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SDGs(エスディージーズ)とは、持続可能な開発目標のことです。2016年1月から始まったSDGsは、貧困をなくし、全人類が平和と豊かさを享受できる世界を目指すための普遍的な行動を呼びかけています。
具体的には、国連開発計画(UNDP)が17個の目標を設定しています。
「SDGsの17項目って何?」
「SDGsの身近な例を知りたい」
「トヨタはSDGsでどんな取り組みをしてるの?」
本記事では、SDGsが生まれた背景、17個の目標の内容、企業のSDGsの取り組みなどを解説します。
Contents
- 1. SDGsとは
- 2. SDGsの2030アジェンダとは
- 3. SDGsの目標
- 3-1. 地球上のあらゆる貧困をなくそう
- 3-2. 世界で約6.9億人が苦しんでいる飢餓をゼロに
- 3-3. 誰もが健康で、幸せな生活を送れるように
- 3-4. 誰もが公平に良い教育を受けられるように
- 3-5. 男女平等を実現し、全ての女性と女の子の能力を伸ばし可能性を広げよう
- 3-6. 安全な水とトイレを世界中に
- 3-7. エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
- 3-8. 働きがいも経済成長も
- 3-9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 3-10. 人や国の安全な水とトイレを世界中に
- 3-11. 住み続けられるまちづくりを
- 3-12. つくる責任、つかう責任
- 3-13. 気候変動に具体的な対策を
- 3-14. 海の豊かさを守ろう
- 3-15. 陸の豊かさも守ろう
- 3-16. 平和と公正をすべての人に
- 3-17. パートナーシップで目標を達成しよう
- 4. SDGsのまとめ
1. SDGsとは
SDGsは、「Sustainable Development Goals」の略称です。これは「持続可能な開発目標」と称されます。
2015年9月25日、国連持続可能な開発サミットが開催されました。そこで続可能な開発目標(SDGs)を含む「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。
そして国連開発計画(UNDP)は、今後15年間この新たなアジェンダに取り組み、目標実現を推進することを決定しました。
2. SDGsの2030アジェンダとは
2015年9月25日に採択された持続可能な開発目標(SDGs)を含む「持続可能な開発のための2030アジェンダ」とは、どのようなものでしょうか。
国際連合広報センターのWebサイトの資料から、ポイントを解説します。
2-1. SDGsの2030アジェンダの宣言
宣言部分を、以下に要約してご紹介します。
私達、国家元首、政府の代表は、国連が70周年を迎えるにあたり、2015年9月25日から27日までニューヨークの国連本部で会合し、本日新たな地球規模の持続可能な開発目標を決定しました。
私達は国民に代わり、このアジェンダを、2030年までに完全に実施するために、休みなく取り組むことをコミットします。
あらゆる貧困を撲滅することが最も大きな地球規模の課題であり、持続可能な開発に不可欠な必要条件だと認識しています。
2-2. SDGsの2030アジェンダビジョン
ビジョン部分を、以下に要約してご紹介します。
目標とターゲットにおいて、私達は最高に野心的で、変革的なビジョンを設定しています。
私達は、全ての人の人生が栄える、貧困、飢餓、病気および欠乏から自由な世界を思い描いています。
全ての人が読み書きできる世界、全てのレベルにおいて質の高い教育、保健医療および社会保護に公平かつ普遍的にアクセスできる世界です。
また人権、人の尊厳、法の支配、正義、平等及び差別がないことに対し、普遍的な尊重がなされる世界を思い描いています。
また、全ての国が持続的で、包摂的で、持続可能な経済成長と、働きがいがある人間らしい仕事を享受できる世界を思い描きます。
消費と生活パターン、そして空気、土地、河川、湖、帯水層、海洋といった全ての天然資源の利用が持続可能な世界。
民主主義、グッド・ガバナンス、法の支配、そしてまたそれらを可能にする国内・国際環境が、持続的で包摂的な経済成長、社会開発、環境保護および貧困・飢餓撲滅を含めた持続可能な開発にとって、極めて重要な世界です。
2-3. 国連開発計画(UNDP)とは
