
2026年は、アメリカのベネズエラ攻撃で幕を開けました。事前にレーダー網を無力化し、ニコラス・マドゥロ大統領を拘束したのです。テレビには、特殊部隊にナイキのフリース姿で連れ去られる姿が映し出されました。この事件は、軍事力が国家の主権を打ち破る国際社会の冷酷な現実を浮き彫りにしました。
一方日本の国内政治に目を向けると、日本初の女性の総理大臣が誕生しました。高市旋風が巻き起こり、衆議院選挙で自民党は戦後最多の315議席を獲得しました。「これからも働いて働いて働いて働いて働いて働き抜いてまいります」。学生時代ヘビメタバンドのドラマーをやってした高市氏のキャラクターはSNSで拡散し、若者の共感を呼びました。

そして原油価格の上昇と世界経済の下方リスクを高めているのが、イラン戦争です。ホルムズ海峡の封鎖による原油タンカーの運行停止は、世界の石油・ガス供給の2割を封じ込めました。注目すべきは、AIが作戦の立案と実行を担い始めたことです。米軍は最初の24時間で、1,000個所を攻撃しました。この攻撃の標的抽出や優先順位付け、攻撃のタイミング決定にAIが活用されたのです。そのAIとは、米パランティア・テクノロジーズのデータ分析基盤「Gotham5」や統合OS「AIP」、米アンソロピックの「Claude」です。海外メディアは、膨大な傍受データの解析だけでなく、戦闘シナリオのシミュレーションに使われたと報じています。

そして今、AIはOpenAIのChatGPTとGoogleのGemini、Claudeの覇権争いが激化しています。経済調査・投資戦略会社TSロンバードによれば、2026年のAI・データセンター分野の世界の支出額は約128兆円、そのうち米国は80%を超えると予想しています。では世界の巨大企業は、なぜこれほどの巨額の投資を行うのでしょうか。それはAIは単なる技術ではなく、AIが収集する「情報量」と「計算能力」、維持するための「電力」が、3位一体の巨大なプラットフォームだからです。

2026年の変化スピードは、かつてないほどの速さになるでしょう。しかも今年は、世界中の投資家が注目するアメリカの中間選挙があります。11月3日に実施され、下院の全435議席、上院は3分の1の35議席が改選されます。また中間選挙投開票日には、39州で州知事選が行われます。投資家が注目する理由は、様々なイベントで株価が大きく動くからです。トランプ氏が勝利した2016年は、S&P500は5%、エネルギー株は9%上昇しました。バイデン氏が勝利した2020年も、S&P500は11%上昇、エネルギー株は28%も上昇しました。
本記事では、2026年の重要なキーワードをわかりやすく解説してきます。ぜひ、ご活用下さい。
Contents
1.【政治】高市旋風と自民1強、移民問題

1-1. 戦後最多315議席、単独で分の2超えの衝撃
2026年2月9日、第51回衆議院選挙は全465議席が確定しました。自民党が単独で3分の2を超える315議席を獲得したことは、2026年の国内政治における最大のトピックです。この選挙戦は、まさに高市劇場でした。例えば年代別の投票先では、各年代で自民党が1位で、10代から30代では37%に達しました。世襲議員ではない初の女性総理を応援する民意が、高市旋風を引き起こしたといえます。
1-1-1. 日本初の女性首相高市早苗
高市早苗は、日本の政治家。1961年(昭和36年)生まれ。奈良県出身で、神戸大学経営学部卒。松下政経塾出身の自由民主党の衆議院議員。前職では、アメリカ合衆国議会立法調査官、テレビ朝日キャスター、フジテレビキャスター、近畿大学経済学部教授を務めました。日本初の女性総理大臣です。
1-1-2. バズる素材でSNSジャック

2024年の都知事選。2位に食い込んだ石丸氏の得票数は、158万票に達しました。この時”石丸旋風”と呼ばれた現象を引き起こしたのは、SNSやYouTubeを活用したネット戦略とボランティアによる選挙展開でした。選挙参謀を務めた藤川晋之助氏の手腕も秀逸でした。
高市氏の選挙戦略でも、このSNS戦術が踏襲されました。2026年2月1日、JR名古屋駅前。「高市さーん」と市民に声をかけられ、笑顔で手を振る動画は、YouTubeで30万回も再生されました。あるYouTuberは仲間と分業し、1日あたり約300本の選挙動画を複数のSNSに投稿。選挙公示から投開票までの累計再生回数は、700万回に達しました。

