企画書とは、現状を分析した上で、提案先にメリットがあるような実行可能なプランを記した文書のことです。
「明日の朝までに、今回の企画書作成しておいて!」「来週のコンペ用のプレゼン資料、宜しく頼むぞ」⁻ビジネスの現場では、そんなシーンが頻繁にあります。
その対象範囲は、新規のプロジェクトからプロモーション、採用戦略、経営計画まで、広範囲に渡ります。ITが普及し、企画書の形も時代の変化に合わせて変化しています。最近では、提案プランを裏付けする各種根拠となるデータや緻密な実行計画といった要素が重視される傾向があります。
このコーナーでは、短時間で一定のクオリティを実現した企画書の書き方のポイントと関連コンテンツを紹介します。
【目次】
1. 企画書作成のポイントとは
1‐1. 表紙にはプラン採用のメリットを入れる
1‐2. 各ページのいいたいことがすぐわかるように
1‐3. 企画コンセプトを明確に
1‐4. ターゲット像の設定
1‐5. アプローチをわかりやすく
1‐6. 信頼できる裏付け資料を入れる
1‐7. 成功シミュレーションを入れる
2. 企画書の構成
2‐1. 現状の分析
2‐2. 企画概要
2‐3. 目的
2‐4. プロセス
2‐5. 費用(コスト)
2‐6. スケジュール
2‐7. 成功イメージ
2‐8. 運営体制
3. 企画書デザインの流れ
3‐1. 表紙デザイン
3‐2. 中面ページデザイン
3‐3. その他のページデザイン
4. プレゼンのポイント
5.まとめ
1. 企画書作成のポイントとは
1-1. 表紙にプラン採用のメリットを入れる
企画書の表紙は、一番重要な要素の一つです。企画書を手に取った人が、「この企画は面白そうだ」「この提案は我が社にとって、大きなメリットがある」といった感情を抱いてもらえるかどうかのスタート地点が表紙です。
可能であれば、企画を採用した後のメリットを数字データで表紙に入れるとより説得力を持ちます。良い企画書とは、「企画を気に入る」「企画を気に入らない」といった感情で採否が決まるものではなく、経済的合理性に基づいた必然性を証明できるものです。
1-2. 各ページのいいたいことがすぐわかるように
企画書の提案内容を最終的に決済する人物は、多くの場合社長や役員、管理職といった忙しいビジネスマンです。そういった優秀なビジネスマンは、短時間で多くの決定事項を処理していきます。
そういった相手が、提出した企画書の全てのページに目を通すとは限りません。そのため企画書の各ページのタイトルを流し読みをするだけで、企画全体の骨子がわかるようにしておきましょう。50ページを超える企画書では、表紙の次のページに目次ページを入れると、素早く提案内容の全体像を理解してもらえます。
1-3. 企画のコンセプトを明確に
企画のコンセプトとは、企画の切り口や発想部分です。企画の枠組みともいいます。企画書でコンセプトを設定するメリットは、企画全体に芯が生まれ、ブレないようになります。
例えば、「ニューヨークで働く独身男性がコンセプトの香水」といった感じです。この場合、“ニューヨークで働く独身男性”が切り口=コンセプトになります。
1-4. ターゲット像の設定
ターゲットの設定とは、「この企画は、どんな人々に向けたものなのか」ということです。マーケティング用語としては、セグメンテーションと表記されることもあります。
現代のマーケティングでは各種デジタルビックデータを活用して行われるので、「住所」「出身地」「性別」「年齢」「趣味」といった市場を細分化したセグメンテーションの方が、より効果イメージが伝わります。セグメンテーションには、仕事関係などの「関係性差別化」、地域別の「地域差別化」、業種ごとの「業種差別化」などがあります。
1-5. アプローチをわかりやすく
相手にとってメリットが生まれる企画を、どのように実行するのかをわかりやすく紙面に落とし込む必要があります。アプローチにおて、必要になってくるのは企画を実現するためのリソースです。
リソースとは、よくいわれる「ヒト、モノ、カネ」やメディアなどです。特に近年の企画提案には、SNSやクラウドといったIT技術に関する知識が欠かせなくなってきています。
1-6. 信頼できる裏付け資料を入れる
企画の実現可能性と効果イメージを担保するには、信頼できる裏付け資料が必要です。官公庁が発表している各種統計データ、コンサルティング企業が公開している業界動向など、市場の動向などを示す資料があると、企画の説得力が変わってきます。
1-7. 成功シミュレーションを入れる
企画を実施した後、効果数字が時系列でどんなトレンドを示すのかは、受け手が一番気になる情報です。ただの楽観的予想シミュレーションではなく、類似成功イメージも付記することで、リアリティが増します。
2. 企画書の構成
2-1. 現状の分析
まず最初に、提案先の現状を分析します。企画書では提案内容が注目されがちですが、実はこの現状分析が非常に重要です。客観的な事実から提案先の課題を抽出することで、今回の企画提案の必要性を浮き彫りにするからです。
客観的な事実を事前に収集する手法としては、事前インタビュー、車内資料の収集(広報パンフレット、営業資料他)、IR資料、官公庁が発表している統計データや業界動向、業界専門誌などがあります。
2-2. 企画概要
現状分析から導きだされる課題に対しての解決策を、企画に落とし込んだものです。現代の企画にはIT技術が欠かせないので、常日頃から最新のIT動向について見識を磨いておく必要があります。
2-3. 目的
提案する企画を実行した時に得られるメリットを、わかりやすく説明します。ここでは直接的なメリットだけでなく、副産物的なメリットも記しておくと提案内容が更に魅力的に見えます。
2-4. プロセス
提案する企画の具体的なフローを記します。どんな順番でどんなアクションを起こし、どんな現象を作っていくのかを記します。フローの下に類似例の写真を挿入しておくと、受け手はよりイメージしやすくなります。
2-5. 費用(コスト)
今回の企画提案を実現するためにかかるお金です。項目ごとに詳細に記すことができると提案内容にリアリティがあり、よりインパクトが強くなります。
2-6. スケジュール
今回の企画提案を実現するための、行動計画です。左から右に時系列に、またアクション項目ごとに記すと役割分担が明確になります。
2-7. 成功イメージ
企画を実施した後、どのようなメリットを享受できるのかを記します。できるだけ具体的な数字とその根拠を記します。またここで提示する数字は、企画提案を実施するためのコストに見合うものである必要があります。
2-8. 運営体制
どんな人員体制で、それぞれがどんな役割を持って実行するのかを記した役割を明記した組織図です。大きなプロジェクトになると、指揮命令系統と責任の所在を明確にした組織体制図も兼ねることもあります。
3. 企画書デザインの流れ
企画書をいきなり書こうと思っても、それまでに企画書を書いた経験がなかったり、完成させるまでの時間があまりなかったりすると気持ちの余裕もなくなりがちです。結論から申し上げると、短時間で一定レベルの企画書を完成させるためには、既にある企画書の真似をすることがベストです。ここでは、すぐに実践できそうな企画書デザインのポイントについて、解説していきます。
3-1. 表紙デザイン
企画書の表紙は、いわば企画書の“顔”です。ある意味、一番重要なページかも知れません。企画書の表紙デザインには、以下の要素を入れる必要があります。
・メインタイトル
・サブタイトル
・日付
・提案先企業名
・提案企業名
3-2. 中面ページデザイン
3-3. その他のページデザイン
4. プレゼンのポイント
5. まとめ