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起業支援は、高齢化社会が進み、停滞化が叫ばれる日本経済を活性化するために重要なテーマです。
先日、ある経営者と話をした時、「日本は、完全に衰退期に入っていますね。将来的には、真剣に海外移住を検討しています」という話が印象的でした。実際税率が安いシンガポールを始め、一部日本の富裕層が海外へ出て行っています。
語学力と資産がある市民層の海外流出を防ぎ、日本社会が再度活性化するには、個人的には大きく3つのポイントがあると思います。それは、イノベーション促進による経済活性化と雇用の創出、累進課税と相続税で3代でゼロになる現行税制の変革、移民の受け入れです。つまり、エコシステムの強化、起業モチベーションの仕組み、リソース確保です。
最近読んだ記事で、気になったものが2つあります。一つ目は、東洋経済オンラインに掲載された『この法律が日本を「生産性が低すぎる国」にした~中小企業基本法が諸悪の根源~』です。オックスフォードで日本学を専攻し、ゴールドマン・サックスで日本経済のアナリストとして名高いデービット・アトキンソン氏は、“日本人の生産性が低いのは働き方の問題ではなく、非効率な産業構造だ”と喝破しています。
もう一つは、Yahooニュースに掲載された『「ITはビジネス拡大に不可欠」たったの7% いまだに危機感のない日本企業』です。このサイトでも紹介した米国のITアドバイザリー企業ガートナーの調査結果をもとに、遠藤司氏が鋭い指摘をしています。ITはイノベーションの要であり、生産性向上の重要なインフラでもあります。
そんなITを中心とした北海道の起業について、今回の企画書で興味深いのは、起業成功者がメンターとなって指導教育に関わっている内容が開示されていることです。
【北海道の起業事情】
・北海道のスタートアップ事情とは?Open Network Lab
・北海道に開拓者精神を再び起業人材プログラムがスタート
・北海道のIT業界事情「#みんなの札幌移住計画」とは
・北海道でIUJターン・移住・起業する方必見!押さえておくべき基礎地域
・札幌を代表するITベンチャー企業のトップ5人が集まったどうしんジョブ ダス就活ミートアップに行ってみた!
・北海道内の大学発ベンチャーリスト・起業紹介-北海道経済産業局
【北海道の起業成功事例】
・ベンチャー相次ぎ誕生、北海道十勝地方創生の成功例として政府も注目
・【社長対談】地方都市札幌でWebサービスを立ち上げた2人が本音で語るいまとこれから
・北海道の女性起業家を応援します―北海道経済産業局
・30人の起業家が真冬の札幌を熱くした3日間。Startup Weekend Sapporoを初開催して
【目次】
1. 今回の企画書の特徴
2. 『平成26年度補正「先端課題に対応したベンチャー事業化支援等事業(ITベンチャーのスタートアップ促進事業)」「②先輩起業家等によるスタートアップ支援モデル実証事業」‐調査報告書‐』から学ぶ
3. 表紙
4. 目次
5. 事業概要
6. 事業実施報告
7. 今後の支援に向けて(総括)
1. 今回の企画書の特徴
今回の企画書は、北海道の起業事情がよくわかる内容です。注目すべきポイントは、有名企業の起業成功者が先輩ビジネスマンがメンターとしてサポートしているのと、支援評価シートという記録を残している点です。ポイントとなるキーワードを、以下に記します。
・北海道の起業ベンチャーに対するIT企業経営者による経営指導
・クラウドファンディングによる資金的な支援
・スタートアップステージからアーリーステージへの成長支援
・北海道から継続的なITベンチャー起業の継続的な創出
・「ビジネスプラン」「技術面」「財務面」「組織面」から現状と課題を洗い出し、支援方針決定
・個別コンサルティング
・プロジェクト支援
・個別相談企業 50社
・プロジェクト支援件数 10社
・スタートアップITコミュニティWEBの構築
・スタートアップITベンチャー創出セミナーの開催
・スタートアップ勉強会の開催
2. 『平成26年度補正「先端課題に対応したベンチャー事業化支援等事業(ITベンチャーのスタートアップ促進事業)」「②先輩起業家等によるスタートアップ支援モデル実証事業」‐調査報告書‐』から学ぶから学ぶ
では、株式会社ディー・ブレイン九州が作成した北海道での起業をテーマにした企画書を以下具体的に見ていきましょう。
3. 表紙
(ⅱ)メンターの募集
メンターについては、その性格上、経験や実績に基づき適切なメンタリングを行うことができるIT企業経営者および経営・起業等に明るい専門家を選定することがあることから、公募ではなく、北海道内のIT企業経営者や専門家の中から、適当と考えられる人材を事務局で選定し、就任依頼を行った。
最終的に以下の37名に本事業のメンターとして就任いただいた(実際にメンタリングを行ったメンターは、そのうち25名に留まった)。
【メンター一覧(敬称略)】
・株式会社メディア・マジック
・株式会社サンクレエ
・株式会社アジェンダ
・株式会社インフィニットループ
・クリプトン・フューチャー・メディア株式会社
・ゲームドゥ有限会社
・ネオス株式会社
・株式会社イー・カムトゥルー
・エコモット株式会社
<支援評価シート>
メンタリング評価シート(支援者Side)
◆メンターに対する評価
【求めた経営支援】
・資金調達(補助金、助成金、融資等)、キャッシュフロー等に係る「財務面の支援」
・人材採用、人材育成等に係る「人事面の支援」
・メンター、ベンチャーキャピタルの紹介及びマッチング
【メンターへの必要要素】
・IT分野における際立った技術力・経験
・経営分野における際立った知識・経験
・支援対象者を導く課題抽出力とコーチング力
【メンタリングに対する満足度】
・非常に満足
◆コーディネーターに対する評価
【求めた機能】
・事業の目的と具体的な支援内容の説明
・事前の個別相談による精度の高いメンターとのマッチング
・メンタリング実施後のアフターフォロー
【求めた要素】
・支援対象者とメンターを橋渡しするファシリテーション力
・メンターや外部専門家との強固なネットワーク
・支援対象者との長期的な関係構築による信頼感(の醸成)
【コーディネーターに対する満足度】
・非常に満足
◆メンタリング評価シート(メンターSide)
【経営課題とその解決策】
・支援対象者が抱える課題とその解決策が明確化されるケースが多かった
【支援対象者の成長度】
・成長が見受けられる対象支援者が多かった
【メンタリングの感想】
・おおむね専門性にマッチしたメンタリングを実施することができた
【コーディネーターへ求めた機能・要素】
・事業の目的と具体的な支援内容の説明
・事前の個別相談による精度の高い支援対象者とのマッチング
・事前の個別相談による課題等の明確化
・気軽に相談ができる人柄、素早いレスポンスと軽快なフットワーク
・所属する組織の知名度や職責、保有資格等による社会的信用
【コーディネーターに対する満足度】
・おおむね満足
【メンタリングにおける総評】
「教育」を切り口にしたビジネスを展開するために、8月に法人化。事業のブラッシュアップのメンタリングで、複数人における問答を繰り返しながらのメンタリングは自社の企業理念を追求し構築するのに効果的であった。創業時のベンチャーでは、理念の追及だけでは事業を回せないので、日々売上を意識しなければならず、結果として会社を創業することが目的になるケースが往々にして見受けられる。しかしながら、ここで、日々の業務に忙殺されず「理念」を確立し、事業スケジュールを構築することが出来たのは、今後のベンチャーとしての事業展開をより効率的に進められるだろう。