アクセンチュア作成!海外市場と繋がることで地方活性化を実現する

今回は今学生に大人気の外資コンサル、アクセンチュアが作成した地方活性化をテーマにした企画書です。

いかに海外に人気が出るような商品を選んだり、開発するのか。また、海外企業の誘致を仲介できる海外人材を増やしていくのか。そういったテーマに関して、深く掘り下げています。

地方活性化は今の日本の重要テーマであり、前向きに検討すべきヒントが満載です。

 

【目次】
1. 今回の企画書の特徴
2.『平成26年度アジア産業基盤強化等事業地域資源発掘のための海外人材育成施策に係る調査報告書』から学ぶ
3.表紙
4.目次
5.本事業の目的・概要
6.地域セミナーの開催
7.事業継続性の策定案検討に向けた事例調査
8.次年度に向けた事前研修とカリキュラム案の検討
9.次年度に向けた候補者の選定

 

1. 今回の企画書の特徴

今回の企画書は、地方活性化に向けて名産品の市場拡大のための販路及び投資拡大に向けて、外国人マーケティング戦略が記載されています。ポイントとなるキーワードを、以下に記します。

・新興国をはじめとした海外市場の獲得
・地方への対日投資の増大
・地方名産の販売先の確保
・食品、飲料、雑貨、工芸品の4つの商品分野
・観光、レストランの2つのサービス分野
・知事がトップセールスを行うなど、海外展開に積極的に取り組んでいる団体
・ブロガー
・異なる出身国
・ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)

 

2. 『平成26年度アジア産業基盤強化等事業地域資源発掘のための海外人材育成施策に係る調査報告書』から学ぶ

では、アクセンチュアが作成した企画書を以下具体的に見ていきましょう。

3. 表紙

4.目次

5.本事業の目的・概要1

1.1. 事業目的・背景

地方が成長する活力を取り戻すためには、地方企業による新興国を始めとした海外市場の獲得や、地方への対日直接投資の増大が必要となる。

他方、中小企業白書によれば、海外市場の獲得に当たっては、販売先の確保が大きな課題となっている。また、外資系企業の立地は大都市に偏在しており、地方への誘致は進んでいない。こうした課題に対しては、地域資源(商品、自然、歴史等)の潜在的魅力を海外の視点で発掘し、

①海外市場を獲得し得る商品の選定や開発アイディアを提案する海外人材や、
②海外企業の誘致を仲介する海外人材を増やす

ことで解決し得ると考えられる。

また、地域資源の供給側となる地方の自治体・企業が、保有する資源・商品の強みを把握するとともに、海外人材に効果的に説明することも重要となる。

上記の背景認識の下、日本の地域資源の潜在的魅力の発掘を通じ、海外展開及び対日直接投資を促進することが本事業の目的である。

5.本事業の目的・概要2

1.2. 事業の概要

本事業は、次年度に先駆けて実施するパートと、次年度実施するための事前調査のパートに大きく2つ分かれる。

①次年度に先駆けて実施(効果的な支援手法の検証)

・先行実施する地域セミナーに係る地域資源(実施場所や企業、観光地等)を選定する。(2.(2))
・地域セミナーにて地域資源の発掘に寄与できる海外人材を選定し、日本へ招聘する。(2.(1))
・海外人材が地域資源を有する企業や観光地を視察することで、海外の視点から海外展開の可能性や、海外旅行客増加に向けたアドバイスを行う等の地域セミナーに向けた事前研修やカリキュラムを検討する。
(2.(3))
・次年度に実施する事業内容への提言に向け、これらの視察を通じて得られた気づきや課題を抽出する。
(2.(4))

②次年度実施するための事前調査(地方企業による海外市場の獲得や地方への対日直接投資の増大に寄与する効果的な支援手法の実現)

・次年度に本事業を本格実施する際に、地域資源を有する企業や観光地に知見を持つ自治体や研究会を発掘する。(5(2))
・次年度の招聘する海外人材(1 ヶ国 100 名前後、全 9 ヶ国1)を発掘する。(5(1))
・上述の地域セミナーに向けた事前研修やカリキュラムの検討や(2.(3))、気づきや課題の抽出(2.(4))を踏まえ、次年度実施するための事前研修やカリキュラムの検討を行う。(3、4)

5.本事業の目的・概要3

1.3. 対象商品・サービスの定義

本事業においては、仕様書を基に、4つの商品分野(食品・飲料・雑貨・工芸品)と2つのサービス分野(観光・レストラン)の計6分野を海外人材及び地域資源選定の対象分野とした。

なお、分野の定義について、食品・飲料・観光・レストランは日本標準産業分類における対応分類を用い、雑貨・工
芸品については経済産業省の政策一覧の定義を用いて設定した。

6.地域セミナーの開催1

2.1. 地域資源の選定

①選定方針

地域資源の選定においては、都道府県単位での対象地域を選定し、その後、対象地域における参加企業及び視察先観光地を選定した。

対象地域については、海外展開に積極的に取り組んでいるか、また、準備期間が限定的な中で参加企業選定や海外人材招聘に係る種々の調整等に担当者を配置するなど、実現可能な実行体制を構築できるか、の2点から検討した。

また、対象地域における参加企業の選定については、企業が提供する商品への海外人材の関心度、企業経営者の海外展開意欲、海外展開の可能性の3つの選定の観点から検討し、三重県にて訪問する観光地については、招聘する海外人材の関心度を基に抽出した。

6.地域セミナーの開催2

②選定手法

対象地域の抽出については、先に述べた方針に基づき、三重県を選定した。

・県内企業の国際展開を推進するため、『三重県企業国際展開推進協議会』を設置し、海外のバイヤーを招聘した商談会や海外展開セミナー等のイベントを継続的に実施。平成26年度には、事業展開や販路開拓、東南アジアからの観光誘客を促進するために、知事を団長に「三重県アセアン・インド経済産業交流ミッション団」を結成し、インド、タイ及びマレーシアを訪問。

・三重県は、参加企業の選定・調整、通訳・交通手段・宿泊施設の手配等を実施するため、県庁内に本事業の担当者を配置し、またその担当者を中心に三重県庁全体で、本事業をサポートする体制を構築。

参加企業については、三重県庁等が過去に開催した海外展開進出促進イベント(商談会等)の参加企業の中から、当該地域資源(商品等)に関連する分野の企業を抽出した。その抽出企業を候補企業とし、三重県庁が候補企業と個別にコンタクトし、最終的には経済産業省にて参加企業を決定した。

【参加企業の選定プロセス】
◆三重県の特産品や観光地を三重県庁のウェブサイト、及び旅行関連サイトを基に抽出・一覧化し、招聘する海外人材が関心を持つ三重県の特産品を把握した。

