就職活動の実録日記①「就活は情報戦!OB訪問は活用すべき」

就職活動の実録日記のKです。就職活動は、人生にとって一大イベントです。就職活動の結果、人生で最初に入る企業が決まり、そこでの経験が人生で初めての社会人経験になります。

それほど重要な就職活動ですが、残念ながらリアルな就職活動の事例情報は不足しています。求人サイトや企業ごとの口コミサイトは存在しますが、就職活動を点としてではなく線として捉え、最初から最後までイメージできる情報が不足しているのです。

そのため、事前に就職活動の全体像をイメージすることなくスタートし、その結果準備不足で思うような結果を生み出せないケースが頻発しています。これは、求職者と受け入れ企業双方にとって大きな損失です。

そこで本サイトでは、学生マーケティングの視点で実際の就活の模様を就活日記というスタイルで連載したいと思います。“就活とは”をテーマに、その準備段階、自己分析、情報収集、OB・OG訪問、エントリーシート、面接など、一人の就活体験を通じてそのリアルな就職活動の始めから最後までを浮き彫りにできればと思います。

第1弾は、以前私の元でインターンシップをしてくれていて、現在大手企業で働いている方です。全10回シリーズで、就活の実像が伝わればと思います。

 

1. ロシア留学から帰国後の4月~8月の動き

はじめまして。これから全10回にわたって、私自身が経験した就職活動についてご紹介できればと思います。世の中に一貫した就職活動体験のコンテンツが少ないという問題意識に共感を抱き、今回少しでも私の経験を活用して頂ければと思った次第です。以下、簡単に自己紹介をします。

【自己紹介】
社会人1年目のKと申します。2019卒です。仕事で大阪に来てから1年経ちますが、生まれ育ちも埼玉です。趣味はお笑い鑑賞、能楽を観ること(かなりニッチな趣味)です。
【大学時代について】
大学は、関東の国立大学を卒業しました(昨年の大河ドラマや久しぶりの箱根駅伝出場でちょっと名前が出ました)。大学在学中は人文学部系でロシア語を専攻していました。大学3年生の時には、ロシアに1年間留学しました。留学の関係もあり1年留年したため、大学には計5年間在学していました。サークルは能や狂言を観たり、実際に習ったりするニッチなサークルに所属しておりました。珍しいサークルですが、普通に新歓で入りました。元から能・狂言を嗜んでいたわけではないです(笑)。
【仕事について】
現在は、ごみ処理施設や浄水場、ダムの水門などを建設している大手企業に勤めています(わかる人にはわかるかも)。企業規模は4,000人(単体ベース)程度で、売上規模は約4,000億円です。業務内容は、主に3つある事業部のうち、1事業部の収益管理や決算、年度予算の策定をしております。いわゆる管理会計の業務に携わっています。日常業務では、決裁を回したり、社内の会計システムの相談、さらに会計的な相談に乗ったりしています。決算や予算策定では、数十億円~数百億円を取りまとめることもあり、やりがいを感じています。大学時代の専攻と現在の業務では、まったく接点がありません。大学時代は、会計の勉強をしたことがないため、なぜ経理に配属されたのかは不明ですが、毎日楽しく仕事をしています。

さて本連載1回目では、ロシア留学から帰国後の4月から12月、つまり就活の前哨戦の過ごし方について自身の反省も踏まえながら4ヶ月ごとに振り返っていきたいと思います。就活とはどういうものなのかと感じる方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

1‐1. インターンについて

大学3年生の2月にロシア留学から帰国したため、大学は春休みに突入していました。本来であれば就活の準備をしている頃ですが、学業では卒業論文のテーマが決定していないことと卒業までの単位取得が間に合わないこと、その他では長期インターンや社会人の話を聞きたいと思い、1年間の留年を決意しました。

3月からはWantedlyを中心に長期インターンの応募をして、1番初めに決まったコンサルティング会社でインターンを始めました。

【インターン情報収集で活用したサイト一覧】
Wantedly
キャリアバイト
Infra

4月からは大学の講義も始まり、学業と両立しながらインターンをしていました。自分通っていた大学は東京から電車で約1時間のところにあったこともあり、講義後に行くことは難しかったため、火曜日と木曜日にフルコマを持っていき、月曜日、水曜日、金曜日を全休にするような形でインターンの日程を確保していました。