この原型は、2024年の米大統領選です。この時トランプ陣営は、デジタルメディアを駆使しました。ポイントは、緻密なターゲティングとストリーミング広告、インフルエンサーとXの活用です。有権者を緻密に分析し、集中的にリーチする戦術です。ここで見逃せないのが、SNSメディアのターゲティングの精度です。ユーザーはSNSのアカウント登録の際、「年齢」や「職業」、「学歴」、「趣味」などを入力します。この個人情報が、広告配信のセグメントで最大活用され、強大なリーチ力を生むのです。またSNS上の「いいね」や「シェア」といった個人のアクションも特定できます。
かつてケンブリッジ・アナリティカという企業がありました。この会社の大株主のロバート・マーサーのパトロンは、かつてトランプのホワイトハウス主席戦略官だったスティーブン・ケヴィン・バノンです。同社の強みは、オンラインユーザーの心理的傾向の分析と分類でした。例えば米有権者2億2000万人は、約5000項目に分類されていました。この人数は、アメリカの有権者のほぼ全てをカバーしています。
1-1-3. 日本の将来が見えてくる重点投資対象17分野
高市政権が日本成長戦略会議を開催し、官民投資の促進に向けて選定したのが重点投資対象17分野です。例えば、AI・半導体や量子、バイオ、航空・宇宙、デジタル・情報安全、コンテンツ、重要鉱物などがあります。これらの項目からは、「金融を通じた潜在力の向上」や「国際競争力強化」、「スタートアップ支援」「労働市場改革」「大学改革」「サイバーセキュリティ」というテーマが挙げられます。2026年6月19日、官民投資の全容が判明しました。その詳細は、内閣官房の『戦略17分野における主な製品・技術等』に掲載されています。
1-1-4. 日本版CIAと呼ばれる国家情報局

2026年5月27日、国家情報会議設置法が成立しました。夏にもスタート予定の国家情報局は、インテリジェンスの中核を担う予定です。規模は700人前後で、来年からは専門のキャリア職員の採用も実施する予定です。設立の背景には、中国やロシア、北朝鮮など周辺国の脅威や、サイバー攻撃の激化などがあります。そしてその先には、「スパイ防止法」制定と「対外情報庁」新設が待っているといわれています。ちなみに米国は、偵察を含む通信衛星100機以上を運用し、CIAの要員数は2万人といわれています。
1-1-5. ヨーロッパの反省が活きる?日本の移民問題

深刻な労働力不足を背景に、移民問題が本格的に議論されています。例えば日本では、外国人技能実習制度に代わる新たな受入枠組みが拡大してます。ただ一方では、ヨーロッパで移民政策の失敗が叫ばれています。具体的には、言語教育や社会統合の制度の不整備により、待遇格差や差別、社会的分断が深刻化しました。大量の移民に対し、住宅不足や生活費の高騰が生じ、その不満から各国で反移民デモが発生しています。
その不安の本質は、「急激な移民の人口増加が社会に与える影響」です。その結果、英国ではナイジェル・ポール・ファラージ率いるリフォームUKが、労働党と保守党から議席を奪い、大きく躍進しています。
1-2. 連立政権と中道改革連合
1-2-1. 自民と維新の連立
2025年10月20日、自民党と日本維新の会が連立政権合意書を交わしました。この連立は、国会での過半数確保を目的とした政界再編の選択肢として注目されています。例えば維新は政策集「日本再起の12本の矢」を掲げ、自民との協力条件として改革路線を重視しています。特にガソリン暫定税率廃止法案の成立や、電気ガス料金補助などの物価対策が協議の焦点となっています。
1-2-2. 立憲民主党と公明党が野合した中道改革連合

中道改革連合は、2026年の衆議院総選挙を前に、立憲民主党と公明党が合流した新党です。保守色の強い政権に対抗し、中道勢力の結集を目指して誕生しました。結成の中心となったのは、立憲民主党の野田佳彦代表と、公明党の斉藤鉄夫代表です。両者は共同代表に就任し、「中道政治」「現実的な改革」「生活者重視」を基本理念として掲げ、消費税減税などを主要政策として打ち出しました。
中道改革連合の最大の特徴は、両党の支持基盤を活用した総選挙での協力体制です。選挙戦略としては、立憲民主党出身者が主に小選挙区を担当し、創価学会の組織票による支援を受ける構図が採用されました。一方比例代表名簿では、公明党出身者の上位処遇が行われました。