◆その上で、三重県庁が開催している海外展開進出促進イベント(商談会等)の参加企業の中から、当該特産品に関連する分野の企業を抽出し、優先順位付けした。

【参加企業の確定】
◆抽出した候補企業については、個別に三重県庁がコンタクトし、事業の目的・日程を説明した上で、参加意思の有る企業を確定した。

視察観光地については、招聘する海外人材に対するヒアリングを通じ、関心度の高い三重県の地域資源(商品等)を把握した。その上で、抽出した観光地の中から、訪問する企業の立地とのアクセス等を考慮し、視察観光地を決定した。

【視察観光地の選定プロセス】
◆候補観光地の抽出
三重県の特産品や観光地を三重県庁のウェブサイト、及び旅行関連サイトを基に抽出・一覧化し、招聘する海外人材が関心を持つ三重県の観光地候補を抽出し、優先順位付けした。

◆視察観光地の確定
抽出した観光地の中から、訪問する企業の立地とのアクセス等を考慮し、視察観光地を決定した。

6.地域セミナーの開催3

③参加企業概要

地域セミナーにおいては、食品(加工食品・調味料)2社、伝統工芸品(陶磁器)1社の、計3社の企業が参加した。

6.地域セミナーの開催4

④視察先観光地概要

地域セミナーにおいては、海外人材の関心度が高かった、下記の5か所を訪問した。

・伊勢神宮
三重県伊勢市にある神社。太陽を神格化した天照坐皇大御神(天照大御神)を祀る皇大神宮と、衣食住の守り神である豊受大御神を祀る豊受大神宮の二つの正宮がある。

・おかげ横丁
1993年(平成5年)7月16日に、伊勢神宮内宮門前町「おはらい町」の中ほどで開業。約4,000坪の敷地の中に、飲食・物販合わせて 50を超える店舗が所在している。

・御在所岳
三重県三重郡菰野町と滋賀県東近江市の境にある標高1,212mの山。冬は雪に覆われ、ロープウェイを使用して山頂に行くと樹氷を見る事ができる。

・なばなの里
三重県桑名市長島町駒江にある植物園。長島観光開発株式会社の運営するナガシマリゾートの一施設で、冬季にはイルミネーションを楽しむことができる。

・伊賀忍者博物館
三重県伊賀市にある博物館。忍者屋敷・忍者体験館の見学や忍者ショーの観覧をすることができる。

6.地域セミナーの開催3

2.2. 海外人材の選定

①選定方針

海外人材の選定にあたっては、その人材が地域資源を持つ日本企業等へ適切なアドバイスするために必要な知見や職歴を有しているか(人材属性の観点)、複数の国からフィードバック等が得られるか、また極力日本企業にとって事業機会が大きい国を選定しているか(出身国の観点)、すでに日本に馴染みがあり、日本商品について熟知している外国人ではなく、現地の目線からアドバイスできるか(現居住地の観点)の3点から検討した。

【海外人材選定の観点】
◆人材属性の観点
・販路開拓支援を中心に価格設定や商品に対するフィードバックも期待される提携先候補関係者と、広報活動支援を中心に価格設定や商品に対するフィードバックも期待されるブロガーを招聘対象とする
・その中でも、波及効果が大きく(提携先候補であれば店舗数、ブロガーであれば購読者等)、日本との関係性がある(提携先候補であれば日本からの輸入実績・計画有無、ブロガーであれば日本関連記事の有無等)人材を優先対象とする

◆出身国の観点
・複数国の嗜好や課題を一同に検証するため、異なる出身国の海外人材を招聘対象とする
・その中でも、本年度事業の招聘対象であるインド・ASEAN諸国(但し、シンガポール及びブルネイは除く)の中でGDPが大きく、日本企業にとって事業展開の機会が大きいと想定されるインド・インドネシア・タイを出身国とする海外人材を招聘対象とする

◆現居住地の観点
・直近の海外の消費者ニーズを良く知っていること、海外からの人材招聘による運営上の課題を検証すること、の2点を満たすため、日本居住の海外人材ではなく、現在自身の出身国に居住している人材を招聘対象とする。

6.地域セミナーの開催4

なお人材属性について、次年度実施の際には、提携先候補関係者やブロガーに加え、提携先候補となり得る地元中小企業等に強いネットワークを持つ金融機関関係者、日本の観光地等の広報活動を支援するメディア関係者も招聘することを想定している(詳細は「5.1. 発掘側海外人材」参照)。

但し、本年度に関しては、販路開拓支援等、特に日本企業の海外進出にとって直接関わりがあり、またこれまでの職歴や経験等によって日本企業に有益なアドバイス等が行える提携先候補関係者と、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を活用して簡易に観光地等の広報活動を支援できるブロガーを招聘対象とした。

②選定手法

経済産業省のこれまでの事業実績や、本事業受託者であるアクセンチュア株式会社(以下アクセンチュア)のグローバルネットワークを活用すると共に、公知情報を通じて取得した人材の中から選定方針に適合する海外人材候補を抽出した。その中で、候補者と個別に電話会議を通じてアクセンチュアが面談し、結果を踏まえ経済産業省により招聘人材を決定した。

6.地域セミナーの開催5

③招聘人材概要

本地域セミナーにおいては、インド出身者2名(ブロガー1名、提携先候補 1名)、インドネシア出身者2名(ブロガー1 名、提携先候補1名)、タイ出身者1名(提携先候補1名)の計5名を招聘した。

6.地域セミナーの開催6

2.3. 地域セミナーの開催

①全体概要

次年度の本格実施に向け、事前研修や地域セミナーカリキュラムの実施内容を検証するために地域セミナーを行った。また、セミナー後に日本商品巡りを行う事で、招聘海外人材出身国の人々の嗜好を収集した。

【全体プログラム】
◆来年度事業の実施内容検証/三重県
◇事前研修(3時間)
・三重県企業には、特産品をより良く紹介し、新たな商品開発の可能性や改善点を知ってもらうため、自社や商品の紹介資料の作成等に関する事前研修を実施した
・海外人材については、ハンドブックを地域セミナー開始前に一読頂くことで、事前研修とした

◇地域セミナー(3日間)
・企業訪問においては、海外人材と現行商品の改善点や、素材や技術を活かし、新たに開発したら有望と思われる商品などについて議論した
・観光地視察においては、海外人材のフィードバックを基に、自治体や観光地関係者が、地域資源の強みを把握する機会とした

◆嗜好の把握/東京都
◇日本商品巡り(2日間)
・それぞれの国でどういった日本の商品が受けるか等を見出すため、東京にて各都道府県のアンテナショップや、デパートにて開催されている物産展、その他量販店等を見て回り、海外人材に自国にて販売できそうな商品のフィードバックを提供してもらった

6.地域セミナーの開催7

②実施体制

本地域セミナーは経済産業省が主催し、経済産業省から委託を受けたアクセンチュア株式会社が事務局を担当した。また、三重県には支援者としてご協力いただいた。

6.地域セミナーの開催8

2.3.1. 事前研修(海外人材向け)

①実施日時・場所・実施方法

時間的な制約があり、来日時に海外人材を集めて事前研修することが難しかったため、地域セミナー開始前に日本や三重県、三重県企業に関する概要、歴史、商品説明等に係る資料を送付し、自己学習形式を取った。

