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「システム開発の費用がわからない」とお悩みの担当者は多いのではないでしょうか。例えば新規でシステム開発を依頼する場合、費用の相場や見積の金額が妥当かどうか判断できないことがあります。
そこで本記事では、システム開発の費用の内訳や仕組み、外注のコツなどを解説します。また安く抑えるポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にして下さい。
Contents
1. システム開発の費用の内訳とは
システム開発の費用の大半は、人件費です。一般的に、人件費が占める割合は8割といわれています。ここではシステム開発の内訳について解説します。
1-1. 人件費が大半を占める理由
通常システム開発は、プロジェクト単位で動かします。そしてプロジェクトには、様々な役割を担うメンバーで構成されます。例えば、全体の統括はプロジェクトマネージャー(PM)が担当します。そしてシステムの設計や仕様書を作成するのが、システムエンジニア(SE)です。また仕様書に沿ってプログラムを作成するのは、プログラマー(PG)です。この他にも、プロジェクト・マネジメント・オフィス(PMO)などの人員もいます。このように、システム開発には多くの職種が関わっています。
1-2. 技術者の単価例
技術者の単価は、そのスキルレベルによって変わってきます。代表的な技術者の単価例を以下に記します。
属性 | 1人月 | |
1 | プログラマー・下請け・個人 | 40~60万円 |
2 | プログラマー・大手企業 | 50~100万円 |
3 | システムエンジニア・初級 | 60~100万円 |
4 | システムエンジニア・中級 | 80~120万円 |
5 | システムエンジニア・上級 | 100~160万円 |
1-3. 人月という工数単位について
システム開発の費用の算出根拠に、「人月」という工数単位があります。この人月単価は、以下のように計算されます。
【人月単価の計算方法】
人数×月数
例. 単価60万円のプログラマー2人の3ヶ月の場合の請求額
2人×3ヶ月×60万円=360万円
このように、人件費はシステム開発の費用の大部分を占めています。そして正確な費用を算出するためには、「スキルレベル」と「人数」が必要です。それを割り出すためには、プロジェクトの規模や難易度を把握することが不可欠です。システム開発会社がヒアリングをするのは、このような背景があります。
1-4. 設備費について
システム開発費の多くは先述した通り人件費ですが、設備費もかかります。設備費は、大きく2種類あります。まずはシステム開発用の設備です。具体的には、開発作業用のパソコンやスペースです。もしパソコンの台数が足らない場合、新たに購入したり、リースする必要があります。
次にシステムを動かすための設備費です。例えば代表的なものとしては、サーバーなどがあります。人件費にどうしても目が向かいがちですが、プロジェクトの規模が大きくなると設備費も比例して高くなります。そのため、事前にある程度予測しておくことが大切です。
1-5. システム開発費用の算出方法
事前にシステム開発費用について目安をつける計算式は、以下になります。社内で予算確保する時など、こういった根拠を示すことで予算額の精度が高まり、説得力を持たせることもできます。
【システム開発費用の算出方法】
作業単価×作業時間+固定費用=システム開発費用
作業単価とは、先述した人月単価のことです。プログラマーやシステムエンジニアなどの技術者が、1ヶ月間働いた時に発生する金額のことです。エンジニアの相場はある程度決まっていますが、専門性の高いシステム開発では単価が高くなることがあります。
2. システム開発の費用事例について
ここでは、システムの種類や規模ごとの費用目安になる事例をご紹介します。
2-1. システム種類別の費用相場
どんなシステムを開発するかによって、費用は異なります。ここでは、その種類ごとの費用相場をご紹介します。実際には搭載する機能によっても、費用は変動します。
システム名 | 費用相場 | |
1 | 顧客管理システム | 20万円~ |
2 | CMS(コンテンツ・マネジメント・システム) | 50万円~ |
3 | ECサイト | 50万円~ |
4 | 検索機能 | 80万円~ |
5 | SNS | 100万円~ |
2-1. プロジェクト規模ごとの費用例
ここでは、プロジェクトの規模ごとの費用相場をご紹介します。大きな要素は人件費ですが、それ以外にサーバー費用、ライセンス費用、設計書作成費用、テスト費用、保守費用などがあります。
規模 | 開発期間 | 開発人数 | 開発費用例 | |
1 | 小 | 数週間~数ヶ月 | 1~3人 | 30万円~140万円 |
2 | 中 | 数ヶ月~ 1年 | 3~10人 | 150万円~400万円 |
3 | 大 | 1年以上 | 10人以上 | 500万円~数千万円 |
3. システム開発費を安く抑える方法について
どんな企業でもコストは安く抑えたいと考えます。それはシステム開発も例外ではありません。ここでは、そのポイントを解説します。
3-1. システムの目的と完成イメージを明確にする
システム開発を行うにおいて一番重要なことは、「目的は何か」です。何のために開発をするのかを明確に設定しないと、後の工程がぶれる可能性があります。「〇〇業務を今よりも効率化したい」「といった目的を明示することで、装備すべき機能や必要な技術が判明します。そうすることで、修正や追加作業のコストが増大するリスクを抑えることができます。
3-2. ASPやパッケージ開発を活用する
一から開発することをスクラッチ開発といいますが、完全オーダーメイドの開発は費用が高くなります。それを避ける方法として、ASPとパッケージ開発があります。
3-2-1. ASPについて
ASPは、「アプリケーションサービスプロバイダ(英:Application Service Provider)」の略です。具体的には、インターネット経由でソフトウェア稼働環境を提供してくれます。代表的な例としては、ECサイト分野におけるASPがあります。例えば有名なECサイトのASPサービスには、「shopify」や「カラーミーショップ」、「BASE」「STORES」などがあります。
3-2-2. パッケージ開発について
既存のシステムやパッケージを活用して開発するのが、パッケージ開発です。スクラッチ開発と比べると自由度はありませんが、時間とコストを抑えることができます。パッケージ開発には、クラウド型と自社サーバーに構築するオンプレミス型があります。
3-3. 補助金や助成金を活用する
国や自治体が提供している補助金や助成金を利用するのもおススメです。以下、ご紹介します。
3-3-1. ものづくり補助金
中小企業の生産性向上に貢献できる革新的なサービス開発や試作品開発、生産プロセス改善用の設備投資を支援する補助金です。例えば「通常枠」や「デジタル枠」、「グローバル市場開拓枠」など5つの申請枠があります。システム開発は、通常枠で申請できます。
3-3-2. IT導入補助金
業務の効率化や、DX用のITツールの導入を支援する補助金です。一般的なシステム開発で申請できるのは、通常枠のA類型、B類型です。
3-3-3. 事業再構築補助金
これは、「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」「産業構造転換枠」「成長枠」「グリーン成長枠(エントリー・スタンダード)」「サプライチェーン強靱化枠」の7種類の申請枠があります。
4. まとめ
システム開発には、決して安くはない費用がかかります。しかも、事前にすぐ費用の目安をつけるのは困難です。だからこそ、事前にしっかりとポイントを把握して準備することが大切です。
一番重要なのは、「システム開発の目的」を決めることです。今の社内のどんな課題を解決するためにシステム開発をするのかを、発注前に必ず把握しましょう。そしてできれば、装備したい機能も明確にしましょう。
そういった項目を定義づけることで、システム開発会社への外注か、ASPもしくはパッケージ開発いずれにしても選択しやすくなります。本サイトではシステム開発の流れ他について、『システム開発とは?開発手法や流れ、ソリューション事例を解説!』で詳しく解説しています。こちらも、参考にして下さい。