A.T.カーニー作成!商標、著作権など知的財産権バトルに対応するには

今回の企画書は、A.T.カーニーの作成です。

テーマは、日本のコア産業の一つであるコンテンツの知的財産権対応に関するものです。商標や著作権についての知見がつく、すぐにビジネスに役立つ情報が詰まっている企画書です。

 

【目次】
1. 今回の企画書の特徴
2.『平成26年度知的財産権ワーキング・グループ等侵害対策強化事業』から学ぶ
3.表紙
4.目次
5.調査プロジェクトの概要
6.要旨
7.海外における日本由来コンテンツの市場シェアの推定
8.コンテンツの海外展開における課題の抽出(ライツを中心に)
9.全体の総括

 

1. 今回の企画書の特徴

今回の企画書は、コンテンツの知的財産戦略について記載されています。ポイントとなるキーワードを、以下に記します。

・コンテンツ産業の発展には、知的財産の効率的な管理と活用が不可欠
・現状は小規模事業主が多く、海外展開を躊躇する一因となっている
・海外コンテンツ市場の規模は約65兆円、2020年には約89兆円に達すると推定
・海外コンテンツ市場における日本由来分は、1.6兆円
・シェアが高いのは、マンガ、アニメ、ゲーム、キャラクター物販
・コンテンツが国内に最適化されている
・海外展開の権利処理は劣後されている
・海外展開しても、交渉パワーが不足
・海外展開しても、ライセンシ・エージェントに丸投げのケースが多い

 

2. 『平成26年度知的財産権ワーキング・グループ等侵害対策強化事業(コンテンツ分野における商標権、著作権等の管理・活用に関する実態調査)』から学ぶ

では、A.T.カーニーが作成した企画書を以下具体的に見ていきましょう。

3. 表紙

要旨(1/4):海外における日本由来コンテンツの市場シェアの推定

◆海外のコンテンツ市場の規模は現在は5,500億米ドル(約65兆円)であり、2020年には7,580億米ドル(約89兆円)に達すると推定される

・海外のコンテンツ市場は、映画570億米ドル、放送3,850億米ドル、アニメ170億米ドル、マンガ60億米ドル、音楽150~200億米ドル、ゲーム520~620億米ドル、キャラクター物販110億米ドルから構成され、合計で約5,500億米ドルと推定される

・このまま拡大が続くと、2020年にはアジアを中心に成長し、約7,580億米ドルに達すると推定される

◆海外のコンテンツ市場の規模のうち、日本由来コンテンツは、マンガ、アニメ、ゲーム、キャラクター物販などの広義のキャラクタービジネスでは高いシェアを獲得しているが、それら合計でも2.5%にあたる138億米ドル(1.6兆円)に留まっている

・ジャンル別では、日本由来コンテンツの海外でのシェアが高いのは、マンガ(規模15億米ドル:シェア24%、以下同じ) 、アニメ(2億米ドル:1%)、ゲーム(110億米ドル:19%) 、キャラクター物販(9億米ドル:8%) である

・一方で、海外でのシェアが低いのは、放送(1億米ドル未満:0.1%未満 )、映画(1億米ドル未満:0.1%) 、音楽( 1億米ドル未満:0.1%) である

・それら日本由来コンテンツの合計の海外市場でのシェアは、2.5%に留まっている

◆日本由来コンテンツの総売上のうち、それら広義のキャラクタービジネスの売上で全体の9割強を占め、そのように先発的に海外でプレゼンスを築いているコンテンツのうち、特にゲームの占める割合が突出して大きい

・日本由来コンテンツの総売上138億米ドルに占める割合は、放送1%未満、映画1%未満、音楽1%未満 、マンガ11% 、アニメ2%、ゲーム80%、キャラクター物販7%であり、ゲームが突出しているのが特徴である

◆これらを踏まえると、日本のコンテンツの海外展開は、コンテンツ業界の中でもジャンルによってその進展度合いに差があり、特に規模の観点では、現状は日本のコンテンツ産業のプレゼンスはキャラクタービジネスに大きく依存している

要旨(2/4):コンテンツの海外展開における課題の抽出(ライツ中心)

◆国内外のインタビューおよびアンケートを通じて、海外展開における知的財産の管理および活用に係る日本のコンテンツ産業の課題として、四つの典型課題が確認された

【典型課題Ⅰ:コンテンツがそもそも国内に最適化されている】
日本市場に合わせてコンテンツ(キャラクター)を企画し、国内のみの体制で製作することで、海外展開するには必ずしもは適さないコンテンツとなり、結果、コンテンツの収益目標も国内分のみが設定されがちである

【典型課題Ⅱ:海外展開の権利処理は劣後されている】
コンテンツが日本市場に最適化しているため、そもそも海外展開のための権利処理は劣後しがちであり、いざ権利処理をしようとしても権利保有者の分散がボトルネックとなり遅々として進まない。権利処理のための体制やノウハウも改善の余地が残る

【典型課題Ⅲ:海外展開しても交渉パワーが不足している】
更に手間をかけて権利処理をしたとしても、海外との交渉体制が貧弱なため、海外からの散発的な買い付けや国内外の見本市に依存する商談になりがちで、日本企業の交渉力は弱い