インターンでは、早稲田大学や慶応義塾大学などの有名大学の優秀な学生がおり、正直人種が違う…と感じました。いままで陸の孤島のような大学で過ごしていたため、東京にはこんなにすごい人がいるんだというのがインターンの第一印象です。

例を申し上げれば、帰国子女で英語が堪能で、インターンの業務もそつなくこなす人、とある国際団体の日本代表に絵選ばれた人がいました。もしかして自分は場違いでは…と思ったことは、何回もありました。

1-2. 他大学の学生と接し大きな刺激を受ける

インターンシップに参加して良かったのは、やはり危機意識の高い他大学の学生と出会えることです。常日頃接している同じ大学とは異なる考え方、スタイルを持っている学生との出会いは、非常に刺激的なものでした。以下、ポイントを記します。

【インターンで他大学の学生と接して感じたこと】
・慶応義塾大学や早稲田大学などの大学生は、同級生の母数が多く、就活に対して優秀で意識が高い人が多い
・自分の学部にはいないような人がたくさんいる(就活とはほぼ無縁のような学部だったので)
・4月からすでに選考情報が出回っている
・大学1・2年生から就活のネタ作りをしている人もおり、話しの引き出しが多い

4~6月のインターンの業務は、市場調査のレポート作成がメインでした。インターネットを中心に調べて、パワーポイントに落とし込んでいくようなイメージです。Googleの検索方法やパワーポイントスキルは、このインターンで学んだと思います。

また8~9月の短期インターンの選考情報がバンバン飛んでおり、もうこの時期から動いているんだと感じる同時に、就活とはこんな感じなんだなと思いました。インターンをしていたのがコンサルティング会社で、帰国子女の方も多かったのもあり、外資系企業や国内のコンサルティング会社を狙っている人が多かった印象を受けました。

他大学の学生から刺激を受けるインターン

1-3. 最初は総合商社志望だった

自分はロシアに関わる仕事をしたいという考えで、商社を中心に見ていました。特に短期インターンにも参加する意欲はなかったので、今から思うとそんなに就活への意欲は高くなかったのではないかと思います。そんな甘い考えでいたので、短期インターンの情報は馬耳東風でした。

この時期からは、OB訪問もちょこちょこ行くようになりました。幸い、大学のOBにロシアの仕事をしている商社の方とつながりがあったため、定期的に仕事の話やロシアの話を伺っており、ロシアビジネスのイメージはついていました。4~6月は計5名のOBの方とお会いしました。

ロシアの極東の重要拠点ウラジオストク

この時期は自己分析やESの添削など、就活の準備はしていませんでした。しかし、すでに4月から万全の状態で対策している人がいることを知り、自分も動けばよかったかなと思います。特に商社(五大商社)では、そのような猛者とライバルになるため、スタートからすでに出遅れていたと感じます(結局商社は全落ちするのですが、それはまた別の機会でお話します)。

 

2. インターンに本格的に取り組んだ9月~12月

9月から、インターンシップを本格的に開始しました。インターンシップ企業の現場で他大学の学生と交わることで、刺激を受け、多くのことを学びました。

2-1. ライターとしてライティング業務に取り組む

この時期のインターンでは官公庁が出している入札案件をチェックし、実際に対応ができそうな案件があれば応札をしていくような業務を行っていました。9~12月にかけて1件応札を行い、書類の準備やプレゼンの準備などを行いました。プレゼン資料の作成では、なかなかうまくできませんでした。

一緒にやっていたインターン生のプレゼン資料は見やすかったので、彼の資料を参考にしながら作成していました。徐々にチームリーダーからダメ出しされる回数が減ったのは、嬉しかったです。

さてそんな中、12月にコンサルティング会社のインターンを辞めて、あたらしくWebサービス会社のインターンを始めました。辞めた理由は様々ありますが、学業に支障をきたしつつあることが一因でした。インターンの日はよく夜10時や11時までオフィスにいることが増えてきたこともあり、インターンの場所を変えることにしました。

次のインターン先では、ライターとして文字を書く業務をメインに行っていました。記事の内容は、主に海外ビジネスに関わることです。例えば、中国のビジネス事情や会社設立の方法などについて執筆しました。

 

2-2. 自己分析に取り掛かる

この時期から、ようやく自己分析にとりかかりました。自己分析は、インターン先の社員さんから言われた方法で行いました。まずは自身の活動で、話のタネになりそうなもの3つほどピックアップしてから、その活動を何故したのかについて徹底的に考えるものでした。