持続可能な開発(SDGs)を促進する国連の主要な開発支援機関が、国連開発計画(United Nations Development Programme)です。1965年に設立され、本部はニューヨークにあり、世界の132箇所に常設駐在所があります。
国連開発計画は、以下の3つを開発の柱に掲げています。
① あらゆる形態と次元の貧困を根絶する
② 持続可能な開発に向け、構造的変革を加速する
③ 災害や紛争などの危機やショックへの対応力を強化構築する
また国連開発計画ならではの解決策として、「シグネチャー・ソリューション」という6つの分野横断的な開発アプローチを実施しています。
3. SDGsの目標
3-1. 地球上のあらゆる貧困をなくそう
日本ユニセフ協会は、「世界には3億5600万人の子どもがおり、6人に1人が極度に貧しい暮らしをしている」と指摘しています。これは、1日で食事や水、電気に使えるお金が1.25ドル未満という状態です。
そして2030年までの目標として、以下を設定しています。
① それぞれの国の基準で貧しいとされる男性と女性、子どもの割合を半分減らす
② それぞれの国で人々の生活を守るための仕組み作りや対策を行い、貧しい人々や弱い立場にいる人達が十分に守られるようにする
③ 全ての人が平等に、生活に欠かせない基礎的サービスが使用でき、土地や財産の所有や利用ができ、新しい技術や金融サービスを使えるようにする
④ 開発途上国で、貧しさをなくすための計画や政策を実行できる多くの資金を集める
3-2. 世界で約6.9億人が苦しんでいる飢餓をゼロに
飢餓とは、「人が十分な食べ物を食べられずに栄養不足になり、健康を保つことができなくなった状態」を指します。今、全世界では約6.9億人の人達が飢餓に苦しんでいます。これは世界の人口の11人に1人の割合に該当し、多くは発展途上国の農村部に住む人々です。
最も飢餓が拡大している地域はアフリカで、飢餓人口の総数が最も多いのは南アジアです。南アジアでは、3.8億人もの人々が飢餓に苦しんでいます。子どもが飢餓状態になってしまうと病気に対する抵抗力が弱くなり、命を落としてしまうこともあります。また飢餓状態の妊婦が出産した場合、生まれた赤ちゃんは既に栄養不足で、出産後に亡くなってしまうケースも多いのです。
飢餓が原因で、子ども達の成長が遅れたり亡くなることは、その国の成長や発展の遅れにもつながります。
3-3. 誰もが健康で、幸せな生活を送れるように
アフリカのサハラ以南の地域では、2人に1人の子どもが、かぜで肺炎になっても治療を受けることができません。例えばマラウイでは、医師1人に対し患者の数は63,694人もいます。世界では、数万人に1人しか医師がいないという国も珍しくありません。
そういった状況を改善するために、2030年までに以下の目標を設定しています。
① 妊娠中の母親の死亡を減らす
② 生後28日以内に死亡する赤ちゃんの数を、1,000人あたり12人以下にする
③ 5歳までに命を失う子どもの数を、1,000人あたり25人以下にする
④ 赤ちゃんや幼児が、予防できる原因で命を落とさないようにする
⑤ エイズ、結核、マラリアや、これまで見放されてきた熱帯病などの伝染病をなくす
⑥ 肺炎や、汚水が原因で発生する病気への対策を進める
⑦ 予防や治療を促進し、感染症以外の病気で人々が早く命を失う割合を3分の1に減らす
⑧ 心の健康対策や福祉も促進する
⑨ 麻薬を含む薬物やアルコールなどの乱用を防止し、治療を促進する
3-4. 誰もが公平に良い教育を受けられるように
アフリカのサハラ以南の地域では、小学校に通えない子どもが3,200万人もいます。また南アジア地域では、小学校に通えない子どもが1,300万人います。
世界全体でみた時、16%(25人中4人)が中学校に通えず、35%(20人中7人)は高校に通えません。
そういった状況を改善するために、2030年までに以下の目標を設定しています。
① 全ての子どもが、公平で質の高い教育を無料で受けることができ、小学校と中学校を卒業できるようにする
② 全ての子どもが、幼稚園や保育園に通ったりして、小学校にあがるための準備ができるようにする
③ 全ての人々が男女の区別なく、無理なく払える費用で、技術や職業に関する教育や、大学を含めた高等教育を受けられるようにする
④ 人間らしい仕事に就いたり起業できるように、技術や能力を備えた若者や大人をたくさん増やす
3-5. 男女平等を実現し、全ての女性と女の子の能力を伸ばし可能性を広げよう