②実施対象

招聘海外人材5名

③実施目的・内容

海外人材により多くの地域資源に魅力を感じていただくため、商品・サービスだけでなく、その歴史的背景や商品が開発されたストーリーも含めて深く理解していただくことを目的とし、①日本について、②三重県について、③今回訪問する企業について、の3つのアジェンダに沿って研修用資料を提供した。

6.地域セミナーの開催9

2.3.2. 事前研修(日本人向け)

①実施日時・場所・実施方法

2月13日(金)13:00~16:00
三重県庁8階、サービス産業振興課会議室
講義形式で実施した。

②実施対象

参加企業3社の担当者

③実施目的・内容

三重県企業が、海外人材の出身国を良く知り、相手の目線に立って強みを紹介できるよう事を目的として事前研修を行った。

6.地域セミナーの開催10

実施目的に鑑み、具体的には①今回来日するインド・インドネシア・タイの人材について、②インド・インドネシア・タイを良く知る、③相手の目線で地域資源(商品等)の強みを紹介できるようになる、の3つのアジェンダに沿って講義を行った。

6.地域セミナーの開催11

2.3.3. 地域セミナー
① 実施日時・場所

2月16日(月)~2月18日(水)にかけて、三重県伊勢市、四日市市、伊賀市において、地域資源保有企業及び観光地を訪問・視察した。2 月 18 日(水)には、三重県津市の県庁にて県知事を訪問した。

③ 実施目的・内容

地域セミナーは、参加企業の海外展開促進及び対日投資・外国人観光客の増大を目指し、次年度本格実施するために必要な気づきや課題の把握を目的として実施した。

参加企業の海外展開促進については、企業の製造現場を含めて海外人材が視察しフィードバックする事で、参加企業が①海外で現地消費者が購入したいと考える商品・価格帯を把握する、②提携先候補を把握する、③海外への情報発信機会として活用することを狙いとした。

対日投資・外国人観光客の増大については、観光地を海外人材が視察しフィードバックする事で、自治体や観光地関係者が①海外から現地消費者が訪問したいと考える観光地を把握する、②海外への情報発信機会として活用することを狙いとした。

参加企業の海外展開促進に向けた企業訪問においては、企業側から地域資源(商品等)を良く紹介した上で、海外人材と現行商品の改善点や、素材や技術を活かし、新たに開発したら有望と思われる商品などについて議論した。

② 実施目的・手法

アンテナショップで販売されている全国各地の地域資源(商品等)や、デパートや量販店等で販売されている日本商品を数多く視察し、インド・インドネシア・タイで売れそうな商品や新たな活用余地のある商品の特徴を把握した。

具体的には、各都道府県のアンテナショップを視察し、購入した商品や、インド・インドネシア・タイで展開可能性のある商品について、下記の項目を逐次記入し、事務局にてデータを集計した。

・店舗名:店舗名もしくは都道府県名を記載
・商品名:ラベル等に表示されている商品名を記載
・分類:「1.食品」「2.飲料」「3.雑貨」「4.工芸品」「5.その他モノ」のいずれかから選択
・購入/未購入:対象商品を実際に購入した場合は「購入」を、購入には至らなかったが、各国で展開可能性があると思われる場合は「未購入」を選択
・購入対象:「購入」、「未購入」の商品について、活用用途(個人用、自店舗での販売用)や対象者(個人の場合は、自分用、友達や兄弟へのお土産等、自店舗の販売用の場合は、対象世代や、所得層)を記載
・購入理由・商品特徴など:「購入」、「未購入」の商品について、購入した、もしくは関心を持った理由を記載すると共に、「未購入」については、購入に至らなかった理由を記載

③ 実施結果
・全体概況
(A)海外人材が購入した商品、及び(B)購入しなかったが関心を持った商品について、海外人材が記入したシートを基に集計した所、分野別では食品が最も多く、次に飲料と雑貨が多かった。

・海外人材の嗜好(分野別)
・食品
食品の中でも、特に調味料、洋菓子、和菓子への評価が高かった。試食が出来ないと味が分からない等の事情もあったものの、3カ国とも共通してパッケージに対する評価が高い商品(パッケージの色が綺麗、デザインが日本的等)への関心度が特に高かった。また、味の濃い食品は特に好まれ、関心度も高かった。
・飲料
アルコール類については、日本酒、ビール、(主に女性を意識した)甘い梅酒等への関心があった。コーヒーやオレンジジュースについても関心があったものの、特にオレンジジュースについては、価格が高くても味の違いが分からないという意見もあった。その他、日本茶への関心も見られた。

・雑貨・工芸品・その他(化粧品)
雑貨・工芸品等については、日本的でありかつ品質が高い雑貨、化粧品等への関心が高かった。

・海外人材の嗜好(国別)
・インド
特に食に関しては、辛い・甘い等味が強い食べ物への関心が非常に高かった(甘い物:ショコラ、ソフトクリーム、お東など。辛い物:わさびなど)。また、全ての分野においてデザイン性の高い商品に関する注目度が高く、特に色彩が強い商品を好む傾向にあった。

・インドネシア
食品に関しては、健康的な物、辛い・甘い等味が強い物が好まれる傾向にあった(健康的な物:低カロリーのドレッシングなど。甘い物:和菓子、洋菓子など。辛い物:激辛ソースなど)。また、個別の商品としては、スナック、餅、女性向けの甘い酒が好まれるというコメントもあった。

・タイ
食品に関しては、ヨーグルトやドレッシングなど、健康的な物が比較的好まれる傾向にあった。また、個別の製品としては、乳製品や麺類への関心度が比較的高かった。

2.4. 地域セミナーの開催を通じた次年度に向けた気づき

2015年2月13日(金)~20日(金)の日程で行った地域セミナーでは、海外人材や三重県企業との討議やフィードバックを通じて、以下6点について次年度実施に向けての気づきがあった。

①目的に資するマッチング
・今回、三重県3日間の日程で3つの企業と面談し、商品概要や、今後の海外進出の可能性、新たな商品開発の方向性等について議論したが、海外人材(特に提携先候補)からは、せっかく訪日したにも関わらず面談できた企業数が少なかったとフィードバックを頂いている。

・要望としては、15-20 社程度は会いたかったというコメントがあった(但し、上記の数は、展示会を想定して話していた模様)。

・また、同3日間で訪れた観光地に対する海外人材の評価は何れも高かったものの、提携先候補からは、感覚値になるが、企業訪問が全体の70-80%、観光地は20%程度でよかったのではないかという意見があった。

・更に、実際に観光客誘致に繋がるのはブロガーによる情報発信だけであるため、提携先候補については、家族や友人に口コミは期待できるものの、単なる旅行になる可能性も高い。

