日本のモノ作りは部品屋で終わる?サービスで稼ぐ転換のヒントとは

自動車やテレビ、電子部品など、かつて日本の独壇場だった“モノ作り立国日本”の地位が揺らいでいます。コスト面で競争力のある中国や台湾、インド、東南アジア諸国の追い上げで、シェアは縮小トレンドを示しています。

省エネや環境技術など日本の優位性がある技術分野に注力する以外に、“モノ作りのサービス化”による付加価値サービスの重要性が増しています。

そのテーマについて、非常に示唆に富むのが今回の企画書です。

 

いかにサービスで収益を上げられるか、構造転換が迫られている

◆サブスクリプションと永久ライセンスの違い

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【目次】
序章:日本のものづくり企業を取り巻く環境
日本のものづくり企業の課題と目指すべき方向性
本年度「ものづくり白書」(第1章第3節)の主なテーマ
1.我が国ビジネスモデルの特徴と今後の展開
2.世界的課題の解決や新規分野におけるルール形成
3.人材育成と中小企業のデジタル化
二次利用未承諾リスト

 

1. 今回の企画書の特徴

今回の企画書は、戦後の経済成長を支えてきた日本のものづくりの方向性についてあるべき姿が描かれています。ポイントとなるキーワードを、以下に記します。

・グローバライゼーションへの反動
・デジタライゼーションの加速
・ソーシャルライゼーションの進展
・ステークホルダーの繋がり
・原価ベースからサービスベースへ価格設定変革
・新規分野のルールメイキング
・オープンイノベーションが起こりにくい環境
・技術の継承と人材のデジタル化
・バリューチェーンからエコシステムへ
・プラットフォーマー企業の台頭
・顧客接点の強化
・サブスクりプション課金モデル
・クラウド化
・モジュール化

 

2. デロイトトーマツコンサルティング合同会社が作成した『2019年ものづくり白書 第3節 調査報告書』から学ぶ

では、デロイトトーマツコンサルティング合同会社が作成した企画書を以下具体的に見ていきましょう。

表紙

序章:日本のものづくり企業を取り巻く環境

日本のものづくり企業を取り巻く環境には、「グローバライゼーションへの反動」、「デジタライゼーションの加速」、「ソーシャル化の進展」の潮流がある。これらを踏まえつつ、「ものづくり企業を取り巻く競争環境」・「日本企業の強み・弱み」を理解した上で戦い方を検討する

◆3つの潮流に対し、日本企業の対応は周回遅れの状況

【グローバライゼーションへの反動】
グローバライゼーションが進む中、ヒトやモノの流れの制限を志向する動きが表面化している。(フラグメンテーション)

【デジタライゼーションの加速】
国・地域や産業を越えてデータの繋がりが累乗的に増えている。国際社会の様々なステークホルダー(国・地域・企業・消費者・NPO等)が繋がりを深めている。

【ソーシャルライゼーションの進展】
国際社会が共通して直面する地球レベルでの社会課題が深刻さを増す中で、その解決に向けた取り組みが各種ステークホルダーに強く求められている。

◆ものづくり企業を取り巻く競争環境
◆日本企業固有の強み・弱み
◆日本ものづくり企業の戦い方(仮説)

日本のものづくり企業の課題と目指すべき方向性

ものづくり産業の振興を考える上では、『ものづくりの中核である「モノ」』『社会の「ルール」』『ものづくり産業を下支えする「組織・人材」』の要素を検討する必要がある。

【強みを生かす「ビジネスモデル」】
◇課題
・モノの品質・技術力は高いが、データを活用したエコシステムの構築やサービス化に出遅れている
・買い手に対し弱腰で、負け癖がついている(積み上げベースでの価格設定)
◇方向性
・上流・下流工程(スマイルカーブの両端)を強化し、付加価値を向上
・我が国製造業にしか提供できない部品・技術を提供し、世界中の製品と補完関係を構築
・原価ベースからサービスベースの価格設定へ変革

【社会の「ルール」】
◇課題
・世界的課題に取り組んではいるものの、CSRの一環に留まっており、ビジネス展開が不十分
・チャンスをつかむための環境づくりとしての標準化活動にて、他国と比べて民間ベースでの動きが弱い
◇方向性
・社会的課題に目を向け、日本の強みを活かした事業を展開し、新たなビジネスチャンスを掴む
・標準化の動きはドイツに倣い、企業から積極的に標準化を行っていく
・新規分野のルールメイキングを早期から検討

【ものづくり産業を下支えする「組織・人材」】
◇課題
・人材不足が深刻。労働人口の減少を見据え、熟練工の技術継承が必要
・縦割り構造が下人で、組織間の連携が促進されず、オープンイノベーションが起こりにくい環境
・デジタル化へのハードルが高く、人材育成が進まない
◇方向性
・暗黙知のデジタル化により旧来から我が国の強みである技術の継承と、人材のデジタル化の双方を実現
・組織内外での共創を促し、オープンイノベーションを誘発する組織マネジメント
・行政の中小企業支援策を活用し、デジタル化を実現