6歳から11歳の子どものうち、一生学校に通うことができない女の子は男の子の約2倍というデータがあります。南アジアの国々では男性が社会的に優位な立場にあることが多く、このエリアで生まれた女の子は健康に成長することさえ容易ではありません。
次に女の子を待ち受けるのは、「児童婚(じどうこん)」という風習です。南アジアでは、18歳になる前に50%の女の子が結婚しています。児童婚の割合が高い国は、バングラディシュ52%、インド47%、ネパール37%の順になっています。
そういった状況を改善するために、2030年までに以下の目標を設定しています。
① 全ての女性と女の子に対するあらゆる差別をなくす
② 女性や女の子を売り買いしたり、性的もしくは他の目的で一方的に利用することを含め、あらゆる暴力をなくす
③ 子どもの結婚、早すぎる結婚、強制的な結婚、女性器を刃物で切り取る風習など、女性や女の子を傷つける習わしをなくす
④ お金が支払われない家庭内の子育て、介護や家事などは、お金が支払われる仕事と同じくらい大切な仕事であるということを、それを支える公共サービスや制度、家庭内の役割分担他を通じて認めるようにする
3-6. 安全な水とトイレを世界中に
水道の設備がない暮らしをしている人は、世界中で22億人もいます。またトイレがなく、道ばたや草むらなどの屋外で用を足す人は、6億7300万人もいます。
そういった状況を改善するために、2030年までに以下の目標を設定しています。
① 誰もが安全な水を、安い値段で利用できるようにする
② 誰もがトイレを利用できるようにする
③ 汚染を減らす、ゴミが捨てられないようにする
④ 有害な化学物質が流れ込むことを最低限にする
⑤ 未処理排水を半減する
⑥ 水の再利用を増やすなどの取り組みで、水質を改善する
⑦ 今よりもはるかに効率よく水を使えるようにし、淡水を持続可能な形で利用し、水不足で苦しむ人の数を大きく減らす
⑧ 必要な時は国境を越えて協力し、あらゆるレベルで水源を管理できるようにする
⑨ 山や森林、湿地、川、地下水を含んでいる地層、湖などの水に関わる生態系を守り、回復させる
3-7. エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
世界で電力を使えない人は7憶8900万人います。電力が来ている村と電力が来ていない村では、その暮らしに大きな違いが生まれます。アフリカのトーゴの電気のない村では、産業や医療施設はなく、教育機会もわずかです。
そういった状況を改善するために、2030年までに以下の目標を設定しています。
① 誰もが安い値段で、安定的で現代的なエネルギーを使えるようにする
② エネルギーを作る方法のうち、再生可能エネルギーを使う方法の割合を大きく増やす
③ 今までの倍の速さで、エネルギー効率を良くしていく
④ 国際的な協力を推進し、再生可能エネルギー、エネルギー効率、石炭や石油の使用より環境に優しい技術の研究を進め、みんなで使えるようにし、そのために必要な投資もすすめる
⑤ 様々な支援プログラムを通じて、開発途上国、島国、内陸の国で、全ての人が現代的で持続可能なエネルギーが使えるように設備を増やし、技術を高める
3-8. 働きがいも経済成長も
世界の貧しい国々で、5歳~17歳の子どもの5人に1人が、労働を強いられています。
そういった状況を改善するために、2030年までに以下の目標を設定しています。
① 開発途上国は、毎年年7%の国内総生産(GDP)の成長を続けられるようにする
② 多用化、技術向上、イノベーションを通じて、経済の生産性を上げる
③ 新しいことを始めることを助ける政策を進め、中小規模の会社設立や成長を応援する
④ 消費と生産において資源を効率良く使い、経済成長が環境悪化につながらないようにする
⑤ 若い人や障害がある人、男女が働き甲斐のある仕事ができ、同じ仕事に同じ給料が払われるようにする
⑥ 仕事も通学もせず、職業訓練も受けていない若い人達の数を大きく減らす
⑦ 子どもを兵士にすることも含めた最悪の形の児童労働を禁止し、2025年までにあらゆる形の児童労働をなくす
⑧ 全ての人の働く権利を守って、安全に安心して仕事ができる環境を進めていく
⑨ 地方の文化や産品を広め、持続可能な観光業を実施していく
⑩ 金融機関の能力を強化し、全ての人達が銀行や保険サービスを使えるようにする
3-9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