・このため、企業の海外進出促進の目的に資する企業訪問と、対日投資促進の目的に資する観光地訪問は分離し、また訪れる海外人材も分けて検討した方がよいのではないか。

② セミナーでの論点と事前準備の深度と時間

・今回の三重県企業に向けた事前研修では、各企業が持つ本事業への参加目的がそれぞれ異なっている(もしくは本事業へ参加することに依って得られるメリットが異なっている)ことが判明した。

・例えば、「自社製品は各国で売れるか?どうすれば売れるか?(積極的な売込)」を知る事が目的の企業、「まずは現地のニーズを知りたい・アイディアを聞きたい(情報収集)」という企業、どこまでを目的とするか決めかねている企業があった。

・一方で、海外人材は、よりよい商品を見つけ、将来的に購入することも視野に入れて来日にしていることから、積極的な売込については論点や議論がかみ合いやすいが、情報収集を目的にする場合、議論がかみ合わないことが見受けられた。

・このため、特に日本企業側が本事業へ参加する目的を明確にし、論点を具体化させておく必要がある。

・加えて、その論点に応じて、事前準備の深さや、準備にかける時間も異なってくるため、事前研修を設計する
際には考慮が必要である。

③ 目的達成に向けたフォロー

・三重県3企業を訪問した海外人材(特に提携先候補)からは、それぞれ今後具体的に輸入したい商品が見つかったとフィードバック頂いている。

・三重県各社へも上記の旨は伝えているものの、本事業の目的である海外展開促進に繋がるかどうかは、海外企業・三重県企業それぞれの意思や自主性に委ねられており、事業目的を達成したかどうかは不透明である。

・このため、特に売り手である日本企業に対して、輸出までの具体的なアクションプラン(日本企業の現地視察含)を描くサポートや、海外人材との橋渡し、実際に輸出・拠点する際の情報提供をするなど、海外展開へ繋がる支援が必要ではないか。

④ 対象とする日本企業の選定と数

・今回参加頂いた三重県企業は何れも輸出もしくは拠点設立に関心を持たれており、その分海外人材との議論も基本的には円滑に進めることができた。

・また、次年度実施する際には、企業の進出意欲もさることながら、運転資金についてもある程度は余力のある企業を見極める必要があるのではないか。

・また、企業の進出意欲については、実際に面談してみるまで真意を窺い知ることは難しいため、選定の際には、企業数にも依るがプレゼンテーションなどを行うこともあり得るのではないか。

・企業数については、先にも述べたとおり、海外人材の要望からすると多いに越したことはないが、一方で、企業の目的やそれに沿った事前準備に必要な時間を考えると、双方のバランスが必要である。

・このため、今回は三重県1県だけであったが、分野別(食品や工芸品等)に複数県を周遊することでバランスを担保してはどうか。

⑤1組あたりの国・属性配分と数

・日本企業にとって面談したい人材は、提携先候補となり得る小売店や輸入代理店等であるため、複数の属性(提携先やブロガー等)で組む場合は、提携先候補数は他の属性(ブロガー等)よりも多くなる。

・実際、事前研修では、日本企業各社より、なぜブロガーは同行するのか、理解頂くのに時間がかかった。

・一方で、観光地に関しては提携先候補となり得るのは旅行代理店であるし、また情報発信も商品を製造・販売する企業に比べると重要度が増す。

・今回の三重県での観光地やホテルも、情報発信することを条件に価格等を割引した企業もあった。

・このため、企業訪問の際には、提携先候補を小売店や輸入代理店とし、またその数はブロガーより多く想定する、また観光地訪問の際には、提携先候補は旅行代理店や旅行関係のレビューサイトなどとするが、ブロガー数はほぼ同数程度を見込んではどうか。

・また、日本企業へのヒアリングでは、どこの国に進出したいという明確な意思がある企業は見受けられず、売り上げが立つのであればどの国でも拘りがないという意見を頂いた。

・このため、1組の国籍について当初は1ヶ国とし、属性(提携先候補やブロガー等)を分散させていたが、日本企業にとっては、属性を一定にしつつ、複数国の状況が分かる議論ができる方が有益ではないか。

⑥ 運用面での気づき・留意点

・事前研修(日本人)

・日本人向けの事前研修については、①ASEANとインド各国の状況と、②企業側が想定する目的感や議論したい論点の洗い出し、③商品概要や強み等についての資料作成、の3点を13時から16時の3時間で、3企業を並行して実施した。

1. ASEAN とインド各国の状況

・3社合同の講義形式で一定の理解を得て頂いたものの、特に関心を頂いた各国の商流については、海外人材から現場感のあるお話を頂いた方が納得感を得られやすいのではないか。

・今回は海外人材に自主的に自国の小売業界について資料を作成頂き、参加企業にご説明頂いた。特にアンケート等でのコメントはなかったものの、説明する時間を別途持つことができればより理解が深まったのではないか。

・また、アンケート結果からは、現地の概要や商流だけでなく、進出済みの国内外企業の成功例や特に失敗例が分かると良いとの意見を頂いている。

2. 企業側が想定する目的感や議論したい論点の洗い出し

・長年考えられてきた事業の方向性や、本事業へ参加される目的・論点をまず掃出して頂くためには、3社合同が難しく、個社別に十分かける必要がある。

3. 商品概要や強み等についての資料作成

・今回の地域セミナーでは、特に海外人材から、日本人(もしくはその商品を良く知る人)だけにわかる玄人な差ではなく、誰にでも分かり易い明確な差別化要素が多く質問されたが、資料上では表現しつくされていなかった。

・また、資料作成については、パソコンやソフトの使い方についても事前に考慮しておく必要がある。

・上記を踏まえると、日本人向けの事前研修については、①を概要(各国の歴史や経済動向等)と、商流など一歩踏み込んだ内容とに分離し、前者と、②③は企業個別に事前に行い、①の後者については、海外人材が来日の際に実施するなど、複数回に分けると共に、1 社で実施する場合と複数社で実施する場合等に分けて考えた方が良いのではないか。

・なお、複数社で実施するメリットとしては、日本企業間同士の情報共有が挙げられる。今回も3社はそれぞれ初対面であったが、事前研修の中でそれぞれの進出経験を語って頂くことで、お互いの理解が深まっているように見受けられた。

・事前研修(海外人材)

・海外人材へは日本や地域、各企業の商品概要や強みなどは予め訪問前に伝えておく方が、地域セミナーの中での議論がより深いものになる。

・一方で、企業概要や観光地のパンフレットは日本語しかないものが多く、また、英語であっても、文字がたくさん書いてある資料はあまり読まれない。実際今回も海外人材用のハンドブックを作成したものの、説明がなければなかなか読まれなかった。

・このため、海外人材にも分かり易い日本・地域・商品概要・価格・強み等を示した資料の作成を行った上で、企業・観光地訪問前に事前に説明する必要がある(可能であれば、来日前に電話もしくはビデオ等を使って説明できれば、海外人材の関心度も把握でき、日本企業とのマッチングのためにも良いのではないか)。

・地域セミナー(企業訪問)