本年度「ものづくり白書」(第1章第3節)の主なテーマ

本年度「ものづくり白書」の主なテーマ毎に、特に関連する潮流・ 「ものづくり企業を取り巻く競争環境」・「日本企業の強み・弱み」を考慮し、日本ものづくり企業の戦い方の仮説出しを行った。

【本年度「ものづくり白書」の主なテーマ】
1. 我が国ビジネスモデルの特徴と今後の展開課題
(1)バリューチェーンからエコシステムへ
(2)製品・サービスを通じた変革
(3)生産製造工程を通じた変革
2. 世界的課題の解決や新規分野におけるルール形成
(1)我が国企業に求められる社会的課題解決に向けた取組
(2)我が国製造業における国際標準化活動
(3)新規分野におけるルールメイキング
3. 人材育成と中小企業のデジタル化
(1)我が国製造業における人材育成・獲得を巡る課題と今後の対応
(2)ビジネスモデル転換のための組織マネジメント変革
(3)中小企業のデジタル化とその支援

1. 我が国ビジネスモデルの特徴と今後の展開

1. 我が国ビジネスモデルの特徴と今後の展開/(1)バリューチェーンからエコシステムへ

全世界的に、プラットフォーマーをはじめ異業種から製造業への参入が製造業の業界を大きく変化させている。このような中、自社の強みが最大限に活きるビジネスモデルを俯瞰的な視点で考える必要がある。スマイルカーブにおける左端の「モノ」を企画・設計する工程及び右端の「モノ」の利用に係るサービスを提供する工程において付加価値が高まっており、上流・下流工程(即ち顧客接点)を強化すべき。

①我が国製造業におけるビジネスモデルの現状

【戦い方/上流・下流工程を強化し付加価値向上】
・スマイルカーブの概要/IT・ハイテク企業を中心としたプラットフォーマー企業が台頭し、生産工程のみでの展開では付加価値を出しにくくなっている

・上流と下流を強化(=顧客接点を強化)し、デザイン思考や「モノ+α」の考え方で個別顧客に訴求していくビジネスモデルを構築すべき

【戦い方/顧客接点と共にデータ利活用を強化】
<成功要因>
◇顧客接点を強化しニーズを把握
顧客接点よりニーズを把握し、社会実装ニーズから新たなビジネスモデルを検討
◇データの蓄積利活用
これまでにない質と量の顧客データを蓄積し、パートナー企業ともデータを利活用
◇プラットフォーマーになり連携強化
データ利活用のプラットフォームを形成し、PF同士も連携することで補完関係を築く

1. 我が国ビジネスモデルの特徴と今後の展開/(2)製品・サービスを通じた変革

前頁において、スマイルカーブの両端を強化すべきとしたが、スマイルカーブの中間部分である我が国ものづくり企業の部素材における技術力や「モノ」品質は、依然世界トップの地位を占めている。部素材を通じ、グローバル企業の競争優位性を創出することで、これらの企業に対しても交渉力を実現できる。スマイルカーブの両端を強化し、サービス化を前提にしたものづくりを行うことで顧客体験の最大化を実施。

①製品(モノ)を通じたビジネスモデル変革
【戦い方/部素材の技術力で顧客企業の優位性を創出】
・「ハードウェア」「ソフトウェア」「プロセス」「現場」の先端的な取組を掛け合わせ希少価値化を行うことで、高い交渉力を実現
・戦う領域を定めれば、企業規模の大小を問わず世界で勝ち残る
・多くの日本ものづくり企業が近年グローバル展開に踏み込む

②製品(モノ)だけでなくサービスの提供を通じたビジネスモデルの変革
【戦い方/サービス化を前提にしたものづくりを行うべき】
◇サービス化の分類
◇スマイルカーブの両端の強化
「顧客体験の最大化」を目指すべきゴールとして意識することで、顧客の満足度(=提供価値)の最大化が可能となる。
◇サービス化の分類
・モノに付随するサービス提供/モノを納品した後のアフターサービス等、モノに関連したサービスをモノと併せて提供する
・モノそのもののサービス化/モノの所有権を移さず、モノそのものをサービスとして提供する

※課金モデル例:サブスクリプションモデル
モノの利用を通じた顧客体験そのものを価値提供の対象とし課金

→原価ベースから強気のサービスベースの価格設定も検討すべき
※「顧客体験の最大化」に向けては、「引き算の発想で」不必要な機能を省きモノの価格を下げ、サービス部分で稼ぐ戦い方も必要(特に海外)

<マーケティング戦略の変革>
観光客の数と共にインバウンド需要が増大する中、帰国後に本国でECサイトを通じ継続的に日本製品を買う消費者が増えている(アウトバウンド化)

(参考)「モノ+サービス」の分類

「モノ+サービス」による顧客価値提供は大きく「モノに付随するサービス提供」と「モノそのもののサービス化」に分類される。「モノに付随するサービス提供」が「モノの所有権」と「付随サービス」を組み合わせ顧客提供価値を向上させるのに対し、「モノそのもののサービス化」は個別顧客の利用体験から逆算し「モノの利用権」と「個別顧客に合わせた利用条件」を掛け合わせるため、提供価値の最大化に直結しやすい