【典型課題Ⅳ:海外展開先のコントロールができていない】
海外展開が決まっても、ライセンシー・エージェントに丸投げのケースが多いが、その管理に手間と資金がかかるため、コントロールが不十分な状況に陥りがち。特に海賊版対策が進んでおらず、正規版の流通が相当量妨げられている可能性が高い

◆但し、海外展開が進んでいるゲームなどの企業が抱える課題と、海外展開が途上である放送などの企業が抱える課題の所在は異なり、今後は、それらを区別した施策検討の官民での議論が求められる

・放送、映画、音楽などでは上記「典型課題Ⅰ」など、国内での活動にボトルネックとなる課題が存在し、一方で、ゲームやキャラクター物販などの広義のキャラクタービジネスの多くでは、海外現地での販売など海外での活動に課題が存在している

・コンテンツ産業の海外展開を進展させるための官民での議論では、それらを区別し、その優先順位付けをした議論が求められる

要旨(4/4):今後求められる課題の検討の方向性(2/2)

◆更には、世界的なクリエイティブ人材の集積競争に打ち勝つために、中長期的での戦略としては、特に製作部分で国内に人材が集積する仕掛けをつくることが考え得る

・日本は、特に強みのあるゲーム等のジャンルにおいて、その製作人材や企業が海外に流出して“空洞化”することのないよう、製作が国内外から日本に集積する仕掛けづくりが求められる

要旨(3/4):今後求められる課題の検討の方向性(1/2)

◆日本のコンテンツ産業の海外展開を進めるためには、国内外での各課題について、個別の施策を官民を挙げて検討していくことが求められる

・民間では、例えば、海外を見据えたコンテンツづくりや、製作委員会方式と単独製作の使い分けなど、ジャンルや個社ごとに顕在化してきている課題への検討が求められる

・また、政府では、例えば、海外展開が進んでいるコンテンツ企業からはその有効性を指摘されているローカライズについての補助金支援の拡大など、施策の積み上げの検討が求められる

・さらに、日本コンテンツ産業の海外展開を進めていくと同時に、海賊版対策、正規版流通促進等の取り組みも併せて実施していく

◆また、日本全体としては、キャラクタービジネスなどの海外でプレゼンスを築いている幾つかの先発コンテンツ・ジャンルを核とし、そこからの波及効果でコンテンツ産業全体を押し上げ、更にはインバウンドに繋げていく戦略が考え得る

・一部の他国では、特定ジャンルのコンテンツの海外展開を戦略的に優先的に支援し、その海外展開による他のコンテンツ・ジャンルや他産業(インバウンド等)への波及効果を生み出す政策を戦略的に採っている

・日本においては、例えば、キャラクタービジネス(アニメ、マンガ、ゲーム、キャラクター物販)など海外展開する先発コンテンツ・ジャンルや、それらの先発コンテンツのバンドリングなどの協業を戦略的に支援し、それによるプレゼンスの確立(総じた日本コンテンツへの関心の醸成)から、現状は国内を優先しているコンテンツ企業の海外展開につなげていくことが考えられる

・また、それらによって、日本のコンテンツの全面展開により、コンテンツ産業の拡大に留まらず、日本やその文化への関心を拡大し、インバウンド(来日外国人数)の増大に繋げていくことも狙う

小括
◆海外のコンテンツ市場の規模は現在は5,500億米ドル(約65兆円)であり、2020年には7,580億米ドル(約89兆円)に達すると推定される
・海外のコンテンツ市場は、映画570億米ドル、放送3,850億米ドル、アニメ170億米ドル、マンガ60億米ドル、音楽150~200億米ドル、ゲーム520~620億米ドル、キャラクター物販110億米ドルから構成され、合計で約5,500億米ドルと推定される
・このまま拡大が続くと、2020年にはアジアを中心に成長し、約7,580億米ドルに達すると推定される

◆海外のコンテンツ市場の規模のうち、日本由来コンテンツは、マンガ、アニメ、ゲーム、キャラクター物販などの広義のキャラクタービジネスでは高いシェアを獲得しているが、それら合計でも2.5%にあたる138億米ドル(1.6兆円)に留まっている
・ジャンル別では、日本由来コンテンツの海外でのシェアが高いのは、マンガ(規模15億米ドル:シェア24%、以下同じ) 、アニメ(2億米ドル:1%)、ゲーム(110億米ドル:19%) 、キャラクター物販(9億米ドル:8%) である
・一方で、海外でのシェアが低いのは、放送(1億米ドル未満:0.1%未満 )、映画(1億米ドル未満:0.1%) 、音楽( 1億米ドル未満:0.1%) である
・それら日本由来コンテンツの合計の海外市場でのシェアは、2.5%に留まっている

◆日本由来コンテンツの総売上のうち、それら広義のキャラクタービジネスの売上で全体の9割強を占め、そのように先発的に海外でプレゼンスを築いているコンテンツのうち、特にゲームの占める割合が突出して大きい
・日本由来コンテンツの総売上138億米ドルに占める割合は、放送1%未満、映画1%未満、音楽1%未満 、マンガ11% 、アニメ2%、ゲーム80%、キャラクター物販7%であり、ゲームが突出しているのが特徴である

◆これらを踏まえると、日本のコンテンツの海外展開は、コンテンツ業界の中でもジャンルによってその進展度合いに差があり、特に規模の観点では、現状は日本のコンテンツ産業のプレゼンスはキャラクタービジネスに大きく依存している

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