・今回の企業訪問では、①商品概要の説明、②工場等の視察、③海外人材との海外進出や、新たな商品の方向性等について議論し、約 3 時間程度で実施した。

1. 商品概要の説明
先にも述べたように、商品概要の説明では、海外人材から差別化要素を求められたが、商品や、商品に纏わる素材・技術が競合や類似商品と比べて明確に示すことが難しかった。

2. 工場等の視察
海外人材からは、1商品を深く知るよりも、複数の商品、複数の企業を多く見る方が有益とのフィードバックを得た。

3. 海外人材との海外進出や、新たな商品の方向性等について議論
議論では、通訳と連携しつつ、日本企業側と海外人材側双方が聞きたいこと・議論したいことを踏まえて、ファシリテーションしなければ、落としどころの無い議論、もしくは次のアクションに繋がらない発散した議論に陥る可能性があり、これらを考慮した進める必要がある。

・これらを踏まえると、特に①と③を強化した取り組みが次年度必要ではないか。
・議論の場で使用するテンプレートを用意し、記入していくという方法も考えられる。
・地域セミナー(観光地訪問)
・今回、伊勢神宮、御在所岳、なばなの里、忍者博物館を訪問し、どの訪問先も好評を得た。これは、

①日本固有の観光地であること(伊勢神宮が忍者博物館)、②海外人材にとって馴染みがない場所であること(御在所岳)、③他観光地を圧倒する強みがあること(なばなの里のイルミネーション等)の何れかに分類され、次年度選定する際にもこれらを考慮する必要がある。

・しかし、概ね各地域資源では英語表記された案内やパンフレット等がなく、観光地側が発信したい情報に漏れが生じる可能性があるため、可能であれば英語でのパンフレット等はご用意頂く方が望ましい。

・また、海外へ発信する際には、県名や企業名、観光地名等を記載する、またいつのタイミングで発信するかなど、具体的な依頼を事前に行っておくことが必要。

・加えて、今回は特に問題はなかったものの、宗教上、訪問し辛い神社仏閣等については、事前に海外人材に可否を確認する方がスムーズである。

・なお、伊勢神宮で訪問した遷宮館のように、写真撮影が禁止されている場所は、ブロガーの観光先としては適さないため、選定の際に考慮する必要がある。

・地域セミナー(知事表敬・報道発表)

・知事からの分かり易いメッセージや、県に対する情熱、中小企業へのサポートは報道発表と共に好評で、海外人材のモチベーションアップにも繋がっていた。

・地域セミナー(日本商品巡り)

・殆どのアンテナショップでは、英語のパンフレットや表示がなく、また試食も少ないため、ハンドブックを用いて
説明したものの、複数巡る内にすべてが同じに見えてしまったといったフィードバックを頂いた。

・しかし、その中でも、色合いのきれいなもの、特にその土地に根差していると紹介したものについては比較
的購入されていた。

・運営全般について
・セミナー実施体制
– 地域セミナーを実施するにあたっては、事務局(アクセンチュア)が中心となりつつ、地域資源側である三重県庁にも支援頂きながら推進した。主な役割分担としては、三重県庁が三重県にて行うことや三重県企業等との調整を行い、事務局は全体の方針を経済産業省と討議しつつ、海外人材との調整や、三重県庁との調整、セミナーに係る手配等を行った。(基本的にすべての意思決定は経済産業省にて実施)

– 経済産業省:検討事項すべてに係る意思決定
– 三重県庁:三重県にて行うことや三重県企業等の抽出・調整
▸ 三重県にて訪問する企業、観光地、宿泊先の抽出・決定、各者との調整
▸ 三重県知事との表敬訪問に関する提案・調整
▸ 三重県内における報道発表に関する提案・調整
▸ 事前研修に係る会場、通訳、移動手段、飲食先等の事務局への提案
– 日本人向け事前研修、及びカリキュラムへの参加 など
– 事務局:海外人材との日程・渡航調整、全体調整・進捗管理・手配
▸ 候補となる海外人材候補の抽出(決定は経済産業省)
▸ 海外人材との日程・渡航調整
▸ 事前研修に係る会場、通訳、移動手段、飲食先等の手配
▸ 事前研修・カリキュラムに係る資料作成・英語化、及び参加 など
– なお、今回の地域セミナーでは、三重県庁が1名事務局とのカウンターにあたる担当者を配置し、その方による丁寧なコミュニケーションや、積極的な提案によって、企業側・海外側の満足度の高いセミナーにすることができた。具体的には、三重県企業へ打診する際にも、単に公募するというこ

とではなく、海外進出に意欲的(もしくは対日投資に積極的)な企業にアタリを付けた上で、企業まで出向き、本事業の趣旨や、実施内容など丁寧なコミュニケーションを行って頂いた。

加えて、現地の各種手配(ホテル、通訳、移動手段等)についても、現地でなければ知り得ない、実績に基づいた提案を頂くことで、不要な比較をすることなく、手配することができた。

– 次年度実施する際には、この三重県にあたる役割が、コンソーシアムの主幹事になることが想定される。主幹事にあたっては、主となる担当者の配置に加え、自らの地域や資源を売り込む際の①丁寧なコミュニケーション、②自らで動く・提案する積極性、③関係者の要望に応じて対応する柔軟性の3点を特に期待したい。

 通訳
– 通訳者との事前資料共有や、事前打ち合わせ(対事務局と、対企業)は実施することが望ましい。
– また、逐次通訳を実施する場合には、日本語で話す間隔を意識して実施しなければ、十分に意図したことが伝わらない。
 海外からの渡航
– 新興国から来日する場合、特にインド等では、VISA の手配が受け側である事務局にも必要であるため、余裕を持った渡航調整が必要である。
– また、特に提携先等の意思決定者の場合、要職についている人材が多く、ビジネスクラスを強く要望される方がいるため、謝金規定の検討の際には考慮が必要。
– 海外からの到着地点については、地域セミナー対象地域によって、成田や羽田である必要性はない。但し、往復で予約しなければならないなど、金額等の兼ね合いが必要。
– 確定審査を踏まえると、航空券については海外人材が自身でチケットを購入するのではなく、事務局側にて手配する方が望ましい。
 国内移動
– 極力移動は歩きが少ない方が海外人材の心証がよい
– 渋滞に巻き込まれる可能性もあり、また移動には想定より時間がかかる(海外人材は比較的ゆっくり歩く)ため、余裕を持ったスケジュールの方が望ましい。
 食事
– 食事は重要で、不満がでると調整に時間がかかるため、一つは好みを予め把握してく(ベジタリアンや、宗教上の制約は事前に検証すべき(生もの、肉など))ことと、自由度(オプション)が必要。
– また今回の場合、海外人材は特に肉料理を好み、2 回立て続けに出された野菜料理は非常に不評であった。
– また、初めて日本に来る海外人材については、食材や素材が分からないため、メニューに加え食材等についても英語表記されていた方が安心して食べることができる。
– 食事に係る費用は予め算出し、徴収しておいた方が人数が多く、また移動時間が限られている中

