会津を日本にシリコンバレーに!大学発ITベンチャーエコシステムへ。

今回ご紹介する企画書は、ちょっと珍しい内容です。会津大学という地域活性化を目的に設立されたIT系の大学を起点とした、ITベンチャー起業ドキュメンタリーです。

ホンダには静岡大学、セイコーには信州大学といった地方発で戦後大きくなった企業には、必ずといっていいほど人材供給源となった大学があります。シリコンバレーにおけるスタンフォード大学であり、ボストンにおけるマサチューセッツ工科大学(MIT)ですね。

そういう意味では、今回の会津大学と地域の連動した取り組みは、今後の日本の地方の在り方のモデルケースの一つといえるでしょう。起業が成功するためには、先進的なテクノロジーの発明だけでなく、マーケティングが同じ位重要だという課題が表出しているのも興味深いです。

 

【目次】
1. 今回の企画書の特徴
2.『平成26年度補正先端課題に対応したベンチャー事業化支援等事業(ITベンチャーのスタートアップ促進事業)』から学ぶ
3.表紙
4.目次
5.モデル実証事業の目的と実施内容の概要および実施体制
6.IT起業家候補・駆け出しベンチャーと先輩起業家等とのマッチング報告
7.起業・スタートアップを促進する環境・イベント開催に関する報告
8.カリキュラム・マニュアル作成報告
9.総括と課題

 

1. 今回の企画書の特徴

今回の企画書は、会津大学発のエコシステムて記載されています。ポイントとなるキーワードを、以下に記します。

・藩校日新館
・会津大学
・コンピュータ理工学に特化
・会津大学発ITベンチャー設立数は26社
・ITベンチャーのスタートアップ
・先輩起業家によるスタートアップ支援モデル
・駆け出しベンチャーと先輩起業家とのマッチング
・法律・税務
・交流コミュニティスペース
・シリコンバレーインターンシップ
・ハッカソンの開催
・首都圏ファンド

 

2. 『平成26年度補正先端課題に対応したベンチャー事業化支援等事業(ITベンチャーのスタートアップ
促進事業)』から学ぶ

では、株式会社GClueが作成した企画書を以下具体的に見ていきましょう。

3. 表紙

1. モデル実証事業の目的と実施内容の概要および実施体制

1‐1. モデル実証事業の目的
会津地域における先輩IT起業家が中心となり、会津若松市、会津大学、会津大発ITベンチャーおよび地元IT関連企業が連携し、革新ベンチャーのスタートアップアクセレレータとして、IT起業家候補者もしくは駆け出しのITベンチャーを発掘し、起業やスタートアップの支援を行うことにより、これを事例として日本に本格的なスタートアップ支援業者が創設され、定着することを目指すもの。

1-2. 実施内容の概要
地域の背景として、福島県会津地域は、江戸時代、日新館という輝かしい伝統の藩校があり、会津は教育熱心な藩として知られていた。

しかしながら、会津地域には4年制大学がなかったため、福島県は、この教育熱心な地域に、1993年4月、県立の4年制大学である「会津大学」を設置した。設置にあたっては、国際化、高度情報化社会が進展する中で、世界的視野を持ち、将来の情報科学を担い、発展させる人材の育成が最も重要であると考え、コンピュータ理工学に特化した大学とした。

これを契機に、会津若松市ではITを起点とした地域の発展と活性化を目指したさまざまな取組みを行っており、そのひとつとして会津大発ITベンチャーの育成を掲げ、「会津の地にシリコンバレーを」という夢に取り組んでいる。

シリコンバレーにはたくさんのIT企業が存在し、有名大学の博士号を持った人たちが、自らの研究の成果から新しいものを世に送り出し、それが受け入れられて企業が成功していくという流れがある。それを会津の地で実現したいと考えている。

会津大発ITベンチャーは、ネットバブルと言われた2000年頃から卒業生による起業が増加し、現在までの会津大発ITベンチャーの設立数は26社、地域のIT系ベンチャーを合わせると年間売上高も27億円ほどになり、会津の主力産業である酒造業の売上高を抜き、地域雇用の創出と地域活性化の一翼を担うものとして大きな期待が寄せられている。

日本経済新聞社産業地域研究所が全国の国公立大学を対象として行った「地域貢献度調査」において、2014年1月現在で会津大学が学生1000人あたりの大学発ベンチャー数ランキングで全国1位となっている。しかしながら、2008年以降は起業数が減少し始め、2014年までの間では5社程度の起業にとどまっている。

会津大学生は国内外で開催されるIT系のハッカソンに参加し、優勝や上位入賞を果たしていることや就職率の高さから、会津大学がコンピュータ専門大学として優秀なIT人材を輩出していることに違いはないが、起業に結びつくかどうかにあたっては、同窓生に商業・経営・法律を学んだ学生がおらず、エンジニアの技術だけでは起業につながりにくく、起業しても実務面での不安や脆弱さは否定できない。

会津大学卒業生が起業するにあたっては、企業経営に関する知識や実務はもとより、優秀なエンジニア以外のブレーンとの連携、他大学生との連携、および技術以外の支援体制は不可欠である。

結局、起業するかどうかの判断は起業家本人であり、スタートアップ支援が有効かどうかの評価・判断には起業家候補者もしくは駆け出しのITベンチャーにも参加してもらい、忌憚のない意見をもらって取り入れる必要があると考えている。

