バーチャルリアリティ(VR)は、コンピュータによって作られた仮想空間です。その空間に、あたかも自分が入り込んだかのような体験ができます。メタバースとVRの違いは、VRは基本的にユーザーが1人で楽しむ3次元の仮想空間です。一方はメタバースは、他のユーザーと交流したり、経済活動を行うことができます。
VRで重要なのは、解像度とデバイスの性能です。VRが登場した時は、解像度が低く、操作性もぎこちないものでした。しかし最近は、非常に高画質で使いやすいデバイスが登場しています。その結果、ゲームだけでなく商品体験や旅行体験、研修など幅広い分野でVRは活用されています。
何よりVRのメリットは、場所や時間の制約を受けず、リアルに近い体験を提供できる点です。例えば日本に住んでいても、海外の巨大なジェットコースターを体験できます。また危険な場所の工事でも、事前にシミュレーションし、事故のリスクを軽減できます。つまりVRの活躍場所は、エンターテイメントだけではありません。そこで本記事では、VR自体だけでなく、その活用事例や将来性についても詳しく解説したいと思います。
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1. バーチャル・リアリティ(VR)とは
バーチャルリアリティ(英:virtual reality)は、コンピュータが作った仮想空間に、まるで自分が入ったような体験ができる技術です。例えば視覚や聴覚、触覚などを使って、リアルな現実に近い没入感を生み出します。
近年は、将来性の高いテクノロジーとして再注目されています。その理由は、ゲームだけでなく、「オンライン旅行」「手術訓練」「不動産内見」などビジネスや医療にも効果的なことがわかってきたからです。例えば手術訓練の場合、人体を使用することはできません。しかし過去の手術のデータベースをもとにVRでシミュレーションすることで、医師のスキルを高めることができます。このように、VRは今後も活用場面が広がることが確実視されています。
2. バーチャル・リアリティ(VR)の基本的な仕組み
2-1. VRヘッドセット(ゴーグル)
VRヘッドセットは、視界全体を覆うディスプレイが搭載されています。これは、頭の動きに応じて視点が変わります。代表的な製品には「Meta Quest」「PlayStation VR」などがあります。例えば「Meta Quest」は、BCN AWARD 2025を受賞しました。これは、全国の架電量販店やオンラインショップの販売台数に基づいています。
例えばMeta Questを使うことで、どんな部屋でも自分だけの映画館にできます。また世界中のゲームプレイヤーと繋がり、ゲームを楽しむこともできます。それ以外に、マルチタスクもこなせます。複数のWebサイトを開いたり、YouTubeを見ながらInstagramのやり取りを同時にできます。
またワイヤレスなのも魅力です。自由自在で動き回ることができ、バーチャル空間でフィットネスができます。『Meta Quest3を買ったらやってほしいオススメコンテンツを5つ紹介します』では、おススメコンテンツが紹介されています。ぜひ参考にして下さい!
2-2. モーションセンサー
VRデバイスは、数多くのセンサーがユーザーの動きを測定します。そしてそのデータが、VRプロセッサに伝達されます。その中でもモーションセンサーが最も重要です。モーションセンサーは、頭や手の動きを感知し、仮想空間内の動きと連動させてくれます。具体的には、頭や手の移動や回転の動きが、加速度センサとジャイロセンサで3DoFという軸で検出されます。VRデバイスの性能や使い勝手は、搭載されているモーションセンサーの精度や反応速度と密接な関係性があります。
2-3. 入力デバイス
VRコントローラーや手のジェスチャー、時には足の動きまで検知することで、仮想世界内の操作が可能になります。例えばソニー・インタラクティブエンタテインメントは、VRの入力デバイスの特許を出願しています。WIPO(世界知的所有権機関)に公開されている例では、Valve Indexコントローラーのようなデザインが確認できます。PlayStation5ではアダプタ経由でPSVRと繋げることが可能と発表されており、斬新なコントローラーが世に出てくるかも知れませんね。
3. バーチャル・リアリティ(VR)の活用事例
3-1. 【VRゲーム】人気ゲームランキング
VRゲームには、「アクション」「シミュレーション」「パズル」「リズム」などたくさんのジャンルがあります。例えばシミュレーションゲームでは、バーチャル空間で飛行機の操縦ができます。こういった経験は、普段は経験することは不可能です。まさに、VRならではの醍醐味といえるでしょう。
ではこれからVRを始めてゲームを楽しみたい方は、どうすればいいのでしょうか。一つの参考指標は、ゲームの売れ筋ランキングです。例えば『【VRゲーム】Meta Quest最新人気タイトルTOP10【2025年4月版】』では、人気ゲームランキングを紹介してくれています。これは、Meta Quest日本公式ストアの情報をベースに、AIがレビュー数や掲載状況を参考に独自集計したものです。
1位は、『GOLF+』です。このゲームは、実在のコースで友人と対戦できるVRゴルフゲームです。3つの無料コースがあり、「Pebble Beach」「The Old Course at St Andrews」「TPC Sawgrass」など、30以上の実在のコースの購入もできます。魅力は、マルチプレイヤー機能!これは友人だけでなく、公開ラウンドで世界中のゴルフファンと交流もできます。
また6位には、「バットマン:アーカム・シャドウ」がランクイン!バットマンの世界をVRで思う存分体験できます。例えばクレイン博士やハービー・デントなどの人気キャラクターが、続々登場します。これら以外にも、「I Am Cat」「MotoX」「Titans Clinic」など盛り沢山です。ぜひ、VRゲームを満喫して下さい!
3-2. 【VR体験施設】機材なしでゲームも映画も体験できる!