では、スムーズに進められる。
– 食関連の参加企業の関係者にとっては、海外人材との食事の機会があると、海外人材の嗜好等を感じられる。
 ホテル
– ビジネスホテルは面白味がない、体の大きい外国人にとっては小さすぎるとの評価を得た一方で、Acqua-Ignis 等の観光客向け温泉付き宿は好評を得た。
 リスクヘッジ
– 今回の招致では、訪日する海外人材が最後まで二転三転した。このため、極力事前に予定を入れる、出張が多いことが想定されるため、最初に日程を聞いてから確認するなどの対応をした上で、万一、就任承諾書を経た後に本人都合で来日できない場合は、賠償や代理人を立てる必要性は予めコミュニケーションしておく必要がある。
– マナーは国によって異なるため、日本のマナー(写真は撮る前に事前に声掛けをする、電車の中では、電話しない、音を出さないなど)は来日時に周知しておく。
 地域セミナーへの持ち物
– 今回ブロガー等向けにWiFiを用意したが、1日移動することを踏まえると追加充電池があった方がよい。
– また、海外人材については、名刺を持ってこない方もいたため、訪日前に周知する必要がある。
 その他
– 言語表記はレストランのメニュー、道路・鉄道標識、地図、観光案内、お風呂場のシャンプーなど様々な箇所で課題
– 時間は押す傾向にあるため、余裕を持ったスケジューリングが必要
– ハンドブックについては、上述の通り、海外人材には分かり易いものを用意する必要があるが、関係者が多い日本側では、意識合わせのためにも作成した方が良いのではないか。
– 大浴場における着替えやマナーについては、慣れない海外人材もいるため、簡単な作法を周知する事が必要がある。

3. 事業継続性の策定案検討に向けた事例調査

① 調査方針

地域セミナー後に本事業の効果を継続・最大化させるために、参加企業、訪問観光地の各観点から方策を検討する必要がある。そのため、各対象の方策検討に資する事例調査を実施した。

② 企業の事例調査
 調査方針
企業の事例調査にあたっては、企業の拠点設立・輸出につなげるという目的を念頭に、企業の意思決定ス
テップ例を調査・分析した。そのステップにおいて、セミナー~企業による拠点設立・輸出実施の意思決定に至
るまでの期間を要フォロー期間として想定し、各ステップにおける方策の検討に資する事例を抽出した。

調査結果概要
事例調査から、企業が海外展開を推進する上で重要なカギを、ステップ毎に調査・分析した。その上で、第
三者が、企業に対して提供し得るフォローアップ案を検討した。

③ 観光地の事例調査
 調査方針
観光地の事例調査にあたっては、外国人観光客の増加につなげるという目的を念頭に、自治体等の施策
実施ステップ例を調査・分析した。そのステップにおいて、セミナー~海外旅行代理店側でのパッケージツアー検
討要否決定に至るまでの期間を要フォロー期間と想定し、各ステップにおける方策検討に資する事例を抽出
した。

調査結果概要
事例調査から、自治体が外国人観光客を増加させる上で重要なカギを、ステップ毎に調査・分析した。そ
の上で、第三者が、自治体等に対して提供し得るフォローアップ案を検討した。

知事のトップセールスを最大限活用する

 知事がトップセールスの際に、外国人の視点での地域資源の強みを把握し、それに合わせて地域資源をブランド化

 観光地に関する海外からの評価を基に、評価の高かった観光地や観光地における活動を取り纏め、トップセールスの際の知事用インプット資料として活用できるように支援する

優先する対象地域を絞り込む

4. 次年度に向けた事前研修とカリキュラム案の検討
① 次年度実施に向けた検討
 全体アプローチ
次年度実施するにあたっては、以下のようなアプローチを想定している。この中で、本年度の取り組みを通じて
特に示唆を得られた、特に地域資源の選定や海外人材候補とのマッチング、地域資源魅力発掘プログラムに
ついて言及したい。

地域資源の選定
 募集対象者(コンソーシアム)候補の単位
先にも述べた通り、食品や工芸品等の商品を海外展開したい企業への訪問と、日本の旅行客を誘
致したい観光地企業への視察は、招聘する海外人材が異なる。本事業は日本資源と海外人材の関
心度を如何に合致させ、有意義な討議等を行えるかが、双方の満足度、ひいては海外展開へ進展する
大きなカギとなるため、分野毎(食品、工芸品、観光等)にプログラムを構築することが望ましい。
加えて、来日時の海外人材の移動等を踏まえた実現可能性を考えると、同一県もしくは隣接県で構
成されている方が、海外人材へ効率的に商品やサービスを紹介することができる。

 主幹事、及び参加企業の要件
– 主幹事の要件
本事業の目的や、募集対象者(コンソーシアム)単位の考え方に基づくと、地域資源及び地元中小企業の活性化や海外進出促進をミッションとしている団体・都道府県庁でなければ、主幹事になるメリットがない。これらの候補については、本年度発掘した一覧をご覧いただきたい。

また、主幹事については、必ず 1 名は担当者をつけ、①丁寧なコミュニケーション、②自らで動く・提案する積極性、③関係者の要望に応じて対応する柔軟性の 3 点を特に期待したい。

▸ プログラム実施体制と、コンソーシアム主幹事の役割
事務局は、前コンソーシアム(20 組程度)全体に係る方針等の検討・進捗管理、海外人材との調整について、また、海外人材については、海外展開、対日投資促進のためのアドバイス・情報発信、地域資源に係る日本企業については、海外人材への積極的なプレゼンテーションを行うことにそれぞれ責任を持ち、各コンソーシアムの主幹事は、個々のコンソーシアムにおける調整・管理を実施することを想定している。

特に、主幹事は、各地域資源に係る企業と本事業の事務局との間に入り、特にコンソーシアム内の総意を取り纏め、事務局と調整し、プログラム(事前研修やカリキュラム等)を実現していく必要がある。加えて、本プログラムの対外的な情報発信(報道発表等)や、地域資源に係る関係者(県知事等)との面談については、主幹事からの提案によるものとする。

 参加企業(地域資源に係る日本企業)の要件
参加企業については、海外進出と、対日投資の目的によって異なる。海外進出を目的とする企業は、実際に企業が輸出・拠点設立をするなど、企業側からの何らかのアクションが必要となることから、商品の競争優位性(もしくは“ウリ”が明確になっていること)に加えて、経営者の関心や意欲が重要になる。一方で、対日投資については、観光地等のコンテンツそのものが重要になる。

 応募要領
主幹事から応募する際には、単に基礎情報やプログラムの内容・スケジュールだけでなく、主幹事や日本企業等における本事業への本気度や、“ウリ”の明確化、その後の海外人材とのマッチングを想定した情報収集を行っておくことが必要である。

