「着物に関わる仕事がしたい」ーそう考えた時に選択肢にあがるのが、着付け師という仕事です。実は着付け師は、正社員だけでなくパート業務委託など、様々な働き方ができます。
また着付け師は、一度身につけた技術を長く活かせるため、「一生できる仕事」といわれています。例えば成人式や卒業式、七五三、結婚式など、人生の節目となるイベントでは、着付けの需要が必ずあります。
そのため着付け師は、年齢を重ねても活躍できる職業です。経験を積むほど技術力や接客力が向上し、後進の指導や講師として活躍する道も広がります。着物文化が受け継がれる限り、着付け師の専門技術は必要とされ続けるため、長期的なキャリア形成が期待できる仕事といえるでしょう。
しかし「着付け師 求人」と検索すると、いろんな不安が湧いてくるのではないでしょうか。例えば「未経験からでも応募できるのか」「食べていけるのか」などの疑問があるかも知れません。
そこで本記事では、着付け師求人について、誰もが知りたいポイントを解説します。
Contents
1. 着付け師の仕事内容と20代・30代女性に人気の理由

1-1. 着付け師の主な仕事内容
着付け師の仕事は、単にお客様に和服を着せるだけではありません。お客様の体型や好みに合わせて、「美しく、苦しくなく、着崩れない」着付けを提供するプロフェッショナルです。
例えば成人式や卒業式は、振袖や袴の着付けを行います。毎年1月の第2月曜日の成人の日や、3月の上旬から下旬の卒業式シーズンは、年間で最も着付けの需要が高まる時期です。また結婚式の新郎新婦の和装や、七五三やお宮参り、観劇なども需要があります。
1-2. 20代・30代女性に選ばれている理由
現代の20代・30代女性の女性は、ライフスタイルに柔軟性を求めています。その結果、着付け師を目指す人が増えています。その主な理由は以下の3つです。
1-2-1. 年齢を重ねても「一生モノのスキル」として続けられる
一般的な専門職の中には、年齢とともに体力が厳しくなるものもあります。しかし着付け師は、経験を積めば積むほど、技術と信頼が高まります。例えば40代、50代になっても、現役で第一線で活躍する着付け師も珍しくありません。
1-2-2. 副業やフリーランスなど「自由な働き方」が選べる
副業やフリーランスの着付け師は、自由な働き方が選べるのも大きな魅力です。例えば「平日は会社員、土日は着付け師」という方がたくさんいらっしゃいます。また「平日の午前中だけパートで」といった働き方もできます。このように、結婚や出産、育児と両立しやすいのも着付け師の魅力です。
1-2-3. 日本の伝統文化を伝える「やりがい」がある
着付け師の仕事は、成人式や結婚式などお客様の人生の節目に深く関わります。そんなシーンでは、お客様から直接「ありがとう」と言って頂けることもよくあります。そのため、自己肯定感やモチベーションに繋がりやすい仕事といえます。
2. 【雇用形態】着付け師の働き方と給料のリアル
着付け師の求人を見る際、まず確認すべきなのが「雇用形態」です。着付け師は、働き方によって収入の仕組みや勤務体系が大きく異なります。
2-1. 正社員(安定志向向け)
ブライダルサロンや大手の呉服店、フォトスタジオなどに所属する働き方です。メリットとしては、毎月の収入が安定しており、社会保険の完備や、未経験向けの研修制度の充実があります。逆にデメリットとしては、土日祝日の休みが取りづらかったり、接客や事務などの着付け以外の業務が多い点があります。給料の目安としては、月給の目安は約20~30万円です。これは、役職や経験、技術手当によって変動します。
2-2. アルバイト・パート(育児・プライベート両立向け)
フォトスタジオの繁忙期や、土日の結婚式シーズンに合わせてシフト制で働くスタイルです。メリットとしては週1日や1日数時間という働き方ができ、家庭や本業とのバランスが取りやすい点があります。デメリットとしては、閑散期である夏場などはシフトが減り、収入が不安定になることがあります。時給の目安としては、1,100~1,800円です。これは、ご本人のスキルや地域によって異なります。
2-3. 業務委託・フリーランス

業務委託やフリーランスとして働く方が多いのも、着付け師という職業の特徴です。具体的には、ブライダルプロデュース会社や着付け派遣事務所、出張着付けマッチングサイトなどに登録し、1案件ごとに報酬を得る働き方です。