世界では、約29億人の人々がインターネットにアクセスできません。特に開発が遅れている国々の農村部では、13%の人が携帯電話の電波が届かないところに暮らしています。
そういった状況を改善するために、2030年までに以下の目標を設定しています。
① 質が高く、信頼できて、持続可能な災害に強いインフラを作る
② 雇用と国内総生産(GDP)に占める農業や漁業など以外の割合を、大きく増やす
③ 小さな工場や会社が安く資金を借りる金融サービスを利用でき、市場に広く組み込まれるようにする
④ 環境に優しい技術や生産方法を導入し、インフラや産業を持続可能なものにする
⑤ イノベーションを推進し、様々な産業での科学研究を進め、技術能力を伸ばす
3-10. 人や国の安全な水とトイレを世界中に
多くの国で、かつてないほど格差が広がっています。2017年には、世界の最も豊かな1%の人が世界全体の富の約33%を持っていました。
そういった状況を改善するために、2030年までに以下の目標を設定しています。
① 各国で低所得から40%の人々の所得の増え方が、国全体の平均を上回るようにし、ペースを保つ
② 全ての人々が能力を高め、社会的、経済的、政治的に取り残されないように進める
③ 差別的な法律、政策や習わしをなくし、平等な機会を持てるようにし、所得などの格差を減らす
④ 財政、賃金、社会保障などに関する政策を取ることで、より大きな平等を達成していく
⑤ 世界の金融市場と金融機関に対するルールと監視システムをしっかり実行されるようにする
⑥ 発展途上国の参加や発言を増やすことで、より効果的で信頼でき、納得できる制度を作る
3-11. 住み続けられるまちづくりを
過去40年に渡って、人々が避難や移住をしなければならなくなるような自然災害の発生件数が大きく増えています。
そういった状況を改善するために、2030年までに以下の目標を設定しています。
① 全ての人が安全な家に安い値段で住むことができ、スラムの状況を良くする
② 全ての人が、安い値段で、安全に、持続可能な交通手段を使えるようにする
③ 全ての国で、持続可能な街創りを計画し実行できるような能力を高める
④ 世界文化遺産や自然遺産を保護し、保つ努力を強化する
⑤ 水害による被害人数を減らし、災害による経済損失を減らす
⑥ 大気の質やごみ処理に注意を払い、都市住民の環境への影響を減らす
⑦ 誰もが安全で使いやすい緑地や公共の場所を使えるようにする
3-12. つくる責任、つかう責任
世界で生産されている食hんの約3分の1(13億トン)が、捨てられています。
そういった状況を改善するために、2030年までに以下の目標を設定しています。
① 先進国がリーダーとなり、持続可能な消費と生産の10年計画を実行する
② 天然資源を持続的に管理し、効率よく使えるようにする
③ お店や消費者のところで捨てられる食料を半分に減らす
④ 大気、水、土壌へ化学物質やごみが出されることを大きく減らす
⑤ ごみを減らし、リサイクル・リユースをし、ごみ発生量を大きく減らす
⑥ 大企業や多国籍企業に、定期的なレポートに持続可能性についての情報を入れるようにすすめる
⑦ 国や自治体がものを買う時は、持続可能な形で行われるようにする
⑧ 人々が持続可能な開発や、自然と調和した暮らし方に関する情報と意識を持つようにする
3-13. 気候変動に具体的な対策を
世界中で、気候変動が起こっています。過去30年間の日本の熱帯夜の平均日数は、1910年からの30年間の平均の約2.7倍です。
そういった状況を改善するために、2030年までに以下の目標を設定しています。
① 気候変動による自然災害が起きた時、立ち直る力を全ての国で備える
② 気候変動への対応力を、それぞれの国が、政策や戦略、計画に盛り込む
③ 気候変動に対し、早くから警戒するための教育や啓発のための人や組織の能力を高める
3-14. 海の豊かさを守ろう
私達が使っているペットボトルやビニール袋などのプラスチックごみが、年間800万トン海に流れ出ています。
そのため、以下のような目標を設定しています。
① 2025年までに、海洋ごみや富栄養化など、あらゆる海の汚染を防ぎ減らす
② 2020年までに、海と沿岸の生態系を回復させるための取り組みを行う
③ あらゆるレベルで科学的な協力を進め、海洋酸性化の影響が最小限になるように対策する
④ 2020年までに、漁獲量を効果的に制限し、科学的な管理計画を実施する
⑤ 2020年までに、世界中の沿岸域や海域の10%を保全する
⑥ 2020年までに、魚の獲り過ぎを助長するような漁業補助金を禁止し、そのような補助金を作らないようにする
