RFPとは?提案依頼書を作成するメリットや記入項目を解説します

RFP(Request For Proposal)とは、提案依頼書のことです。

「これから新たなシステムを検討したい」「現存のシステムを全面リニューアルしたい」といった際に、発注企業の情報システム担当者が、SIer(エスアイヤー=システム開発から保守運営まで全てやってくれる企業/例.Oracle、Cisco、NTTデータ、日立製作所など)やITベンダー(IT製品やITサービスを提供している企業/例.富士通、NEC、トレンドマイクロなど)に、自社システムの必要要件や実装機能を明示した書類です。

RFPはシステム開発プロジェクトの指針かつ全体像になる資料ですので、発注時には必ず準備すべきです。

そのRFPについて、具体的メリットや記載項目、運用について解説します。

 

【目次】
1. RFPとは
2. RFPの意義とは
3. RFPのメリットとは
3‐1. システム導入概要の明確化
3‐2. 社内コンセンサスの効率化
3‐3. 募集強化とレベルアップ
3‐4. 募集提案の統一評価基準
3‐5. トラブル防止効果
4. RFP作成前に準備すべきこと
5. RFPに入れる項目
5‐1. システムの目的
5‐2. 現状の課題
5‐3. 目標
5‐4. 予算
5‐5. スケジュール
5.6. 現行システム概要
6.まとめ

 

1. RFPとは

RFPとは、「Request Ror Proposal」の略で、提案依頼書のことです。

IT用語辞典e-Wordsには、「RFPとは、情報システムの導入や業務委託を行うにあたり、発注先候補の事業者に具体的な提案を依頼する文書。システムの目的や概要、要件や制約条件などが記述されている。」と記されています。

わかりやすくいうと、クライアントが委託業者に対して、システム開発や委託業務に関する条件や気をつけるべき項目を明記した依頼文書です。「こういった内容で、こういう条件を満たしたシステムの構築をお願いします」という文書です。

 

2. RFPの意義とは

RFPには、どんな意義があるのでしょうか。結論から申し上げると、RFPを準備することで“開発プロジェクトが、スケジュール通りに、想定予算内で、期待したクオリティを実現できる”のです。

システムの要件定義としてのRFPをきちんと準備し、SIerやベンダー各社に対して提案募集段階で広報することによって、統一したイメージが共有され、プロジェクトがスムーズに進行することが一般財団法人日本情報システム・ユーザー協会の資料からわかります。

 

3. RFPのメリットとは

RFPは、システム開発業務上のコミュニケーションの精度を上げ、その結果、仕事のクオリティと生産性も上げるという大きなメリットがあります。それぞれを、詳しく解説していきます。

3‐1. システム導入概要の明確化

次項で記入項目は詳しく扱いますが、発注主のシステムや委託業務に関する要望項目が詳細に盛り込まれているのがRFPです。文書に記載することで説明の労力が省略でき、一度に複数のベンダーといわれるシステム開発会社と共有できます。

3‐2. 社内コンセンサスの効率化

企業で案件を動かす場合、社内で稟議という承認プロセスがあります。係長や課長、部長といった管理職に、「今回のシステムは、こういった目的で、こういう機能を装備して、いくらで、いつまでに作りたいのですが」という内容をわかりやすく説明する機能を持つのがRFPなのです。

3‐3. 募集強化とレベルアップ

RFPを作成することで、一度に大量のベンダーに広報することができます。またRFPの内容は作りたいシステムや委託業務の要件定義の機能を果たすので、提案依頼を受けた会社が項目ごとに努力した提案をするようになり、アウトプットのレベルが向上できるというメリットがあります。

3‐4. 募集提案の統一評価基準

RFPは依頼する業務の条件が記されているので、それらをどれぐらい満たしているかというベンダーの評価基準の機能も果たすメリットがあります。親切なRFPには、発注主が重視すべき項目とその理由を明記しているものもあります。

3‐5. トラブル防止効果

一般的に口頭だけでの説明では、どうしても勘違いや誤解が生まれる可能性があります。RFPを作成することで、そういったリスクをある程度回避できるというメリットがあります。

 

4. RFP作成前に準備すべきこと

RFPを作成するということは、一つのプロジェクトがスタートすることを意味します。ここで社内の意思統一がしっかりなされることが、その後のプロジェクト運営の成否の大きな鍵になります。RFP作成前に準備すべきポイントを、以下に記します。

【RFP作成前に準備すべきこと】
・RFP作成チームは、どこか主体でやるのか、メンバー選考などの体制を作る
・主体になる部署の中核人物がプロジェクトオーナーになるのが望ましい
・プロジェクトオーナーがプロジェクトマネージャ(PM)を選任し、メンバーを配置する
・プロジェクトオーナーが、会議を設定する
・システム構築の背景や目的などを取りまとめる
・業務要求や技術要求、運用要求を洗い出し、取りまとめる
・システムの規模やコスト、スケジュールをシミュレーションする

 

5. RFPに入れる項目

案件によって当然中身は変動しますが、代表的なRFPに入れる項目例を以下に記します。

5‐1. 全体像

・開発の背景
・開発の目的
・目標
・予算
・ターゲット
・スケジュール

5‐2.提案要件

・提案の範囲
・納品成果物
・開発手法
・機能要件
・運用・保守要件
・貴社&当社の体制

5‐3. その他

・検討事項
・リスク次項

 

6. まとめ

RFPは、システム開発や委託業務をスムーズに進めるための最上流工程であり、プロジェクトの“仕切り”的存在です。

RFPを作成する準備段階においては全体設計と体制作りがなされるので、その本質はルール作りであり、かつ体制構築でもあります。

日本のシステム開発の大きな課題の一つはitゼネコンに代表されるヒエラルキー構造であり、パワーバランスによる仕事のブラック化です。

誰に権限と責任があり、望む要件とスケジュールを明確にしRFPとして文書化することは、お互いが気持ちよく働くためのプラットフォームになるという大きなメリットがあります。