2月8日の投開票の結果、167議席から49議席まで減らし、衆議院勢力の約7割を失いました。しかも小沢一郎、枝野幸男、岡田克也、安住淳といった大物議員が次々と議席を失いました。ただし公明党出身者は公示前を上回る議席を確保し、「立憲系が大幅減、公明系は維持・増加」という構図でした。
この選挙に関しては、支持層の融合に対する過信、比例単独上位処遇による公明党出身者の優遇、小選挙区戦略の失敗などが重なり、記録的大敗を招いたと評価されています。
2.【経済】AIのと半導体と宇宙ビジネス

生成AIの覇権争いが激化しています。2026年6月の「State of AI 2026」レポートでは、ChatGPTの世界市場シェアは46.4%まで低下しました。一方、GoogleのGeminiは27.7%、米アンソロピックのClaudeは10.3%と拡大しています。ただしChatGPTの月間アクティブユーザー数は11億人を超えており、Geminiは6億6200万人、Claudeは2億4500万人です。
このChatGPT一強体制が、複数サービスが競合する環境へどう移行していくのか。MicrosoftやGoogleの猛追、Appleの参入で、それぞれの独自経済圏での完結が進行しています。また汎用型から特化型への分散化も進行しています。例えばコールセンターのような特定の業務において、データをチューニングされた軽量モデルが台頭しているのです。
2-1. アンソロピックとOpenAI、Googleの戦い

2023年のChatGPTの登場以降、生成AI市場は事実上、OpenAI、Anthropic、Googleの三強時代に入りました。しかし2026年現在、その勢力図は大きく変化しつつあります。かつて圧倒的だったOpenAIに対し、Anthropicは企業市場で急成長し、Googleは巨大なエコシステムを武器に追い上げています。
OpenAI最大の武器は、「ChatGPT」というブランドです。また現在でもAI市場の最大プレイヤーです。ただし巨大な計算資源を必要とし、収益拡大と同時にコストも膨らんでいます。一方多くの開発者が高く評価しているのが、アンソロピックのClaudeです。例えば企業向けコーディング市場では、圧倒的な存在感を示しています。
またGoogleは、その最大の武器は技術力ではなく流通です。Googleは「Android」や「Chrome」、「Gmail」、「YouTube」などを保有しています。Geminiをこれらに組み込むことで、何億人ものユーザーへ自動的にリーチできます。また年間数百億ドル規模のAI投資を継続でき、計算資源の面では世界最強クラスです。
2-1-1. 対話型AIチャット「Claude」を開発したアンソロピック(Anthropic)

2021年1月にOpenAIの研究担当副社長を務めていたダリオ・アモデイとダニエラ・アモデイの兄妹を含むOpenAIの元従業員7名によって、設立されました。2022年4月には、5億8000万ドル(約930憶円)の資金提供を受けたと発表しました。
そして2023年3月14日、Claude1をリリースしました。また2026年1月には、Claudeが守るべき原則文書をが一般公開しました。2026年4月7日には、新モデル「Claude Mythos Preview」を発表しました。ただOSやブラウザの脆弱性攻撃の能力があるため、一般公開は見送られました。
2-1-2. 世界中のプロが選ぶClaude(クロード)
Claude(クロード)は、Anthropicが開発する生成AIです。世界中のビジネスパーソンやエンジニアから、高い評価を集めています。高度な文章作成やプログラミング支援が大きな特徴です。また2026年2月リリースの「Claude Sonnet 4.6」では、推論性能や実務対応力がさらに向上しました。また数百ページの社内資料を一度に読み込む100万トークンの処理能力も備えています。
2-1-3. 言語理解に優れたGemini
Geminiは、Google DeepMindが開発したマルチモーダル大規模言語モデルおよびそれを搭載したAIアシスタントです。例えば、テキストだけでなく画像や音声なども理解できる生成AIとして注目されています。文章作成や要約、コーディング支援など幅広い業務に対応し、ビジネスから教育、開発現場まで活用が拡大しています。Googleの各種サービスとの連携が強みなのも、大きな特徴です。
2-1-4. 文脈を理解し対話能力が高いChatGPT