⑦ 2030年までに、開発途上の小さい島国や開発が遅れている国が、海洋資源活用でより大きな経済的利益を得られるようにする
3-15. 陸の豊かさも守ろう
鳥類の14%、針葉樹の34%、哺乳類の25%、両生類の41%が、絶滅の危機に晒されています。
そのため、以下のような目標を設定しています。
① 2020年までに、陸上の生態系と淡水の生態系を守り、回復させ、持続可能な形で利用できるようにする
② 2020年までに、森林の減少をくいとめ、回復させ、世界全体で植林を増やす
③ 2030年までに、砂漠化に対応し、干ばつなどで衰えた土壌を回復させる
④ 2030年までに、持続可能な開発に欠かせない多様な生物が生息できる山地の生態系を守る
⑤ 2020年までに、絶滅が心配されている生物を保護し、絶滅を防ぐ対策をとる
⑥ 遺伝資源を使って得る利益が、公正で公平に分けられるようにし、遺伝資源を適切に使えるようにする
3-16. 平和と公正をすべての人に
世界のどこかで、5分に1人、子どもが暴力によって亡くなっています。
そのため、以下のような目標を設定しています。
① あらゆる場所で、あらゆる形の暴力と、暴力による死を大きく減らす
② 子どもに対する虐待、搾取、人身売買、あらゆる形の暴力や拷問をなくす
③ 全ての人が平等に、争いを解決するための裁判所などの司法を利用できるようにする
④ 2030年までに、法律に反する資金や武器取引を減少させ、奪われた財産も戻されるようにし、組織犯罪をなくす
⑤ あらゆる形の汚職や贈賄を大きく減らす
⑥ 効果的な働きができ、働きの内容や過程がわかるような公的な機関を発展させる
⑦ あらゆるレベルで物事を決められる時には、様々な人の立場を代表する形でなされるようにする
⑧ 国境を超える問題を解決するための国際的な機関へ、開発途上国の参加を広げ、強める
⑨ 2030年までに出生登録を含め、全ての人が法的の身分証明を持てるようにする
⑩ 誰でも情報を入手できるようにし、基本的な自由が侵されず、守られるようにする
3-17. パートナーシップで目標を達成しよう
2018年に政府開発援助(ODA)に使われたお金は、前年に比べて、2.7%(約40億ドル)減少しました。
そのために、以下のような目標を設定しています。
① 国際的な支援によって、国内の資金調達を強化する
② 先進国は、ODAに関する約束を完全に実行する
③ 複数の財源から、開発途上国のための資金をもっと集める
④ 開発途上国の借金が、やりくりし続けられるように支援する
⑤ 最も開発が遅れている国への投資を促進する仕組みを取り入れ、実施する
⑥ 科学技術イノベーションと活用に関する南北協力、国際的な三角協力を強化する
⑦ 開発途上国に対し、環境に優しい技術開発や移転、普及を進める
⑧ 情報通信技術をはじめ、様々な事を実現できる技術をより使えるようにする
⑨ 開発途上国で、効果的に能力を高めていけるように、国際的な支援を強化する
⑩ ドーハ・ラウンドでの結果を含め、差別のない公平な多角的貿易体制を進める
⑪ 開発途上国からの輸出を大きく増やす
⑫ 開発が遅れている国々が、継続して無税・無枠で市場を利用できるようにする
⑬ 各国が政策の足並みをそろえたり、一貫した政策により、世界の経済安定を実現する
⑭ 持続可能な開発のために、一貫した政策が取られるように強化する
⑮ それぞれの国の決定範囲やリーダーシップを尊重する
⑯ 持続可能な開発のための世界的なパートナーシップを強化する
⑰ 効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップをすすめる
⑱ 2020年までに、収入、年齢などタイムリーなデータを、多く利用できるようにする
⑲ 2030年までに、持続可能開発の進捗を測るため、統計に関する能力を高める支援を行う
4. SDGsのまとめ
経団連による企業行動憲章ではSDGsへの対応を謳っており、企業や自治体の関心も高くなっています。
SDGsは、2030年までに実現すべき世界を記した目標です。17個の目標と、169の具体的数値や目標年を含むターゲットで構成されています。
SDGsの理念は、「誰も取り残されない世界の実現」と「変革」です。また4年に1回提出される「グローバル持続可能な開発報告(GSDR)」による評価も行われます。
国連のSDGs交渉で共同議長を務めたケニアのカマウ国連大使は、「SDGsは経済アジェンダだ」と語っています。
SDGsは、経済のあるべき姿であり、技術革新や政治学の課題であり、医学や環境学の目標でもあるのです。