このように、会津若松市には起業するための必要な支援が整いつつあるものの、体制としてうまく活用して起業に結びつけることが積極的にできなかったことから、本事業では、会津若松市、会津大学、会津大発ベンチャー企業等で構成するコンソーシアムを構築、また会津IT産業振興協議会を設立し、会津大学生とそのOBを中心としたITベンチャーのスタートアップを促進する環境を整備した。

また、先端課題に対応したITベンチャーを促進する支援をおこなうため、アイデアやプランをすばやく具現化するためのIoT プロトタイプ開発が行うことのできる環境を整備し、ハンズオン支援も行った。

参加するIT起業家候補者もしくは駆け出しのITベンチャーは、Fab 施設「Fab 蔵」をコミュニティとして利用でき、Fab蔵にある3Dプリンター/レーザーカッター等工作機械を利用でき、また電子工作の講座等も随時開催しながらFab蔵でスマートデバイスと連携するハードウェアプロトタイプ開発ができるような環境を提供した。

さらに、IT起業家候補者および駆け出しのITベンチャーから4名を選抜し、シリコンバレーでのプロトタイプ開発の現場であるHacker-Dojoにて2週間の実践的なプロトタイプ開発を行うインターンシップを実施した。期間中はスタンフォード大学とベンチャーを生み出す d.School、VC、起業家がプレゼンを行うMeetUpなどを訪問し、刺激を受けた参加者は、最終日には自身のプロダクトを英語でプレゼンテーションするという、ITスタートアップのリアルな環境を肌で感じる機会を提供した。

今回行った事業項目は以下の通り。

(1)会津地域を中心としたコンソーシアム体制の構築と事務局運営
(2)シリコンバレーインターンシップ
(3)ハッカソン開催(3テーマ) ※コンソーシアムにて対応
(4)先輩起業家と起業家候補者等が交流するコミュニティスペースの設置
(5)先輩起業家等を講師とした起業塾の開催
(6)展示会出展および企業マッチング
(7)起業家候補者等への直接支援 ※コンソーシアム等にて対応

事業項目の概要については以下の通り。

(1)会津地域を中心としたコンソーシアム体制の構築と事務局運営

①コンソーシアム委員会の開催
会津若松市、会津大学、会津大発ベンチャー企業等が中心となるコンソーシアム体制を構築し人的ネットワークの形成を行った(後掲コンソーシアム体制図ご参照)。

また、今回「会津IT産業振興協議会(事務局:会津若松市商工課、地元IT企業を中心とする参加20団体)」を平成27年5月に発足し、本事業にて当社が行っている事務局運営はこの協議会が引き継ぐ。

②IT起業家候補者もしくは駆け出し ITベンチャーの発掘会津大学IT起業家育成事業と連携し、会津大学生や県内IT起業家を目指す社会人の発掘を行った。本事業において40名程度の発掘を行うことができた。

③首都圏ファンド関係者を招いた実践的なファンドの勉強会(1回)
東京証券取引所上場推進部様をお招きし、最近のIPOの状況、メリット、審査基準についての勉強会を行った。

④支援のために必要な指導カリキュラム・マニュアル等の作成
起業のネタとなるIT製品のプロトタイプ開発を行うための指導テキスト作成を行い、随時Web上に公開した。

(2)シリコンバレーインターンシップ
①シリコンバレーインターンシップのスキーム構築
会津若松市、会津大学、一般社団法人MAKOTOと連携し、現地講師の選定、現地訪問先の選定、現地カリキュラムの作成、現地情報収集等を行った。

②シリコンバレーインターンシップスキーム実証事業
構築したスキームに基づき、4名のインターン生を2週間派遣した。

(3)ハッカソン開催(3テーマ) ※コンソーシアムにて対応
①ハッカソン開催によるITベンチャー候補者の発掘
以下のハッカソンを開催し、参加者からITベンチャー起業家候補者の発掘を行った。

「MashupAward11(福島予選大会、Fab蔵、当社会場提供)」
「会津大学と福島ガイナックスが連携した開発ハッカソン(福島ガイナックス、会津大学主催)」
「Hack-a-thonZERO(Fab蔵、当社主催)」

(4)先輩起業家と起業家候補者等が交流するコミュニティスペースの設置
コミュニティスペース「Fab蔵」を設置した。各自が自由に開発等を行うことができるほか、レーザーカッター、3Dプリンター、基板製造機器等の工作機械があり、弊社の管理・指導のもとで利用が可能なスペースとした。

定期的にコミュニティとして日時を指定した開放を行い、参加者へはプロトタイプ開発のノウハウ等を提供し、随時相談を受ける形式とした。定期的なコミュニティは26回程度開催し、40名程度の起業家候補者等が参加した。また「Fab蔵」では定期的なコミュニティのほか、ハッカソン会場、勉強会会場としても活用した。

(5)先輩起業家等を講師とした起業塾の開催

①会津大学との連携によるITベンチャー講座の開催(2回)
1回目は、会津大学行っているベンチャー体験工房「会津IT日新館」におけるベンチャー基本コースの1コマを本事業にて対応。コンソーシアム構成員である株式会社コラボ産学官からの紹介により株式会社デジタルハリウッド大学院大学の教授で自ら起業している講師に招聘し、専門のEd-Techの現状と将来、シリコンバレーでの取り組みや起業経験などを講義いただいた。