メリットとしては、スキルが上がるほど高単価を狙える点です。また働く日時を、完全に自分でコントロールできます。例えば繁忙期に思いっきり稼いで、オフシーズンには長期の海外旅行を楽しむライフスタイルも可能です。
ただそうなるためには、自分で案件を獲得できるようになる必要があります。一番の理想は、安定的に案件が来る「高単価のお客様」を獲得することです。それが実現すれば、自由な働き方が実現できます。経理的な業務としては、個人事業主として確定申告などの事務処理が発生します。
お給料の目安は、日給は15,000円~30,000円です。また1案件あたり、3,000円~10,000円になります。特に成人式の日は、1日で5万~8万円稼ぐ方もいます。
3. 未経験から「着付け師」の求人にアプローチする方法

「人に着せたことは一度もない」という方でも、着付け師の求人に応募することは十分に可能です。ここでは、着付け師未経験からプロになるための2つのルートをご紹介します。
3-1. ルートA:【未経験OK】の求人に応募して社内研修で学ぶ
最もお金がかからず早く現場に出れるのが、未経験OKの求人に応募し、OJTや社内研修で学ぶルートです。大手のフォトスタジオや振袖レンタルショップでは、「未経験者歓迎」「無料研修あり」の求人を多数出しています。
このルートのメリットとしては、お給料をもらいながら、実質無料でプロの技術を学べる点です。注意すべき点としては、簡易的な着付けのみを学ぶケースが多いことです。そのような場合、他人に着せる技術が求められる他装を学べるとは限りません。
ただし、接客技術を一から学べるのは貴重な経験です。お客様の接客方法と着付けの基本を習得する機会と捉えましょう。
3-2. ルートB:着付け教室に通って資格を取得してから求人を探す
事前に着付けの基礎をしっかりと固め、自信を持ってから就職活動をしたい方向けの王道ルートです。メリットとしては、着付けの歴史やTPOなどの体系的な知識と確かな技術が身に付きます。
単価の高い結婚式場やドレス・美容専門業者などのブライダル、フリーランスの求人に有利です。また目指すべき資格の例としては、国家資格の着付け技能士があります。これは1級と2級があり、保有していることで求人の選考で有利になることがあります。また手当がつきやすくなるメリットもあります。
4. 着付け師求人を探す際に見極めるべき「4つのチェックポイント」
求人サイトで「着付け師」と検索すると、魅力的なキャッチコピーが並んでいます。しかし中には「思っていた働き方と違った」と後悔してしまうケースもあります。そこでそうならないために、以下の4つのポイントを必ずチェックしましょう。
4-1. 「着付け専任」か「マルチタスク」か
求人名が「着付け師」であっても、実際の現場のお仕事は「受付事務」「写真撮影アシスタント」「ヘアメイク」業務が含まれることがあります。一番避けるべきは、無事採用されて現場に入った後に自分のイメージと異なる現実に直面することです。
そうならないためには、自分は「着付けだけに集中したい」のか、「ヘアメイクや接客も含めてトータルで関わりたい」のかを明確にしておきましょう。
4-2. 研修制度の有無と「研修中のお給料」
「未経験歓迎」を謳う求人案件では、研修期間中の条件を確認するようにしましょう。もし研修中は時給が発生しない場合、初月の手取りのお給料が想定よりもかなり低くなる可能性があります。
また「レッスンは勤務時間内に行われるのか」や「着物や小物は自分で買い揃える必要があるのか」などの条件も事前に確認しておきましょう。
4-3. 繁忙期と閑散期のギャップ
着付け業界には、繁忙期と閑散期があります。繁忙期は、七五三がある10月~11月、成人式がある1月、卒業式がある3月、そして結婚式が多い春と秋です。一方閑散期は、6~8月です。この梅雨や盛夏の時期は、着物を着る人が少なくなります。
例えばアルバイトや業務委託の場合、「年間を通じてどの程度の仕事量が担保されているか」を面接で確認することが重要です。
4-4. 交通費や早朝手当の支給