ChatGPTは、OpenAIが2022年11月に公開した対話型生成AIサービスです。2022年11月30日にChatGPTはプロトタイプとして公開されました。公開後5日間で利用者数が100万人、2ヶ月で1億人を突破するなど注目を集めました。OpenAIによれば、ユーザーが入力した情報は利用されることがあると発表しています。その結果、JPモルガンやサムスン電子など一部の企業は、ChatGPTへのアクセスを禁止しています。
2-1-5. もうソースを書くだけのPGは要らない?エンジニアの失業
生成AIのコーディング能力が、飛躍的に高まっています。例えば「GitHub Copilot」や「Cursor」などのコード生成AIは、プログラミング言語の構文やコーディングパターンの学習に特化しています。そのため精度の高いコード生成が可能です。しかもコード生成だけでなく、補完やレビュー生成、リファクタリングなどをカバーしているツールも多数あります。そのため、単に指示通りにコードを書くだけのプログラマーの需要は急減しています。
2-1-6. AIはソフトウェア産業を滅ぼす?SaaSの死
従来企業は、月額費用を払って業務特化型のSaaSを導入していました。しかし生成AIの進化により、「自社専用の業務ツールをAIがその場で瞬時に自動構築する」ことが可能になりました。アンソロピックの「Claude Cowork」の登場以来、SaaS企業の株価が低迷しています。その中には、セールスフォースやアドビ、Sansanといった有名企業もあります。
2-1-7. テック業界が注目するフィジカルAI

これまでのAIは、データ処理やテキストの作成の役割を果たしていました。これに対しフィジカルAIは、実世界を認識し、物理的に作用する肉体を持っています。フィジカルAIが期待される背景には、深刻な労働力不足があります。特に物流倉庫での複雑なピッキング作業やドローン配送の自動化、医療現場での手術支援や介護補助などその応用範囲は多岐に渡ります。
この市場で特に注目を集めているのが、テスラです。テスラのヒューマノイド(人型ロボット)「Optimus(オプティマス)」の凄さは、AIと自動運転、バッテリーと量産技術を組み合わせている点です。具体的には、テスラの自動運転技術に使われているAIやセンサー技術が応用されています。それらによって、まわりの環境を認識し、様々な仕事を自律的にこなします。
2-2. 時価総額約560兆円!世界トップクラスにと到達したエヌビディア
2-2-1. 独占AI基盤企業へ変貌したエヌビディア

エヌビディア(NVIDIA Corporation)は、汎用計算用GPUやAI関連の半導体を開発・研究・販売する企業です。本部とGPU開発拠点は米国にあり、アジア本部とAI開発拠点は台北市と高雄市にあります。2026年5月20日の決算では、売上高は約14兆5000億です。
エヌビディアの成功理由は、半導体メーカーではなく、AI時代の基盤企業を目指した戦略です。もともとゲーム向けGPUで高い性能を実現していましたが、早い段階からGPUがAIや科学計算にも活用できることに着目しました。特に独自の開発基盤CUDAを整備し、研究者や企業がNVIDIA製GPUを使いやすい環境を構築したことで、強固なエコシステムを形成しました。
またデータセンター向け事業へ積極投資し、生成AIブーム到来時には学習・推論に不可欠な高性能GPUを供給できる企業体を確立しました。さらにハードウェアだけでなくソフトウェアやネットワーク、AIプラットフォームまで提供することで参入障壁を高め、高い収益性と市場支配力を実現しています。
2-2-2. 株価70倍は何を意味する?目が離せないキオクシア

キオクシア株式会社は、NAND型フラッシュメモリを製造・販売する半導体メーカーです。2017年に東芝の半導体メモリ事業を分社化して、設立されました。また2018年にベインキャピタルを中心とする企業連合に売却され、東芝が再出資し、持分法適用関連会社になりました。2024年12月に東証プライム市場に上場。2026年6月12日には株価が初値から56倍となり、時価総額で日本企業トップとなりました。背景には、生成AI用データセンター向けNANDフラッシュメモリの需要拡大があります。
2-3. スペースXと宇宙ビジネス