2回目は、会津大学IT起業家育成支援事業と連携し、学生時代から中小/大手ゲーム開発会社などで20年以上ゲーム開発および開発環境改善に取り組んでいる現役クリエーターを招聘し、ゲーム開発を仕事にする魅力について講義いただいた。

②先輩起業家が講師となる起業経験塾等(2回)
1回目は、会津大学復興支援センターが先端ICTラボ記念行行事として行った「会津IT秋フォーラム2015」において、当社が会津大発ベンチャーの先輩起業家として専門セミナー「テーマ:ベンチャー」の運営を担当した。

2回目は、会津IT産業振興協議会の会員からアクセンチュア株式会社福島イノベーションセンター所長を中心に、会津若松市、会津大学、地元ベンチャー経営者、会津大学学生3名での勉強会を開催。会津若松市におけるIT産業振興、IT起業家育成、IT 人材育成について意見交換を行った。

(6)展示会出展および企業マッチング

①IT起業家候補者もしくは駆け出しITベンチャーに対する展示会参加支援
組込み総合技術展 EmbededTechnology2015への展示会参加支援を行った。今回、会津大学生の起業家1名、会津大学生1名(所属する会津大学准教授1名も参加)が制作したプロダクトの展示を行った。単独では出展が難しいことから、出展手続全般は当社が行った。

②企業マッチング
本事業期間内では、残念ながら企業マッチングにいたる具体的なプロダクトや製品が少なかったため、当初予定したコラボ産学官、MAKOTOへの依頼および広報宣伝活動の支援、大手企業や投資家とのマッチング依頼までには至らなかった。個別に相談を受け対応した。

(7)起業家候補者等への直接支援
①会社設立の支援および会社運営に関する支援 ※コンソーシアムにて対応
事業期間中、IT関連の2社(当社子会社設立含む)の起業があった。その他、設立済の会社において、各種届出、経理事務処理、決算事務処理等必要な手続きについて支援を行った。

株式会社デザイニウム 代表取締役 前田諭志 様
支援機関
一般社団法人コラボ産学官 専務理事 江原秀敏 様
株式会社コラボ産学官 加藤孝信 様
一般社団法人MAKOTO代表理事 竹井智宏 様

事務局は当社が運営する会津ものづくり工房「Fab蔵」(福島県会津若松市日新町12-9)に設置、人員(4名)にて対応を行った。

・プロジェクトマネージャー: 事業全体統括管理者
・マネージャー: プロジェクト管理、資金運用調達管理、事務局運営責任者
・事務局職員1:個別実施項目の担当、コミュニティ、Fab蔵運営
・事務局職員2:個別実施項目の担当、コミュニティ、Fab蔵運営

2.IT起業家候補・駆け出しベンチャーと先輩起業家等とのマッチング報告

2-1.起業・スタートアップの指導・相談対応等の報告
【株式会社チームミズキ 代表取締役 五十嵐太清 氏(会津大学3年)】
平成27年2月に会社設立。QRやBeacon技術を基盤としたシステム開発を目指している。開発ハッカソンや開発イベント、首都圏 IT企業へのインターンシップに参加し、ビジネスモデルを考案中であるがまだ固まっていない。

(支援内容)
会社運営にかかる財務、経理、会計などについて適宜アドバイス支援を行った。
シリコンバレーインターンシップに参加、プロダクト開発支援を行った。
継続してビジネスネタの検討、ビジネスモデル、事業計画策定について支援を行っていく。

【一般財団法人i.club代表理事小川悠氏】
平成27年9月に法人設立。地元密着をテーマに、地元の良さの再発見から新しいアイデアを生みだし、人の考えや行動に大きな変化を起こすこと(イノベーション)に高校生が挑戦するイノベーション教育プログラムを提供している。

(支援内容)
任意団体であったことから、法人化の相談を受け、一般社団法人設立までの支援を行った。今後は継続してビジネスモデル化、事業計画策定についてITとの連携を目指して支援を行っていく。

【株式会社時空 代表取締役 阿部諒馬氏(会津大学OB)】
平成26年11月に会社設立。VR技術に特化したコマース事業を模索中で、結婚式場や不動産業をターゲットにした広告宣伝モデル開発を行っている。

(支援内容)
シリコンバレーインターンシップに参加。訪問先VCにて米国の事例等について意見交換を行った。VR技術について技術指導および意見交換を行った。

【木元雄太氏(会津大学3年)、五十嵐太清氏(会津大学3年)】
会津若松市内でのコワーキングスペースプロジェクトおよびベロタクシープロジェクトの事業計画についてのメンタリング支援依頼があった。

(支援内容)
策定した事業計画や収支計画についてアドバイスを行った。
プロジェクトは現在未実施。

【月田直樹氏(会津大学4年)】
【瀬川雅智氏(会津大学3年)】
【蜷川貴哉氏(会津大学3年)】
【甲斐大介氏(会津大学2年)】

会津地域にゲーム開発会社を作りたいと考えている。地域性を生かした地域連携のコンテンツをゲームにできないかを模索中。4人が一緒に起業するかなどはまだ決まっていない。