成人式や結婚式は、朝6時や7時といった早朝のスタートが基本です。そのため早朝手当(割増賃金)が支給されるかどうかは、必ず確認しましょう。また早朝すぎて始発の電車が動いていない場合、タクシー代は支給されるかどうかも重要なポイントです。これらは求人票の細かい文字の部分、あるいは面接時に必ず確認すべきポイントです。
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Wikipediaにも掲載されている着付け師・杉山幸恵。彼女が35年の歳月をかけて創り上げた黄金バランスによる着付けの理論と実践を、動画でご覧になって頂けます。着付け師を目指している方は必見の内容ですので、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。動画の閲覧はこちらからお願いします。
5. 【必見】着付け師に向いている人・向いていない人の特徴
長く楽しく着付け師を続けるためには、ご自身の適性と照らし合わせることも大切です。ぜひ参考にしてみてください。
5-1. 着付けという仕事に向いている人の特徴
着付けという仕事は、帯の結び方やおはしょりの処理など、数ミリ単位の調整が美しさを左右します。そういった手先を動かす細かい作業が好きな人は、向いているといえます。また成人式や結婚式などでは、緊張しているお客様の緊張をほぐし、特別な一日を演出するコミュニケーション力が求められます。笑顔で健やかな会話ができる人も、着付け師の適正があるといえるでしょう。
着付け師は基本的に立ち仕事です。例えばお客様の体を支えたり、中腰の姿勢を維持したりするため、見た目以上にスポーツライクな一面があります。そのため、体力に自信がある人も向いているといえます。
5-2. 着付けという仕事に向いていない人の特徴
着付け師は、お客様の体型や着物の素材によって、着付けの仕方を柔軟に変える必要があります。そのため、ルーティンワークだけをこなしたい方は、向いていないかも知れません。またイベントやセレモニーは土日祝日に集中するため、週末に働けない場合は案件数が著しく限られてしまう可能性があります。
6. 先輩着付け師に聞く!よくある疑問・Q&A
ここでは、20代・30代で着付け師を目指す方が、一歩踏み出す前に抱きがちなリアルな疑問に回答します。
6-1. Q1. 手荒れやネイルがあっても着付け師になれますか?
6-1-1. A. 基本的には「ナチュラルネイル(またはネイル不可)」が原則です。
着付けでは、正絹の着物など繊細な高級絹織物を扱います。例えば爪が長かったり、パーツがついたネイルをしていたりすると、着物の生地に引っかかって傷をつけてしまうリスクがあります。また手荒れに関しても、ささくれが生地を痛めないよう、業務前にハンドクリーム等での徹底したケアや、場合によっては薄手の白手袋を着用して対応します。
6-2. Q2. 自分の着物を持っていなくても応募できますか?
6-1-2. A. はい、持っていなくても問題ありません。
フォトスタジオやレンタルショップなどの多くの職場では、練習用の着物や小物が用意されています。フリーランスとして独立する段階になれば、自分の練習用・デモ用の着物一式が必要になることもありますが、最初の求人応募の段階で自分の着物は必須ではありません。
6-3. Q3. ヘアメイクも一緒にできないと求人に採用されにくいですか?
6-1-3. A. 「着付け+ヘアメイク」の両方ができると、求人の選択肢は一気に広がり、報酬単価も上がります。
しかし、ヘアメイクは決して必須ではありません。「着付け専門」として、技術を極めているプロもたくさんいます。もしあなたが20代・30代で、これから市場価値を高めたいと考えているなら、まずは着付けをマスターし、その後に簡単なヘアセットのスキルを学ぶと、出張着付けなどで非常に重宝される人材になれます。
7. まとめ
着付け師は、日本の素晴らしい文化を次世代に繋ぎながら、結婚や出産、年齢に左右されずに、長く続けられる職業です。
20代・30代の今からスタートすれば、40代を迎える頃には「地域で頼られるベテラン着付け師」として、確固たるキャリアを築くことができます。
まずは求人サイトで「未経験歓迎」「週1日〜OK」「研修あり」といった、自分に無理のない条件から検索してみることから始めましょう。あなた自身の手で、誰かの特別な一日を美しく彩る一歩を、ぜひ踏み出してください。