2026年6月12日、実業家イーロン・マスク氏の米宇宙企業スペースXがナスダック市場に上場しました。新規株式公開価格は160.95ドルで終了しました。これは時価総額に換算すると、約320兆円に達します。
かつて宇宙開発は、国家プロジェクトの独壇場でした。イーロン・マスクはそこに市場原理を持ち込み、価格破壊とスピード感をもたらしました。国際的な市場調査データによると、世界の宇宙経済の市場規模は、2026年時点で4,600億米ドル(約70兆円)前後に達すると見込まれています。今後は高速衛星ブロードバンド通信や、地球観測データとAI解析によるソリューション、宇宙旅行などのサービスが期待されています。
2-3-1. 年間170機のロケットを打ち上げるスペースX

スペースX(Space Exploration Technologies Corp.)は、2002年にイーロン・マスクによって設立されたアメリカの民間宇宙開発企業です。人類を火星へ送り、多惑星文明を実現するという壮大な目標を掲げています。注目を集める最大の理由は、ロケットの再利用技術の実用化です。従来のロケットは、一度打ち上げるとその多くが廃棄されていました。しかしスペースXは、打ち上げ後に地球へ帰還して再利用できる中型回収型ロケットの開発に成功しました。

同社の主力ロケットは、「ファルコン9」です。ファルコン9ブロックシリーズは高い信頼性を誇り、世界中の衛星打ち上げや有人宇宙飛行で活躍しています。特に第1段ブースターが着陸船や地上へ正確に帰還する技術は、宇宙開発史における大革新といわれています。
またスペースXの功績として特に重要なのが、有人宇宙飛行です。アメリカ航空宇宙局(NASA)と協力し、カプセル型宇宙船「クルードラゴン」が誕生しました。2020年11月16日に実施された「Crew-1」ミッションでは、4人の宇宙飛行士を乗せたクルードラゴンが無事に国際宇宙ステーション(ISS)へ到着しました。
さらにスペースXは衛星インターネット事業「スターリンク」も展開しています。数千基規模の小型衛星を地球低軌道へ配置し、世界中へ高速インターネットを提供することを目指しています。
2-3-2. 光回線が引けない場所でも繋がるスターリンク
スターリンク(Starlink)は、SpaceXが運営する世界最大規模の低軌道(LEO)衛星インターネットサービスです。高度約550km付近を飛行する数千機規模の衛星ネットワークを構築し、世界中に高速インターネット接続を提供しています。
2026年時点で利用者数は1,000万~1,200万人おり、運用衛星数は約1万機規模に達したとみられています。競合サービスにはAmazon の「Amazon Leo」やAST SpaceMobileがありますが、後発企業が同規模ネットワークを構築するには膨大な時間と資金が必要になり、参入障壁は非常に高いのが現状です。
スターリンクの強みは、SpaceX本体が「Falcon9」と「Starship」を所有していることです。つまり、「衛星の製造」「ロケット打ち上げ」「通信サービス運営」を一括運営できるのです。この”競合他社よりも低コストで衛星を増やせる”点が、スターリンク最大の優位性です。
3.【国際情勢】地政学リスクと経済安全保障

3-1. チャイナリスクとレアアースの輸出制限
帝国データバンクの調査で、企業が最も懸念するキーワードの筆頭はチャイナリスクです。中国政府によるレアアースの輸出制限措置は、日本の製造業やハイテク産業のサプライチェーンを直撃しました。特に大きな影響を受けたのは、永久磁石です。またそれ以外にも、許認可運用の不確実さも挙げられています。サプライチェーンの「脱中国(チャイナ・プラスワン)」は、もはや努力目標ではなく、企業の生存をかけた絶対条件となっています。
3-1-1. 戦略物資として必要不可欠なレアアース
産業のコメといわれるレアアースは、軽レアアースと重レアアースの2種類があります。軽レアアースは、ネオジウム磁石の主原料のネオジウムや自動車の排気ガス浄化触媒用のセリウムがあります。また重レアアースには、ネオジウム磁石の耐熱性を高めるジスプロシウムやディスプレイの緑色蛍光体に使われるテルビウムもあります。
特にネオジム磁石による小型・高効率モーターや、ユウロピウム・テルビウムなどを使った省エネ照明・ディスプレイ用途が重要です。世界最強のネオジム磁石は、日本の佐川眞人氏によって開発されました。ネオジム磁石は、フェライトの約12倍の最大エネルギー積(BH)maxを有します。その結果、磁力を発揮させるための体積や重量を低減できます。
例えば電気自動車(EV)の駆動モーターの場合、フェライト磁石で必要なトルクを出そうとすると、モーターが大型化し、実用的なサイズが困難になります。しかしネオジム磁石は、同じ機能でモーター重量を約50%以上削減可能です。またHDD用のボイスコイルモーターも同様です。このネオジム磁石のおかげで、スマートフォンや薄型ノートPCが実現したのです。
3-1-2. チャイナリスクでベトナム、インドへの分散化へ