VRを楽しむためには、機材が必要です。例えば人気の「Meta Quest」は、3万~6万円前後かかります。機材を購入する前にVRを楽しみたい方には、VR体験施設がおススメ!ここでは、人気のVR施設をご紹介します。
3-2-1. VRで宇宙空間が体験できる!東京ドームシティ
東京ドームシティの「Space Travelium TeNQ(スペーストラベリウムテンキュー)」では、VRで月旅行『THE MOON CRUISE』が楽しめます。来場者は、ロケットに乗り込み、宇宙へ出発。月に着くと、月面を歩きながら観光ができます。また月ならではの天体ショーも見れ、撮影した写真はダウンロードして月旅行の思い出として持ち帰ることができます。旅ガイド「バトラー」の声は、人気声優の梅原裕一郎さんが担当。まるで実際に月に行ったような素敵な思い出を作れます。
3-2-2. ピグモンやバルタン星人が登場!お台場のTYFFONIUM
お台場の「TYFFONIUM(ティフォニウム)」には、VRの次世代アトラクションが充実しています。その中でもユニークなのが、『かいじゅうのすみか VRアドベンチャー』です。レッドキングやピグモン、バルタン星人という名前を聞いたことのある人は多いでしょう。これらは、ウルトラマンを制作した円谷プロダクションの人気怪獣の名前です。その往年の人気怪獣を現代版に蘇らせたのが、ティフォン株式会社によるxR技術です。その技術によって、総勢12体の人気怪獣が生息する世界を冒険するライドVR型アトラクションが誕生しました。
このプロジェクトには、映画『おくりびと』や熊本県のPRキャラクター『くまモン』をプロデュースした小山薫堂氏が関わっています。インタビューで「『かいじゅうのすみか』の怪獣達は、「正義」の側から見たら「悪」に見えるけれど、怪獣には怪獣の「正義」の世界があったりするかもしれません。その辺りも共感するポイントです」と語られています。
3-2-3. 決して見てはいけない!恐怖で叫んでしまう呪刻列車
「その時間、その車両のその席に、乗ってはいけない…」ーそんなフレーズが恐怖を誘う『VRお化け屋敷 呪刻列車(じゅこくれっしゃ)』。そんなVRが楽しめるのが、セガ南町田グランベリーパーク ワンダーシアター内の「GiGO 南町田グランベリーパーク ワンダーシアター」です。都市伝説が囁かれるいわく付きの車両。何年か前に、その列車では血なまぐさい無差別大量殺人が行われた…。そんなストーリーの呪刻列車は、YouTubeの『360° VR お化け屋敷『呪刻列車』予告編』でも体験することができます。
3-3. 【医療活用事例】外科トレーニング遠隔治療からアバター活用まで
3-3-1. 360度の視野を作り出した外科トレーニング用VR
VRは、医療分野では現実の手術に近い感覚を得ることができます。例えばVRシミュレーションを活用した医療トレーニングでは、反復練習ができます。また希少症例を学ぶことができ、技能の評価も可能です。イギリスのMedical Realitiesは、外科トレーニング用のVRを開発しました。例えば従来は手術を間近に見れるのは数名でしたが、このVRを活用することで手術室外で多くの研修医がそばで手術を見ているような体験ができます。
また『Delivering Surgical Training 5x Faster with VR | Spotlight | Unreal Engine』の動画では、VRの医療分野への活用に関して貴重な意見が述べられています。それは「手術室は学習に適した環境ではない」ということです。また実際の手術では、失敗は人命に関わるので許されません。しかし仮想空間では、「基本的に間違うことは許されそこから学ぶことができる」のです。この「失敗から学べる」点は、VRの医療活用の大きなメリットといえるでしょう。
3-3-2. 離島でも治療が可能に!VR活用の遠隔診断
人口減が進む日本において、医療従事者の不足は深刻な問題です。特に離島での安定的な医療サービスの提供は、島民にとってライフラインです。そこでVRを活用することで、患者はヘッドセットを装着し、専門医が目の前にいるように診察を受けることができます。島に医療従事者がいなくても、この仕組みを利用することで同じクオリティの医療サービスを受けることができます。
3-3-3. 通院も顔出しも不要のアバターカウンセリング
医療用にアバターを活用すると、幻聴へのとらわれ度が改善され、生活の質も改善することがわかっています。このアバター療法に活用されているのが、VRです。この効果の原因の一つが、「アバターの見た目」です。VRカウンセリングの研究では、アバターの外見が有名な精神科医の場合、気分が良く、幸福度が高まるという報告があります。
4. まとめ
VRは将来性のある技術といえます。具体的には、医療トレーニングや歴史体験、科学実験など、体験型学習に最適なツールです。現実に近いsチュエーションを再現することで、理解度を高めることができます。
またFacebookを提供しているMetaが推進するメタバースなどが、VR空間を活用した次世代インターネットとして注目されています。メタバースでは、バーチャルオフィスやバーチャルショップなど、新しいビジネスコミュニケーションのプラットホームになる可能性があります。
またエンタメや観光業界では、ライブコンサートや旅行体験をVRで再現するサービスが増えています。距離が離れてる人でも、新しい体験を提供することができます。
現在の課題としては、VR機器の価格です。一般的に3万~6万と高価格であり、爆発的な普及には至っていません。また長時間の使用では、VR酔いや視覚疲労が起きやすい傾向があります。そして個人情報の収集などのプライバシーと倫理の問題に対する対策も不可欠です。
大きなトレンドとしては、多くの分野でVRの普及は進むでしょう。特にゴーグル型デバイスの低価格版の登場が、将来の大きな分岐点になるのではないでしょうか。