(支援内容)
開発ハッカソンなどに積極的に参加してもらい、開発メンターとして支援。福島ガイナックスなどアニメ制作会社を紹介。継続して支援を行い、事業化につなげていきたい。

【公立大学法人会津大学准教授 奥山祐市氏】
これからの経済発展が見込まれるミャンマーでのIT/IoT産業のためにヤンゴン大学で回路設計などの教育を行っている。現在は教師向けに行っており、徐々に学生向けに教育ができるように指導していく予定であるが、長期的なこのスキームについて事業化などを進めて行けるかどうか意見交換。

(支援内容)
短期的な支援ではなく、継続して意見交換を行い、JICA等の支援なども含めて共同してスキーム構築を検討することとなった。

【公立大学法人会津大学准教授 寺薗淳也氏】
研究成果としてウェブサイト「月探査情報ステーション」を運営しているが、すでに3,300ページにもなり個人運営では厳しいことから、事業化、収益化を検討したい。

(支援内容)
合同会社設立を検討中で、設立支援の依頼があった。また、サイトの有効活用による事業化、収益化についても継続的に支援していく予定。

2-2. 法律・税務等の相談
会津大学と連携して山本特許事務所弁理士の山本秀策氏を招聘し、プロダクトを世に出していくうえで注意しなければならない知的財産について理解し、権利の入手から権利の行使までを学び、知的財産戦略について考えるセミナーを開催した。

翌日には個別相談会を開催し、実際にプロダクトを持つITベンチャー起業家等や会津大学教授が集まり(6件)、個別事案毎に「特許申請が可能か」「申請に持ち込む方法」「工夫する点」「特許を取得した場合のメリット・デメリット」などを細かく指導していただいた。

・開催名: 知的財産権について学ぶセミナー
・テーマ: 知的財産戦略について考える
・開催期間: 平成27年11月12日 15:00-17:00
・開催場所: 会津大学先端ICTラボ(LICTiA)2階
・主催: 会津大学(OpenAppLab)
・参加者:20名
・概要: 世界の優秀な特許実務家に選ばれている凄腕弁理士でセグウェイの特許申請を担当した山本特許法律事務所弁理士の山本秀策氏を招聘し、米国特許申請の流れや特許のメリッ トや日米の違いなど実例を交えてわかりやすく解説いただいた。

3.起業・スタートアップを促進する環境・イベント開催に関する報告

3-1. 先輩起業家と起業家候補者等が交流するコミュニティスペースの設置
当社は、会津若松市より平成26年福島県緊急雇用創出事業「会津ものづくり工房事業」の委託を受け、平成26年5月に「会津ものづくり工房Fab蔵」を設置。Fab施設として3Dプリンター、レーザーカッターなどの工作機械を整備し、伝統工芸品とITの融合などをテーマに、勉強会、ものづくりワークショップ等を開催した(単年度事業、平成27年3月31日事業終了)。

平成27年度は、電子工作を主軸にしたIoTプロトタイプ開発支援にシフトし、先輩起業家として起業家候補者等が交流するコミュニティスペース「Fab蔵」として運営を行った。

本事業における取り組みとしては、会津大学IT起業家育成事業と連携し、藤井靖史准教授が企画した開発者コミュニティ「OpenAppLab(Unity/iOS/Android/HTML5 でアプリを作るコース)」における参加者を中心に、アイデアやビジネスモデルを具現化するアプリおよびアプリと連携するIoTハードウェアなどのプロトタイプ開発ができる場を提供した。

本コースで設定された時間以外で行う定期的なコミュニティは平日夕方に26回程度開催し、会津大学生、OB、社会人、高校生を合わせ約40名程度が参加した。

この開発者コミュニティのコンセプトは「とにかくものを作って世に出すネットワーク集団」であることから、プロトタイピング開発は必須条件であり、会津地域にこのような施設があることはIT起業家育成に大きく役立っていると考える。

3-2. 会津IT産業振興協議会の設立と設立記念フォーラムの開催
準備委員会を経て、平成27年5月25日に設立。構成員は地元ITベンチャーおよびIT関連企業16社、支援機関として東北経済産業局、福島県産業創出課、福島県地域振興局、公立大学法人会津大学、会津若松商工会議所および会津若松市、アドバイザーとして一般社団法人コラボ産学官(株式会社コラボ産学官)、一般社団法人MAKOTOが参画。事務局は会津若松市商工課が担当。

平成27年7月24日には、会津IT産業振興協議会設立記念フォーラムを会津大学にて開催。基調講演にはソフトイーサ株式会社代表取締役登大遊氏(IPA 未踏スーパークリエーター)、Mozilla Japan 代表理事瀧田佐登子氏を招聘。

パネルディスカッションでは会津大学3年生で平成27年2月に株式会社チームミズキを設立した五十嵐太清氏を交え、起業のきっかけ、苦労、現在の活動と今後の活動、、これから起業するためのヒント、会津で起業することなどについて議論を行った(参加者約50名)。

翌日には、Mozilla Japan 研究員赤塚大典氏(IPA未踏スーパークリエーター)による Mozilla Factoryで推進している初心者向けマイコンボードとハードウェアをコントロールするWebAPIの統合開発環境「CHIRIMEN」ワークショップをFab蔵で開催した(参加者10名)。