チャイナリスクとは、中国進出において、政治体制や規制が原因で、国や企業がビジネス面で直面する不確実性や損失リスクです。日本は2010年代、中国の巨大な市場を狙って生産集中と依存を進めました。しかし米中対立の激化や新型コロナのサプライチェーン寸断で、大きな損害を被りました。チャイナリスクの要素には、規制強化や感染症、台湾問題、知財流出などがあります。
具体的な事例としては、2020年のアリババ規制ショックがあります。中国政府が、ソフトバンクの金融子会社Ant Groupの上場を直前で中止したのです。その結果、SoftBank Groupが保有するAlibaba Group株価が急落しました。このことで約5,000億ドル超(日本円換算で約70兆円規模)が消失し、ソフトバンクも数兆円規模の評価損を受けました。
3-1-3. 貴重な海洋資源が確認された南鳥島

南鳥島(みなみとりしま)は、東京都小笠原村に所属する小笠原諸島の島です。一般住民はおらず、海上自衛隊と国土交通省、気象庁の職員が常駐しています。2012年6月28日、東京大学の加藤泰浩ら研究チームは、付近の海底5,600メートルにて日本が消費する約230年分に相当するレアアースを発見したと発表しました。またジスプロシウムが、国内消費量の約400年分があるという推定がなされました。このジスプロシウムは、ハイブリッド車の電動機などに使われています。
3-2. 中東の戦火 イラン戦争の勃発
今国際社会を最も震撼させているのが、イラン戦争です。この戦争の大きな特徴は、AIを搭載した自律型ドローンによる大規模な群(スウォーム)攻撃です。また地下要塞を破壊する地中貫通爆弾バンカーバスターなどの最新兵器が投入されました。この中東情勢の緊迫化は、原油価格の高騰を招き、日本の円安インフレをさらに悪化させる要因となっています。
3-3. MAGAの猛威とエプスタイン文書

米国では、MAGAという政治運動が熱狂を帯びています。MAGAは「Make America Great Again」の略で、「アメリカを再び偉大な国に」という意味です。例えば赤い帽子やシャツにもプリントされ、保守系ポピュリズム運動の呼称となっています。これはアメリカの政治家が、過去にも使ってきた表現です。MAGAが注目される背景には、「エリートに対抗する国民の声」として支持があります。
またエプスタイン文書は、米国の政治エリートや大企業経営者への不信感を増幅させました。政財界のセレブリティの醜聞が記さており、社会の分断を加速させています。
4.【科学】再生可能エネルギーと医療革命最前線

