナノは10億分の1)です。この3ナノは、台湾のTSMCや韓国のサムスン電子が量産技術を確立しています。これを一気に2ナノ世代までもっていくのが、ラピダスの試みです。

半導体のサイズ シェア状況
1  2ナノ ラピダスが国産量産化を目指す
2  3ナノ TSMCや韓国サムスン電子が量産し、消費電力が少なく処理性能高い
3  10ナノ以下 スマートフォンやAIデータセンター向け。台湾60%、韓国24%、米国16%
4  10~32ナノ パソコン、電気自動車向け。台湾31%、米国25%、中国19%、韓国9%、その他19%
5  40~90ナノ 台湾28%、中国27%、日本18%、韓国10%、米国4%、その他13%

5-2. ラピダスの半導体工場

ラピダス 千歳市 半導体工場イメージ

5-2-1. 千歳美々ワールドの一画に建設

ラピダス 千歳工場

TVh北海道ニュースによる「ラピダス千歳工場」

2023年9月、ラピダスは北海道千歳市に半導体工場を建設することを決定しました。具体的には、新千歳空港東部の千歳美々ワールドの一画で、270社以上の企業が工場や拠点を構えています。建築面積は東京ドームを超える約5万4000㎡で、工場は地上4階建てです。またこの場所に決定された理由とはしては、「インフラ」と「物流」、「豊富な地下水」等の好条件が挙げられています。

5-2-2. 国内外の研究者や技術者が集結

新工場建設予定の千歳市周辺には、国内外から研究者や技術者が集結する予定です。また2023年9月28日、ラピダスの清水敦男専務執行役員は「毎月20〜30人の技術者を採用している」と述べました。ちなみにこの千歳市内での講演は、全て英語でした。2025年に最先端半導体の試作ラインを立ち上げ、2027年から2ナノ半導体の量産を開始する計画です。

ちなみに北海道内で半導体関連の学部がある大学としては、北海道大や室蘭工業大、公立千歳科学技術大、北海道科学大などがあります。また、苫小牧高専や函館高専、旭川高専、釧路高専もあります。

 

6. ラピダスの千歳での求人について

ラピダスの北海道進出は、地元への雇用波及効果も期待されています。特に注目されているのが、半導体関連のエンジニアです。リクルートの資料によると、半導体関連の国内の求人件数は、ここ10年で12.8倍と大きく伸びています。近年は異業種からも興味を持つ人が増えているのも大きな特徴です。ここでは、実際の求人媒体に掲載されているラピダスの求人情報を、一部紹介します。(※2024年4月19日時点情報)

◆ラピダス(北海道千歳市)の求人情報例
① 工場総務マネージャー/年収1,000~1,200万円
② 人事・総務・法務・広報・IR・内部監査/700~1,200万円
③ 人事(採用担当)/400~800万円
④ 生産・製造・プロセス技術(半導体・電子部品系)/年収600~1,200万円
⑤ 先端半導体工場の装置自動化、製造実行システム開発・保守/月給41万6,000円以上
⑥ 2nm世代、Beyond 2nmの先端ロジック開発の製品開発に関する業務/月給41万6,000円以上
⑦ ITインフラストラクチャーとアプリケーションの導入展開/月給41万6,000円以上

 

7. ラピダス失敗論について

7-1. 回路線幅2nmの量産化の困難さ

ラピダスは、回路線幅2nmの製造が難しいのではないかという指摘です。具体的にいうと、IBMは回路を刻む技術を持っているが、生産技術は持っていないという内容です。しかも、今回のスキームはIBMはファブレス企業で設備を持たず、ラピダスから技術料も取るというノーリスクな取引です。

つまりIBMという看板と2ナノ特許に惹かれたものの、中身は膨大な工場建設費用を日本政府が負担し、IBMに特許料を支払うという構造です。またIBMは、半導体企業の負け組という指摘もあります。

ただ半導体戦争は国策的な側面があり、IBM=アメリカという側面は否定はできません。先述した通り、5年の勉強期間や人的交流を予定しているのも事実です。無事、2ナノの半導体の量産を軌道に乗せられるかどうかから目が離せません。

7-2. 北海道という立地の問題

IBMの社員や外国人技術者と働くラピダスの場合、実は「奥さんの仕事」と「子どもの学校」と「教会」が必要不可欠になるという指摘です。奥さんの仕事とは、欧米人は共場働きが当たり前のため、仕事がなくて奥さんのキャリアが不利になる場合、来日しないリスクがあるというものです。

また子どもの学校は、欧米人の親は自分が受けた同じレベルの教育を求めるという問題です。また教会については、キリスト教だけでなく、イスラム教や仏教も含まれます。つまり海外の優秀な人材と一緒に仕事をするためのインフラが、北海道千歳には欠けているという指摘です。この点について個人的には、普段はZOOM等を活用し、リアルな人的交流は日本人は中長期出張し、欧米人は移住はしない短期間滞在というスタイルに落ち着くのではないかと思います。

 

8. まとめ

半導体は、“産業のコメ”といわれています。かつて日本企業の世界の半導体産業でのシェアは、1988年は50.3%もありました。しかし2022年には、6.2%にまで低下しました。

一方で新型コロナウイルスの感染拡大や米中貿易摩擦で、世界的な半導体不足が発生しました。その結果、深刻な半導体不足が起こり、納品できない事態に陥りました。

ラピダスの設立の目的は、何より半導体の先端技術の獲得にあります。付加価値の高い製品作りには、高度な先端技術が必要不可欠です。そのために米IBMの力を借り、まずはライセンス料を支払いながら、最新版半導体を量産します。同時に、エルピーダメモリ破綻の教訓も活かす必要もあります。

またエコシステムの起点として、日本製品の高機能化に効果があると予想されます。

ただし、その源泉はアメリカのIBMを開発した先端半導体のライセンスです。いわゆるまずは借り物でしのぎ、追いつき、場をもたせようというものです。

台湾のTSMCの創業者モリス・チャンは、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学で学びました。その後、テキサス・インスツルメンツで働きました。しかもその後、スタンフォード大学で電気工学のPh.D.を取得しています。

ここから浮かび上がるのは、世界の半導体戦争のキーマンの共通点です。つまり、母国のTOP校を卒業後、アメリカのTOP校で電子工学を学び、米大手企業で経験を積むコースです。その人材獲得競争には、知財と高額報酬も絡んできます。

この世界の現実を見据えた上で、ラピダスはどういった戦略を実行していくのか。そこには、日本型雇用制度と報酬制度の未来像が見えてくるかも知れません。

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時事問題