3-3.会津大学との連携によるITベンチャー育成講座の開催(2回)
会津大学では、地域のベンチャー企業や自治体と連携し、地域や企業のニーズに対応したテーマを持つベンチャー体験工房群を構成し 、イノベーションに挑戦する精神と技術力を持つ創業意識の高い若手人材を育成することを目的として、「会津IT日新館」を設置、ベンチャー精神育成に必要な知識の習得として知識編と、各分野で活躍している外部講師による講義を行う「ベンチャー基本コース」を行っている(ご参照:http://www.u-aizu.ac.jp/curriculum/aizuitnisshinkan/)。今回、本事業にて1コマを譲り受け、IT起業家候補者の発掘を行った。

【1回目】
・開催名: 会津IT日新館ベンチャー基本コース
・テーマ: 教育とテクノロジーの融合「EdTech」でイノベーションを起こす
・開催期間: 平成27年11月18日
・開催場所: 会津大学講義棟講堂
・主催: 会津大学
・参加者: 110名(社会人等含む)
・概要: 講師にデジタルハリウッド大学大学院教授の佐藤昌宏氏を招聘し、EdTechの現状と将来、シリコンバレーのEdTech ベンチャーの具体的な活動などを講義いただいた。

【2回目】
・開催名: OpenAppLab 特別講座
・テーマ: ゲーム制作を仕事にする魅力
・開催期間: 平成27年10月29日
・開催場所: 会津大学先端ICTラボ(LICTiA)1階
・主催: 会津大学(OpenAppLab)
・運営: Fab蔵
・参加者:25名
・概要: 学生時代から中小/大手ゲーム開発会社などで20年以上ゲーム開発および開発環境改善に取り組んでいる現役クリエーターの後藤誠氏を招聘し、ゲーム開発を仕事にする魅力についてご自身の経験談、ゲーム制作の魅力、プロになるためには何をすべきかなどをご講演いただいた。

3-4.先輩起業家が講師となる起業経験塾等(2回)
【1回目】
・開催名: 会津IT 秋フォーラム2015
・テーマ: ベンチャー
・開催期間:平成27年10月29日
・開催場所: 会津大学
・主催: 会津大学、会津産学コンソーシアム
・後援: 地元IT関連企業ほか
・参加者:延べ約870 名
・概要: 会津大学と会津産学コンソーシアムは、IT産業の活性化を促し、全国への情報発信を通じて会津をITの先進地(聖地)としてブランド化を図り、その基盤を強固なものとするするため、平成19年度より毎年フォーラムを開催している。

本フォーラムでは、専門セミナーのテーマC「ベンチャー」において、協賛企業として当社代表取締役の佐々木陽がChairを務め、以下の4氏を招聘してご講演いただいた。

・「会津大学からマザーズへ、コツコツ事業でのIPOへの挑戦!」
株式会社ウェブレッジ 代表取締役佐藤保氏(会津大学卒業生)

・「IoT時代におけるセキュリティの考え方」
株式会社ウェブレッジ 取締役兼検証事業部事業部長兼携帯電話研究家 池端隆司氏

・「IoTが創る新しいビジネスエコシステム」
株式会社ソラコム ソフトウェアエンジニア 片山暁雄氏

・「IoTによって生まれる新規事業と社会変革」
株式会社NTTドコモ 執行役員 イノベーション統括部長 栄藤稔氏

【2回目】
・開 催 名: 会津IT産業振興協議会 任意勉強会
・テ ー マ: 会津地域におけるIT産業振興/IT起業家育成と創出/IT人材の育成
・開催期間: 平成28年1月20日 19:00-20:30
・開催場所: ホテルニューパレス会議室
・主 催: 株式会社GClue
・参 加 者:14名
・概 要: 会津IT産業振興協議会の会員メンバーを中心に、先輩起業家として会津大発ベンチャー経営者3名、起業家候補者として会津大学生3名を加えて勉強会を開催。

協議会副会長であるアクセンチュア株式会社福島イノベーションセンター所長の中村彰二朗氏による、会津若松市のスマートシティ構想に絡んだIT産業振興/IT起業家育成と創出/IT人材の育成などについて認識を共有し、議論を行った。起業家候補者からも発言があり、要望などについて意見交換を行った。

3-5.シリコンバレーインターンシップの構築と実証事業
会津若松市、会津大学、MAKOTOと連携し、ITスタートアップの聖地であるシリコンバレーでの2週間のインターンシップカリキュラムを構築し、その実証を行った。

【インターンシップ内容】
・渡航期間: 平成27年9月13日~平成27年9月27日(2週間)
・研修場所: Hacker Dojo(米国カリフォルニア州マウンテンビュー)
・参 加 者: 4名(会津大学生3名、OB1名)