1. 我が国ビジネスモデルの特徴と今後の展開/(3)生産製造工程を通じた変革

ビジネスモデル変革のためには底上げ(=生産性の向上)が必要である。生産製造工程において生産性を上げるためには、設備投資及びIT・デジタル化の投資を行い、サプライチェーンの各工程にわたる現状を「見える化」し、更には自動化・省力化を進め、デジタル化を促進すべきである。また、製造プラットフォーム及びクラウド化の活用やバリューチェーンのモジュール化で、潜在的脅威に対応していく。

2.世界的課題の解決や新規分野におけるルール形成

2.世界的課題の解決や新規分野におけるルール形成/(1)我が国企業に求められる社会的課題解決に向けた取組

現在、ソーシャライゼーションの進展を受け、企業の社会的課題への取り組みが重要視されている。我が国ものづくり企業は課題先進国である日本の強みを活かし、世界に先駆けて社会的課題に取り組むべきである。社会的課題に取り組むことで、更には世界で将来的に到来するビジネスチャンスを確実に捉えることができ、安定的なビジネス基盤の構築が可能となる。

①②SDGs・EGS投資と我が国製造業
戦い方/日本の強みを活かし社会的課題に取り組むべき
「エネルギー」、「経済成長と雇用」、「インフラ、産業化イノベーション」が日本の強み
世界の共通認識として市民権を得つつあるSDGsを切り口に活用することで、自社の将来的な事業展開に向けた「What構築能力」(そもそも何をすべきかを見極める力)の弱い我が国の中小企業でも世界展開が行い易くなる。
我が国製造業におけるESG投資
今後世界の投資が利益獲得目的から社会貢献目的になることが予想され、社会的課題の解決は企業価値の向上や投資・資金調達につながる

③課題解決による市場創出・ビジネスチャンス
戦い方/社会的課題をビジネスチャンスと捉える
多くの社会的課題は将来的に確実に到来する
⇒先見の明を持って社会的課題に取り組むことで、具体的なニーズを掘り起こし、他の企業に先んじて市場を開拓できる(ビジネスチャンス)

<事例>
TBMによる素材革命ものづくりベンチャーである株式会社TBMは、水や木を一切使わず、石灰石を原材料に、紙やプラスチックの代替物を製造する「LIMEX」で天然資源の枯渇問題に挑み、世界で“素材革命”を起こそうとしている。

2.世界的課題の解決や新規分野におけるルール形成/(2)我が国製造業における国際標準化活動

社会的課題や技術革新を受けて新しい分野が注目されている。新しい分野では、ルールを作る側に回るほうが優位に立つことができる。自社ルールの国際標準化活動では、競争領域と協調領域を明確にし、「デファクト」「デジュール」「コンソーシアム」「フォーラム」を使い分けるべきである。また、国際標準化活動により企業が能動的に参画すべき。

2.世界的課題の解決や新規分野におけるルール形成/(3)新規分野におけるルールメイキング

国際標準に限らず、新規分野では行政を巻き込んだルール形成が重要である。世界をリードする海外企業に倣い、早期に、かつ本腰を入れた体制でルールメイキングに向けた活動をすべきと考える。また、ルール同様、データの体系も統一していくことで、様々なステークホルダーがデータで繋がる社会、Connected Industriesが実現され得る。

3.人材育成と中小企業のデジタル化

ものづくり企業が獲得すべき人材の類型

「ビジネスモデル」「ルール形成」を強化すべく、ものづくり企業が獲得すべき人材は多岐にわたる。特にビジネスモデルにおいては、バリューチェーンの各工程で必要となる人材が異なり、特に企画・設計やサービスでの強化を検討すべき。

3.人材育成と中小企業のデジタル化/(1)我が国製造業における人材育成・獲得を巡る課題と今後の対応

ものづくり企業の変革には、工程の上流・下流で顧客に対し高い付加価値を創出できる人材が必要。暗黙知のデジタル化、産官学連携、人材育成企業の活用、システム思考人材の育成等様々な手段を通じて育成を行うべきである。

3.人材育成と中小企業のデジタル化/(2)ビジネスモデルの転換のための組織マネジメント変革

企業のトランスフォーメーションには、人材の育成だけでなく、組織の変化も必要となる。組織マネジメントにおいては、人と機械の橋渡しを行うデジタル人材を活かす組織運営、組織横断型組織の設置、スマイルカーブの両端を強化が必要。このような要素を盛り込んだ組織マネジメントの新たな動きもみられてきており、それに倣いものづくり企業の組織変革を行うべきである。

3.人材育成と中小企業のデジタル化/(3)中小企業のデジタル化とその支援

特に中小企業においては、個々の企業が明確な目的意識のもと取り組んでいくjことが重要である。政府はそのような中小企業を支援する政策を打ち出しているため、積極的に活用しデジタルトランスフォーメーションを実現して欲しい。

二次利用未承諾リスト(様式2)

 

※参考コンテンツ
【日本のもの作りのサービス化】
第3節 我が国製造業の変革の方向性―経済産業省
製造業のサービス化とは何か?事例と数字から見る現状
「モノのサービス化」から見えてくる常識の大転換

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