– 主幹事や日本企業等における本気度
▸ 当該コンソーシアムの設立背景・理由
▸ 応募の背景・社長の意気込み
– 海外展開・対日投資を促進できるコンテンツ有無・実現可能性
▸ 当該コンソーシアムである優位性(“ウリ”文句)
▸ 当該企業商品が“ウリ”にしていること
▸ 当該企業の財務情報
– 海外人材とのマッチングを想定した情報収集
▸ 面談したい企業(もしくは対象者)・対象国

 審査委員の選定
委員については、この事業の目的(①日本の海外展開、②対日投資の増加)に真に資する自治体・研究会(もしくはそれらのコンソーシアム)であるか、また、応募された各プログラムの実現可能性双方の「目利き」ができる方を選定する必要がある。

– 目的に資する自治体・研究会であるかの目利き
▸ 商品を提供する企業への目利き
 海外展開をする難しさなどを熟知し、海外展開を行った企業の成功例・失敗例を知っており、どういった企業であれば海外展開できそうかが分かる

⇒ 例:海外進出し、成功(もしくは失敗)した企業経営者、日本企業の海外展開を長年に渡って研究している学術研究者、日本企業の海外展開をサポートしているコンサルタント など
▸ 観光資源への目利き
 ASEAN やインド等の対象国の観光に関する嗜好、及び日本の観光資源に対する外国人の滞在・消費動向を知っており、どういった観光資源がどの国の消費者に請けるのか分かる
⇒ 例:対象国・日本における旅行関連の消費動向等に関する学術関係者・政府関係者、旅行業者、日本への海外旅行者増加の促進をサポートする民間企業など

– 応募された各プログラムの実現可能性に関する目利き
▸ これまでに類似事業(海外人材を日本へ招聘し、企業とのマッチングや、企業訪問や観光資源の紹介等を行った事業)を実施し、その経験から、事業を実施する上での難しさ、リスク等を熟知している
⇒ 例:過去類似事業実施者、旅行代理店 など

 地域資源と海外人材とのマッチング

 マッチングのポイント

本事業の目的である①日本の海外展開、②対日投資の増加を達成するためには、日本側の意向に加えて、海外人材側の関心度を如何に引き出すか、そして海外人材と海外人材が関心のある企業とをマッチングすることが肝要である。

関心を引き出すために、コンソーシアムそのものや、各企業の“ウリ”(強み)を明確かつ具体的に示す必要があり、このためコンソーシアム毎のアピールポイントを、応募する際に提出した、当該コンソーシアムの設立背景・理由・優位性や、各企業商品のウリを基に一覧化することが重要である。

なお、次年度にて、例えば約20組(×30社)を想定するのであれば、事務局側で本業務を対応することは難しいため、各主幹事に対応頂く方が望ましいのではないか。

また、海外人材へ打診する際には以下を留意する必要がある。

– 海外人材へ幅広く声かけ
▸ 本事業では、地域資源や日本企業と想定通りの海外人材とをマッチング(例:食品関連の地域資源を海外でスーパー等を営む経営者をマッチング)するだけでなく、通常あまり想定されないマッチングも試みることも想定している。(例:海外のレストラン経営者と伝統工芸をマッチングすることで、新たな使い方を模索するなど)
▸ このため、事務局は、海外人材とのマッチングを打診する際には、コンソーシアムから要望される 6-7 名だけでなく、他の分野へも幅広く声かけすることが望ましい。

– ぎりぎりではなく少し余裕を持った数を確保
▸ 1コンソーシアムあたりの海外人材は 6-7名を想定しているが、訪日間際にキャンセルする海外人材がいないとも限らない。このため、少し余裕を持った人数を予め確保する必要がある。
– 口頭での丁寧なコミュニケーション
▸ 事務局としては、資料を海外人材へ単に送付するだけでなく、電話等口頭で補足しながら説明することで、海外人材の地域資源の理解が深まるものと考えられる。

 プログラム全体像
地域資源魅力発掘プログラムは、①事前研修、②カリキュラム、③フォローアップの 3 つのフェーズに分類され、②については、主幹事を中心としたコンソーシアムにて本事業へ応募する際に提案される内容を基に実施する(但し、大まかなスキームについては後述にて定義する)。一方、事前研修やフォローアップは、事務局にて検討する。

また、本来は、企業訪問と観光地視察では目的が違うため、①~③のプログラムそれぞれについて、個別にアジェンダやコンテンツ等を決定していくことが望ましい。

 事前研修
– 全体像
何か特定のトピックについて議論するためには、議論するに足る情報を予め知っておく、また議論する相手も同量・同質の情報量を持ち合わせておく必要がある。事前研修の狙いは、日本企業の海外展開や、観光地への旅行客誘致に直接的に繋がる議論をカリキュラムにて行うため、事前に知っておくべきことを日本人にも海外人材にも双方にインプットすることにある。

同じ日本人同士であれば、「なんとなくの共通認識」や、「あうんの呼吸」ということが望める場合があるが、相手が外国人、特に日本に来日経験がなくこれまでに直接的に日本・日本人と関係のなかった外国人とコミュニケーションするためには、その人(海外人材)が日本や、地域資源、企業やディスカッションする日本経営者をよく理解しておく必要がある。また、日本人についても、進出先となり得る各国や、当該国における業界・流通状況、及び来日する海外人材について十分にインプットする必要がある。

また、コンソーシアムや各企業が本事業に参加する狙いや議論したい論点は、往々にして異なり、そこを無視したままカリキュラムを実施すると、情報ラグが発生し、論点がかみ合わない、議論が進まない、発散する、といった結果になりかねず、また故に海外人材や日本人双方の満足度が得られない、海外進出や、地域資源への誘致に繋がらない可能性がある。

このため、事前研修では、日本人/海外人材それぞれが議論した点を明らかにし、その上で、どういったコミュニケーション手法が良いのかの検討が必要である。

– 日本人向け事前研修
日本人向け事前研修は、①相手を良く知り、その上で②カリキュラム実施時における議論の落としどころを決め、③自分のビジネスに照らし合わせて実現可能性を探る、といった3つのフェーズに分かれ、それぞれ実施の手法や担当講師は異なる。

– 第2回
▸ アジェンダ:
 本事業参加の狙い・カリキュラムにて議論したい論点(議論したい内容によって、事前に双方へインプットしてお
く情報が異なるため、狙いや論点を討議。必要に応じて、追加で海外人材等へ情報をインプット)

 海外人材とのコミュニケーション手法
(カリキュラム実施時に準備しておく資料作成、プレゼンテーション手法等)
▸ 実施方法
 コンソーシアム主幹事にて、各企業の議論したい論点等を取り纏め、論点に応じた資料を作成し、英語化
 コミュニケーション手法については、コンソーシアム毎に 1 ヶ所に招集
▸ 講師
 事務局(もしくはその再委託先)にて実施
– 第 3 回
▸ アジェンダ:
 各国の業界・流通事情(実際に商品を流通させる場合の国際間における経路や当該国における販売経路は事業を行うにあたり非常に重要な要素となるため、実際に現場を知る海外人材から現状を伝える)
▸ 実施方法
 コンソーシアム毎に 1 ヶ所に招集
 海外による講義形式
▸ 講師
 各分野にて長年の経験や実績を持つ海外人材