・同 行 者: 株式会社GClue代表取締役佐々木陽、取締役高野康
・研修目的: 現地にてIoTプロトタイピング開発を行う
プロダクトのプレゼンテーションを英語で行う
現地エンジニアとの交流、意見交換(MeetUp に参加)
スタンフォード大学および d.Scholl の訪問、見学
現地コネクションづくり、開発者コミュニティへの参加
先輩起業家からの指導・支援をもらう
・訪問先等: FUJIFILM Open Innovation Hub(施設見学ツアー、意見交換会)
Computer History Musueum(施設見学ツアー)
スタンフォード大学および d.School(見崎大悟客員准教授による講義等)
Evernote 社(寺崎和久氏による講義等)
Japanese-Technology-Professionals-Association(山中仁氏による講義等)
Plug and Play Techcenter(見学および MeetUp、ITTech サロン参加)
Icon Ventures(菅谷常三郎氏による講義等)
Asratec 社羽田卓生氏によるロボット制御システム V-sido のハンズオン指導
・現地講師: 水野正博氏
(略歴)
三菱電機にて高性能サーバ、汎用機の開発に従事した後、日商エレクトロニクスでネットワーク機器の商品開発に取り組む。その後、シリコンバレーに移住し、AreaBe社を起業しCEO/CTOとしてリモートアクセス技術を開発。株式を日本法人に譲渡後は、製品開発コンサルタント/プロトタイピストとして再起業し活動。メーカーフェアに出品や雑誌インターフェースの記事の執筆などを行う。社会人、学生を対象としたプロトタイピングシリコンバレー合宿(M2M テックキャンパス)を企画し、5年を迎えた。合宿参加者へのオリジナル電子工作コンテストGUGENへの出品を指導しており、過去に優秀賞を獲得している。

【参加者からの意見・感想】
・事前研修があったので、現地ですぐ開発に取り掛かれた。
・2週間あったのでじっくりと開発に集中できた。
・初めてのメンバーだったが 2週間で仲間意識が芽生えた。今後も一緒に組んでみたい。
・社会人、会津大学3年生、2年生、1年生の組み合わせが良かった。
・思ったより気楽に行ける場所だった。休みを利用して何度でも行ってみたい。
・みんな開発者なので話が合うし居心地がいい。雰囲気もいい。
・日本でプロトタイプを作ってプレゼンするために持っていきたい。
・すごいエンジニアがいた。
・エンジニアとして意識が高まった。意欲が湧いた。
・英語でもっとコミュニケーションが取れるようになりたい。
・現地日本人エンジニアの先輩と知り合いになれてよかった。

会津大学では、今回のインターンシップ実施を受けて、来年度以降、スーパーグローバル大学事業として 8~10名のインターンシップを毎年実施する予定。

Hacker Dojoを拠点とするため、ブースを年間契約し、いつでも渡航する学生等が利用できるようにする。また水野正博氏を現地の会津大学客員として招聘(予定)。また、会津若松市では、来年度以降、会津産IT技術認定を獲得した企業やグループに
対し、副賞として2~3名程度のシリコンバレー視察費用を予算化。さらに、会津IT産業振興協議会においても、来年度以降、会津大学、会津若松市と連携し、ITスタートアップ促進を図るためのリコンバレー視察団を派遣することを検討している。

会津IT産業振興協議会副会長のアクセンチュア中村彰二朗氏は、元サンマイクロシステム社時代にシリコンバレーに赴任した経験もあり、今回の話しを受け、スタンフォード大学と会津大学の提携等を模索すべくチャレンジしていただくこととなった。

今後は、毎年シリコンバレーインターンシップ経験者を増やし、会津大学生を中心に起業家マインドを醸成、会津IT産業振興協議会メンバーがいろいろな面で連携し協力支援していく。

3-6. ハッカソンの開催(3テーマほか)
IT起業家候補者もしくは駆け出しベンチャーを発掘するITハッカソンをコンソーシアムメンバーにて3テーマを開催した。

【テーマ1】
・開 催 名: Mashup Award Hackerthon 11 (福島予選大会)
・テ ー マ: CIVIC TECH でつくろう未来の会津!
・開催期間: 平成27年8月8日~平成27年8月9日
・開催場所: 会津稽古堂/Fab蔵(ハードウェア制作および夜間作業場所)
・共 催: Mashup Awards運営委員会、CODE for AIZU、Fab蔵

・後 援: 会津若松市、会津大学
・参 加 者:26名
・概 要: 起業家候補の発掘を目的とし、MashupAwards のハッカソンと共催で実施。会津若松市のビジョン、現在地域が抱えている課題や取り組み状況を共有し、株式会社NTTドコモ山添隆文氏(IPA未踏スーパーークリエーター)をはじめ7社8名のAPIメンターが6つのチームにAPI提供や技術協力し、2日間の開発プロジェクトを行った。

【テーマ2】
・開 催 名: Hack-a-thon ZERO
・テ ー マ: コンピュータの常識を変えるZEROによる新しい発想のガジェットを作り出す
・開催期間: 平成27年12月12日~平成27年12月13日
・開催場所: Fab蔵
・主 催: Fab蔵
・後 援: 会津若松市、会津大学、日本Androidの会会津支部ほか
・協 賛: 株式会社デザイニウム、株式会社GClue
・参 加 者: 15名
・概 要: 手のひらサイズの格安コンピュータ(5ドル)Raspberry Pi ZERO を用いた上級者向けの開発ハッカーソンを開催。Raspberry Pi ZEROを調査し、ミドルウェアとアプリケーションの開発を行った。

超小型、体積当たりの計算能力の高さ、低価格であることを生かし、これまで実現することの出来なかったアプリケーションを創発する場とした。該当ハードウェアは発売直後で入手困難であったが25台を確保できた。会津の地から世界に先駆けて応用例をいち早く発表することを狙った。

