新興国の都市開発マーケティング!インフラ構築の展開調査企画書

今回の企画書は、日本総合研究所が作成したベトナムのハノイ市、ホーチミン市を例にとった都市計画調査企画書です。

参考になるのが、住んでいる住民の嗜好や通勤、通学の交通手段などの発展予想を考慮した設計部分です。新幹線に代表される日本のインフラ系技術力が世界に歓迎される分野だと思います。

 

◆海外の反応 ベトナムの鉄道計画への日本の技術提供が絶賛!中国がハノイ鉄道で事故を起こす一方、日本は安全にホーチミン地下鉄道を開発している模様【すごい日本】

 

【都市計画とは】
都市計画
都市計画―国土交通省

【コンパクトシティとは】
コンパクトシティの形成に向けて
コンパクトシティとは
コンパクトシティとは?成功・失敗の事例とメリットデメリット

【ハノイ・ホーチミン都市計画】
ホーチミン ミニ開発が加速させる郊外スプロール
ベトナム国ホーチミン市における都市計画マスタープラン
ベトナム都市開発・住宅セクターの現状と課題 要約―JICA

 

【目次】
1. 今回の企画書の特徴
2. 『平成29年度質の高いインフラ海外展開に向けた事業実施可能性調査事業報告書』から学ぶ
3.表紙
4.本プロジェクトの全体像
5.ハノイ・ホーチミンの都市構造の予想
6.ハノイ・ホーチミンの具体的な都市景観
7.ホーチミン将来予想図
8.ハノイ市将来予想図

 

1. 今回の企画書の特徴

今回の企画書は、日本のインフラ輸出の可能性を感じる内容になっています。ポイントとなるキーワードを、以下に記します。

・都市インフラ需要の増加
・ベトナム
・ハノイ、ホーチミン
・市民の嗜好
・都市構造
・交通手段
・分散型都市
・集中型都市

 

2. 『平成29年度質の高いインフラ海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(新興国における都市将来予測に基づく、交通インフラ及び画的開発の可能性検討事業)報告書』から学ぶ

では、日本総合研究所が作成した企画書を以下具体的に見ていきましょう。

3. 表紙

4.本プロジェクトの全体像

都市インフラ需要が急激に増加すると予想されているベトナム国の都市(ハノイ市、ホーチミン市)において、市民
の嗜好、文化、社会環境等に基づく都市将来予想を行い、都市の構造、市民の居住エリア、通勤・通学・余暇等
に利用する交通手段等の発展予想をする

特に、都市内の端末交通システムの変化を予想し、発生しうる問題を洗い出し、期待される都市交通問題解消
が実現するために必要となる施設、施策等と、具体的な都市景観を都市別に明らかにする

5.ハノイ・ホーチミンの都市構造の予想

ハノイは、引き続き中心部に居住する市民がいる一方、5~10km圏内に建設されるニュータウンが増大する人口
を吸収する。ハノイ市が計画している衛星都市は、都市機能の一部を分担し人々の移住も進む。【分散型都市】

ホーチミンは、都市中心部の高度化、ニュータウンの建設、都市鉄道沿線の住宅地整備などにより、人口は一定
程度分散するが、都市機能は中心部に集中した都市構造となる。【集中型都市】

【都市構造予想の背景】
・衛星都市の一部はインフラ整備が進み、高速道路、都市鉄道との連結が計画されている
・都市中心部には戦争の恩賞で土地を所有したものが多く、転居したがらない
・学校や病院を併設したニュータウンは、中高所得者に人気で、同敷地内での親との近居を望む市民が多い

【都市構造予想の背景】
・衛星都市はホーチミンからかなり遠く(50km以遠)、現市民の移住は考えられない
(Binh Duougはインフラ整備が進んでおり例外的に可能性あり)
・ホーチミン市民の多くは昔からの地主ではなく、将来は郊外への転居を希望している
・ニュータウンはホーチミンでも人気。交通に便利な鉄道沿線に住宅地を購入する希望も多い

6.ハノイ・ホーチミンの具体的な都市景観

◆ハノイ・ホーチミンの具体的な都市景観(交通手段、端末交通、必要な施策)
【市中心部鉄道駅周辺(共通)】
◇都市景観
・駅前広場は、バス、Grabバイク、Uberタクシーのためのスペースが確保されている
・駅からは屋根付のペデストリアンデッキが整備され、近隣のビルの2階部分と連結されている
◇必要な施策
・駅前広場の確保
・バス交通の利便性・快適性向上(ネットワーク、優先信号、法令順守の教育)
・ペデストリアンデッキの整備と周辺ビルとの連結
【市中心部市街地(共通)】
◇都市景観
・歩道には街路樹が植樹され、暑い日でも木陰の中を歩くことができる
・ビル、住宅のセットバックによって生まれた空間に、バイクの駐輪場が整備される
◇必要な施策
・歩道の整備・拡張。街路樹の植樹
・自動車駐車場、バイク駐輪場の整備
・都心におけるビル、住宅のセットバック(都市計画制度の整備)
【郊外都市鉄道駅周辺(ホーチミン)】
◇都市景観
・駅前広場は、バスの発着場、バイクの駐輪のためのスペースが確保されている
・駅から住宅地までは、街路樹が整備された広い歩道でつながっている
・駅周辺には、生活用品の小売商店、生活サービス施設(クリーニング、託児所、クリニック等)が整備されている
◇必要な施策
・鉄道駅沿線への中所得者層向け住宅の整備(民間開発の誘導)
・駅前広場の確保
・バス交通の整備
・歩道の整備、街路樹の植樹
・駅周辺への商業施設、公益施設の誘致
・中所得者向け鉄道利用促進策(料金設定等)
【衛星都市(ハノイ)】
◇都市景観
・大学、企業の研究機関、生産拠点に加え、学校、病院も併設された自立型都市
・都市内の移動は自動車、バス、バイク、電動自転車などを利用する
・都市鉄道の終点に位置し、ハノイ市中心部には鉄道で移動する
◇必要な施策
・衛星都市への学校、病院整備
・都市内移動のための公共交通機関(バス)の整備

7.ホーチミン将来予想図

8.ハノイ市将来予想図