4-1. 20240年には約3兆円市場に拡大する再生可能エネルギー市場
再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなど自然の力を利用し、枯渇せず繰り返し利用できるエネルギーです。2025年7月発表の富士経済の調査結果では、2040年度までに日本の再生可能エネルギー市場は約3兆円まで拡大すると予測されています。今後の展望のテーマとしては、蓄電池技術やスマートグリッド、脱炭素化推進、地域分散化エネルギーなどがあります。
4-1-1. シリコンと組み合わせフィルム状にできるペロブスカイト太陽電池
住宅の屋根からスマホまで、設置場所を選ばない夢の太陽電池として期待されているのが、ペロブスカイト太陽電池です。その一番の特徴は、薄く軽く曲げられ、フィルム状にできる点です。また変換効率は研究レベルで約27%に達し、シリコンに匹敵します。課題は、耐久性がまだ短く、量産技術がまだ発展途上の段階という点です。
YouTube動画『車の屋根からスマホまで 設置場所を選ばない“夢の太陽電池”「ペロブスカイト太陽電池」』では、「室内の明かりでも発電できる」利点が訴求されています。既に2025年の大阪・関西万博では、西ゲート交通ターミナルのバス停にある曲線状の屋根に、フィルム型のペロブスカイト太陽電池が使用されています。また2026年3月7日積水化学工業株式会社は、フィルム型ペロブスカイト太陽電池「SOLAFIL」の事業開始を発表しました。今後、更なる大手企業の参入も見込まれています。
4-2. iPS再生医療実用化が長寿社会と新産業へ
科学技術の分野において、2026年は歴史的な転換点です。その理由は、iPS再生医療実用化が一般的な治療の選択肢として病院の現場に普及し始めたからです。iPS細胞とは、人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem cells)の略称です。皮膚や血液などの体細胞に特定の遺伝子を導入することで、あらゆる組織や細胞に分化する能力(多能性)を持たせた細胞です。
4-2-1. 承認されたリハートとアムシェプリ
2026年3月6日、厚生労働省はiPS細胞を使った再生医療2製品の製造販売を条件・期限付きで承認しました。承認されたのは、大阪大学発のベンチャークオリプスが開発したリハートと、住友ファーマが開発したアムシェプリです。
リハートは、虚血性心筋症による重症心不全が対象です。他人のiPS細胞から作製した心筋細胞をシート状に培養し、新たな血管を形成します。そのためリハートは、従来の”薬を投与する”というよりは、”生きた医療要素を移植する”という形に近く、高度な手術が必要になります。一方アムシェプリは、脳内の神経細胞が減少して発症するパーキンソン病が対象です。価格は18瓶1組で約5,500万円です。再生医療等製品が高額な背景には、再生医療製品の製造工程は細胞培養から始まり、ドナー管理やGCTP、comparability、凍結保存、特殊物流など、製造負荷が高いことが挙げられます。
5.【スポーツ】巨大化するスポーツビジネス

巨大化するスポーツビジネスの裏側とブランド影響力が、今注目です。なぜスポーツビジネスが、ここまで巨大化しているのでしょうか。そこには、放映権の高騰や地上波からNETFLIXなどへの配信権の地殻変動が背景にあります。またスポーツ自体が、リアルタイムキラーコンテンツとしての価値が見直されている側面もあります。
代表的な事象が、大谷翔平がもたらしている異次元の経済効果です。なぜここまでスポンサーが集まり、実際どのような投資以上をリターンを生んでいるのでしょうか。ここでは、広告代理店の方必見のスポーツビジネスのメカニズムに迫ります。
5-1. ロサンゼルス・ドジャースと大谷翔平
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手は、その圧倒的なパフォーマンスによってスポーツの枠を超えた単独の経済圏を創出しています。例えば、日米の企業が大谷選手をCMやパートナーシップに起用するための広告費は跳ね上がっています。またドジャースタジアムの経済効果は、年間数千億円規模に達しています。スポーツを活用したグローバルマーケティングは、これまで以上に重要になっています。
6.【エンタメ・文化】各分野のブームを総チェック!
6-1. 【映画】2026年上半期はなんといっても「プラダを着た悪魔2」
6-1-1. 成長して帰ってきたアンディ

2006年大ヒットした『プラダを着た悪魔』の第2弾!前作はUS版『VOGUE』の編集長アナ・ウィンターのアシスタントだった経歴を持つローレン・ワイズバーガー著の同名原作をもとにした同作は、ミュージカル版も製作されました。その続編の『プラダを着た悪魔2』は、ディズニー制作で2026年5月1日(金)に公開。前作のアンディ(アン・ハサウェイ)は編集部のアシスタントでしたが、20年を経た今はリストラも経験しているキャリア女子です。今回は雑誌『ランウェイ』の業績アップのために奮闘します。
7. 2026年注目キーワードのまとめ
2026年の注目ビジネスワードを俯瞰すると、共通しているのは既存のルールの崩壊と、AI・地政学による強制的な再定義です。
自民党の圧倒的一強による政治の安定。その裏で進むチャイナリスクやイラン戦争といった国際的なボラティリティ。クロードやGemini、ChatGPTの進化がもたらすエンジニア失業やSaaSの死というITのパラダイムシフト。そして、円安インフレの中で求められる価格転嫁力と新たな資金調達。
今全ての経営者やビジネスパーソンに求められるのは、静観ではありません。リスクマネジメントを徹底し、AIや金融エコシステムをいち早く取り入れる適応力です。
本記事で解説したビジネスワードを、日々のビジネス戦略にぜひ役立ててください。


