一つのトピックに対して、「なぜ?」を4~5回ほど問答して深堀していき、各トピックに共通する点を検討しました。また同時に考えたものをOBの方に見てもらい、自分の検討した強みや弱みは、客観的に見て正しいどうかを検証しました。

【自己分析のトピックス】
・ロシア留学中の狂言の活動
・インターン中の入札案件の応札
・高校時代の生徒会活動(古いネタなのでボツになりました)

またこれらの共通点として、「自ら提案し、協力者を募りながら目的達成のために動くこと」を挙げ、更に強みとして「利害関係者を巻き込み、適切な提案ができる」ことを挙げました。自分で考えた強みやエピソードが説得的かどうかOBの方に尋ねて返ってきた返答については、また次回にご紹介します。

また自己分析をしているうちに自分は、本当に商社でいいのかと考え始めるようになりました。それと同時に、何故ロシアにこだわるのかについても考えるようになりました。ロシアが好きなだけで、ロシアビジネスに携わりたいという理由では説得力がないと感じたからです。

この時期になって、どのような業界、会社を受けるべきかを検討し始めました(本が好きなので、一時期出版社も良いなとも考えましたが、そう思った時には選考が始まっていたので諦めました。だいぶ中途半端なことをしています)。

結果的に、自己分析や業界研究をし始めたのが年の瀬の12月でした。非常に遅い就活のスタートだと思います。この時期はふわふわした時期で、自分が本当にしたいことがわからなくなり、就活に不安を感じ始めました。もう少し早く始めていれば、年末にこんな不安もなかったのではないかと思います。また、前のインターンシップも10月くらいから辞めたいと感じていましたが、なかなか辞められずずるずる行ってしまったのも反省すべき点かなと思います(この決断力のなさは、自分の身の弱みとしてESで使用しました)。

 

3. まとめ

以上、4~12月の自身の就活状況を振り返ってみました。自分が感じるのは、やはり就活とは情報戦だということです。

特に東京では情報の質が高く量も多いため、就活がしやすいとも思います。一方で東京近辺の大学では新鮮な就活情報が手に入れられる機会が少なく、すでにスタートの土台からハンデがあるように感じます(うちの大学の就職支援課も利用しましたが、あまり参考になりませんでした)。

また、人文学部系だと大学院に進む方や教員を目指す方も多いため、民間就職を検討している割合が他の文系学部と比較すると少ないかもしれません。そのため周りも民間の就活とは縁遠く、なかなかモチベーションが上がらないかもしれません。そのうえ留年しているとなると、得られる情報はより限られてくると思います。

そこで提案したいのは、徹底的にOB訪問を活用することです。一人でも連絡取りやすい関係になれば、業界や企業の情報、また就活の相談にも乗って頂けるので、強い味方になるのではと考えます。今はビズリーチキャンパスをはじめとしたOB訪問ツールが増えていきているので、そうしたツールを駆使してOBにアプローチすることも有効です。

長期インターンに参加することも情報交換としては一つの手ですが、東京から遠いとモチベーションを保つのが困難です。また長期インターンにも合う、合わないがあると思いますので、余裕がある方は挑戦してみるのもアリです。毎週東京に行くのは大変ですが、その分のリターンは大きいと思います。

 

◆ワンポイントアドバイス
就職活動は、自分という商品と採用企業のマッチング活動です。私自身もそうでしたが、客観的な情報がないと、人は自分自身を過大評価しがちです。特に受験エリートで生きてきた人は、人生で初めての企業による“人間力査定”に戸惑いを覚えます。
自分がどの道に進みたいのか、何で食っていくのかという志とは別に、自分の市場価値の相場観を把握する手っ取り早い方法は、四季報で自分が通っている大学出身者が、役員としてどれぐらい入っているかを調べることです。
例えば商社で働きたい場合、人気の総合商社、各種専門商社の企業の役員の出身大学を調べます。何人か入っている場合は、頑張れば採用してもらえる可能性は大です。逆に一人も入っていなければ、可能性はゼロではないですが、可能性は低いと考慮すべきです。
就職活動の情報戦とは、ターゲット(入りたい業界や企業)の情報収集と同じぐらい、就活市場における自分のポジショニングを把握することが重要なのです。そうすることで、通常の何倍もの効率的な就職活動が可能になるのです。

 

 

カテゴリー
学生マーケティング