【テーマ 3】
・開 催 名: 福島ガイナックス開発ハッカソン
・テ ー マ: ICTとアニメを融合させたものづくり
・開催期間: 平成27年12月19日~平成27年12月20日
・開催場所: 株式会社福島ガイナックス(福島県田村郡三春町)
・共 催: 会津大学、株式会社福島ガイナックス、、株式会社デザイニウム、株式会社GClue
・参 加 者: 16名
・概 要: 起業家候補の発掘を目的とし、福島ガイナックス社と共催で実施。福島ガイナックスのアニメキャラクターなどを使って新たなゲームやアプリケーション、サービスづくりに取り組んだ。

【その他】
・開 催 名: Hack for Town in Nikko
・テ ー マ: iBeaconを使った日光観光集客支援ハッカソン
・開催期間: 平成27年12月5日~平成27年12月6日
・開催場所: 日光郷土センター(栃木県日光市御幸町591)
・主 催: Hack for Town
・共 催: 株式会社GClue
・参 加 者: 10名
・概 要: ウェアラブル機器とiBeaconを用いて観光客支援のアイディアを競い合うハッカーソン。宇都宮大学と中央大学が、日光の街中に100mおきに、25個のiBeaconを設置。さらに常設設置している11店舗のお店とも連携し、これらのiBeaconを使ってウェラブル機器を使った観光客集客に貢献するアイディア企画アプリ等を実際に開発した。
・審 査 員: 宇都宮大学大学院工学研究科 渡辺 裕教授
中央大学経済学部 佐藤 文博教授
日光市観光協会

3-7. IT起業家候補者もしくは駆け出し ITベンチャーに対する展示会参加支援
今回は、組込み総合技術展 Embeded Technology 2015へのIoTプロトタイプを展示するための参加参加支援を行った。

参加者を募ったものの展示にいたるプロダクトが少なく、会津大学生の起業家1名、会津大学大学院生1名、およびミャンマーでのIoT教育プロジェクトを進めている会津大学准教授奥山祐市氏が参加。単独では出展が難しいことから当社との共同出展とし、出展手続は当社が支援した。

3-8. 首都圏ファンド関係者を招いた実践的なファンドの勉強会
・開 催 名: 株式会社東京証券取引所上場推進部様とのIPO勉強会
・テ ー マ: 最近のIPO/上場のメリットについて/上場審査基準について ほか
・開催期間: 平成27年5月12日 13:00-15:00
・開催場所: 会津大学産学イノベーションセンター会議室
・主 催: 会津大学
・参 加 者: 6名
・概 要: ITスタートアップ促進支援のためのコンソーシアムメンバーでの勉強会。東京証券取引所上場推進部調査役の加藤泰孝様を招聘して開催し、テーマに沿って解説いただいた。大和企業株式会社東北支社次長の小井口尚希様にもご参加いただき、意見交換を行った。

4. カリキュラム・マニュアル作成報告
本事業として、今回IoTベンチャーのスタートアップを促進するための支援モデルを構築した。具体的には、アイデアやプランをすばやく具現化するためのプロトタイプ開発環境を整備し、ハンズオン支援も行った。

参加するIT起業家候補者もしくは駆け出しのITベンチャーは、Fab施設「Fab蔵」をコミュニティとして利用でき、Fab蔵にある 3Dプリンター/レーザーカッター等工作機械を利用でき、Fab蔵でスマートデバイスと連携するハードウェアプロトタイプ開発ができるような環境とした。

カリキュラムについては、今後継続的に支援していくために、マイコンボード「Arduino」の指導テキストおよび3Dプリンター/レーザーカッターの操作から実用までの指導テキストを作成、テキストはWeb上に公開しており、いつでも誰でも参照できるようにした。

Arduino テキスト
https://www.gitbook.com/book/fabkura/arduino-docs/details
3D プリンター/レーザーカッター テキスト
https://www.gitbook.com/book/fabkura/fab-docs/details

5. 総括と課題
5-1. 総括
本事業を実施したことにより、ITベンチャー創出のための促進支援の産学官+起業家候補者および駆け出しのITベンチャー連携体制および担当者の顔が明確になり、コミュニケーションがスムーズに図れるようになった。

これまではIT起業家候補者あるいは駆け出しの ITベンチャーからの支援の相談を待っているという姿勢であったが、今回支援側から積極的に IT 起業家候補者を発掘してコンタクトすることで、双方のコミュニケーションがスムーズに図れるようになった。

地方創生に伴う「会津若松市まち・ひと・しごと創生総合戦略」や「スマートシティ会津若松構想」を推進するためには、地域でのITベンチャーの創出とIT人材の育成および確保が大前提であり、そのための支援の重要性について、産学官+起業家候補者および駆け出しのITベンチャーが共通認識を持つことができた。

会津大学は開学当初から「会津を日本のシリコンバレーに」という思いを持っているが、これまで各団体や個人がある程度シリコンバレーとのコネクションを持っていたに留まっていた。本事業によるシリコンバレーインターンシップの構築と実施により、コンソーシアム体制としてあらためてシリコンバレーとのコネクションを構築し、これを活用する方向性が見えた。

今後は会津若松市、会津大学、会津大発ITベンチャー企業、会津地域のIT関連企業、会津大学生がシリコンバレーと具体的に交流を行い、起業家精神やエコシステムを学び、共有し、会津地域がシリコンバレーに溶け込むような形に持っていきたい。

本事業を通して多くの会津地域以外との人的ネットワークが形成された。会津地域だけではカバーできない支援として、この人的資産を会津地域の共有財産として途切れることなく、また増幅させていくよう努力する必要があると感じた。

会津地域では、コンピューター教育を専門した会津大学を核に、今後は成功したITスタートアップを多く生み出し、これが先輩起業家となってまたITスタートアップを支援していくというエコシステムを形成していくという環境づくりを継続して目指していきたい。

5-2.本事業を通じて得られたITスタートアップ促進に対する課題と対策

(1)アイデアやビジネスモデルの創出
本事業では、先端課題に対応した革新的ITベンチャーを促進する支援に重点を置き、アイデアやプランをすばやく具現化するためのIoTプロトタイプ開発ができる環境を提供し、実践的なハンズオン支援を行った。

コミュニティに参加した起業家候補者や駆け出しのITベンチャー経営者は延べ50名程度となり、会津地域でプロトタイプ開発が行えるエンジニアの支援に貢献できたものと考えるが、起業して事業を継続していくためのアイデアやビジネスモデルの創出が乏しいのが現状だと言える。

【対策】
会津地域のみで漫然とアイデアやビジネスモデルを生み出すことは簡単ではないと考えるが、平成25年2月に会津若松市はスマートシティ会津若松の推進を掲げ、「健康や福祉、教育、防災、さらにはエネルギー、交通、環境といった様々な分野 における事業を連携し、行政サービスの効率化・高度化を行うとともに、持続可能 で回復力のあるまち、「スマートシティ会津若松」の構築を進めていく。」とした。

関係者は先進地域(海外)視察を行い、現在は首都圏大手企業が中心となって実証事業等を行っているが、ここから新しい事業アイデアやビジネスモデルを生み出し、会津若松市が実証するための支援を行い、ITスタートアップが会津地域で生まれていく流れができることが期待されている。

今後は起業家候補者および駆け出し ITベンチャーが「スマートシティ会津若松」を理解し、新しいビジネスモデルや事業計画を策定するにあたっての議論や意見交換できる場を会津 IT 産業振興協議会が定期的に開催する。

さらに希望者には、すでに訪問実績のある以下3都市、IT起業家の聖地である「シリコンバレー」、スマートシティ先進地である「アムステルダム」、電子政府の先進地である「エストニア」への視察訪問を企画する(自費参加が前提)。

また、上記を含めた地域社会の課題をIT技術で解決するためのハッカソンの開催を行い、事業化を見据えたアイデアやビジネスモデルを発掘する。

(2)シリコンバレーのエコシステム踏襲
地場産業がなかったシリコンバレー地域で、スタンフォード大学と軍需産業によりITスタートアップのエコシステムが生まれたことを会津若松市においていかに踏襲できるかが課題と考える。

【対策】
会津地域は1967年に富士通㈱初の半導体量産工場として会津工場が操業して以来、企業城下町として発展してきたが、国内半導体産業の衰退により工場規模縮小、撤退となり、目立った産業が無くなりつつある中で、今般の「スマートシティ会津若松」構想があり、会津大学と「スマートシティ会津若松」をはじめとしたIT/IoT産業のスタートアップ創出は、地方都市として会津若松市の生き残りをかけて推進している。

(3)IT技術者以外の起業人材の呼込みおよび人的コネクション形成
会津大学は1993年に開学した日本初のコンピュータ理工学専門の公立大学で、この分野の日本の先駆けとして全世界から教授陣を招聘し、英語での授業、卒業論文は英語で提出させるなど、実践的な英語教育を行っており、今回のシリコンバレーインターンシップにおいても英語力は問題とならなかった。

しかしながら、起業メンバーを考える上では、会津地域では理工学以外の若手人材および人的コネクションが少ないことがネックとなっている。IT技術に関しては尖っているが、事業化までを考えるとなるとノウハウや予備知識に乏しく、また頼れる仲間もいないとあって、一歩引いてしまう要因になっているのではと考える。そのためプロトタイプ開発で満足してしまう傾向があり、先の事業化を検討するまでになかなか至らない。

【対策】
会津大学および本事業で発掘した起業家候補者等から情報収集を行い、他大学と連携したハッカソン、ベンチャー交流会、IT 技術以外のハッカソンへの積極的な参加を支援する。

会津大学教授陣の中から先輩起業家が生まれるように支援し、また教授陣が起業メンターになるような支援を行う。コミュニティスペース「Fab 蔵」を活用し、福島県外からの来訪者を呼び、起業に関するイベント等を開催する。

(4)会津地域へのIT人材集積
会津大学へは毎年250名ほどが入学する。入学者数の6割が県外からの流入であるが、卒業生の8割が県外へ就職するという状況となっている。

【対策】
「スマートシティ会津若松」構想をうまく起業の材料になるような活動を行う。具体的にはこの構想の内容について起業家候補者および駆け出しのITベンチャーに説明する機会を設け、勉強会、意見交換会、事業提携などのマッチングを行う。

会津IT日新館「ベンチャー基本コース」でも会津大学1,2年生に向けてアピールしていく必要があると思料。さらには会津大学在学中に起業メンバーが見つかるような環境提供、実際の起業イメージを持ってもらうために先輩起業家との交流などを増やしていく。

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