– 第 1 回
▸ アジェンダ:
 日本の基礎情報
 地方・地域資源(商品・サービス)の由来・基礎情報(商品の強み等含む)
▸ 実施方法
 コンソーシアム毎の海外人材(6-7 名)が来日した後、リキュラム 1 日前に講義形式
で実施
▸ 講師
 日本人講師(主幹事)にて対応
– 第 2 回
▸ アジェンダ:
 日本企業に対する理解
 本事業参加の狙い・カリキュラムにて議論したい論点
▸ 実施方法
 コンソーシアム毎の海外人材(6-7 名)に、それぞれの企業や観光地を視察する前
日に講義形式で実施
▸ 講師
 日本人講師(主幹事)にて対応

 カリキュラム
海外人材が来日し、各地域資源へ訪れる際のカリキュラムは、以下を留意する必要がある。
– コンソーシアムから提案される内容を基に最終化されることを想定しているが、基本方針は定める。
– 企業訪問と観光地視察に依ってカリキュラムの基本方針は異なる
▸ なお、企業訪問と観光地視察両方を踏まえたカリキュラムはあり得るが、前述の通り、招聘する海外人材の属性(提携先候補、ブロガーやメディアなど)が異なるため、分けて検討することが望ましい。

▸ 実施期間・時間
企業訪問の場合、海外人材が提携先候補の意思決定者になるため、長期間訪日のために現業を空けることが難しい可能性がある。このため、企業訪問に関しては、1コンソーシアムあたり、5営業日実施することを原則としている。

また、2日目から5日目の企業訪問については、本年度の実績を踏まえると、議論に集中するためには2時間程度が良いのではないかと考える。また、1日あたり2-3社程度訪問するとなると、移動時間を踏まえると妥当ではないか。

▸ 実施内容と対象企業数
本年度実施した地域セミナーへ参加した海外人材(提携先候補)から、「せっかく来日するのであれば極力多くの二本企業と面談したい」とのフィードバックを得た。このため、1日目については、ミニ展示会形式で海外人材がより多くの企業と接点を持つように工夫する必要がある。

2日目から5日目については、30社の内、海外人材が特に関心を持つ企業を10社程度絞り込んで、訪問し、①話したい論点を伝える、②試食・試飲など商品を体験してもらう、③①で述べた論点について議論する、の3つのステップで行い、特に③に注力した時間配分を持つことが望ましい。加えて、議論する際には、論点に係る資料(商品説明資料等)は事前研修にて英語で作成することを想定している。

また、30 社から10社に絞り込む際には、1日目のミニ展示会にて海外人材が最も関心のある企業10社を対象とすることが望ましいが、移動等を踏まえた実現性を考えると、海外人材が来日する前に、ある程度想定しておく方がよい。

なお、本年度実施した地域セミナーでは、工場見学等を行ったが、海外人材からは、「(工場見学が)あれば関心はあるが、そこに時間をかける必要はない」との意見を頂いているため、必ずしも必要ではない。

▸ 留意点
 ファシリテーション
議論する際には、どれだけ準備していても往々にして議論が発散する、会話が続かない可能性があるため、双方が話したい論点や落としどころに基づき、事務局が積極的に議論をファシリテート(促進するための支援)する必要がある。
 通訳
本来であれば、日本企業側が現地語とまではいかないまでも、今後の取引を考えると英語でのコミュニケーションを試みることが望ましい。ただ、応募時点で英語等の対応が難しい場合、一朝一夕に上達するわけでもないため、通訳を付ける必要がある。

通訳は同時通訳が望ましいものの、コンソーシアム 20 組に対応することは人の確保、予算の観点から難しい可能性があるため、逐次通訳が妥当ではないか。

また、通訳を介したコミュニケーションを行う場合は、事前に企業の情報や、論点を通訳とよく話し合っておくことが望ましい。但し、20組すべてを事務局のみで対応すると、時間的制約の中で不十分になる可能性があるため、各コンソーシアムの主幹事を巻き込んで実施することが現実的である。

▸ 実施期間・時間

企業訪問と同様に、1 コンソーシアムあたり、5営業日程度の日程を原則とし、観光地視察については、視察があるため、1社あたり3時間程度を想定している。

▸ 実施内容と対象企業数

実施内容についても、ほぼ企業訪問と同様に、①話したい論点を伝えるところから始まり、②視察を経た後に、③①の論点に基づき議論することを想定している。また、観光地に係る説明資料・マップなどは、事前研修にて英語で作成し、それらを基に視察や議論をする。

企業訪問と異なる点としては、②の観光地視察の際に、予め何を視察するか(対象物や係るチェックポイント等)を予め決めて行わなければ、写真撮影等により、実際の時間より大幅にかかってしまう可能性がある。

▸ 留意点
 対象となる観光地
視察する観光地については、宗教上の理由等で難しい場合があるため、海外人材と事前によく認識合わせしておく必要がある。

 観光地からの情報発信
観光地視察については、ブロガー等による情報発信については、いつのタイミングで、どんな情報(観光地の名前、住所、住所・地図等)を発信していってほしいのかを予め、海外人材によく周知していくと共に、Facebook 等については、タイムリーなアップを確認していく必要がある。

但し、ブログ等の記事の場合は、発信までに少し時間がかかる可能性があるため、Facebook とブログについてはそれぞれのバランスについては考慮が必要。

 ファシリテーション・通訳
企業訪問と同様の留意が必要である。

 事業継続のためのフォローアップ

本事業の目的である①海外進出の促進と、②対日投資の増加を達成するためには、カリキュラムの実施がスタート地点と考え、そこからどう動くかが重要である。しかしながら、中小企業においては、大企業に比べ人材や資金面が限定的であるが故に、現状の日本における事業が優先され、ひいてはせっかくの海外人材との面談機会も「良い思い出」となってしまう可能性がある。

このため、特にカリキュラム中に海外人材から高い関心を得た日本企業や観光地については、目的の達成に向けたフォローアップを行うことが望ましい。

– 企業訪問の場合

最終的に企業が海外進出の意思決定を行っていくためには、①売れそうな商品の見込みがついている、②物流が確保される見込みがついている、③実際に運営していくための資金繰り(収支・資金調達)の目途がついている必要がある。

そのためには、先に述べた事例調査や本年度の事業を踏まえると、日本企業が積極的に出向いて現地の要望等を吸い上げ、商品改良を行っていくことや、顧客からの要望・質問には素早く答える必要がある。また、自前だけですべての商流を担うことが難しいため、類似企業や物流企業と新たなコンソーシアムや法人格を作るなど、効率的な進出方法も検討しなければならない。

更に、資金繰りなどは、拠点設立を行う際には特に重要な点になるため、収支のシミュレーションを行うなどは現地の状況に詳しい外部の専門家に頼る方が望ましい。

一方で、中小企業における限られた人材の中で、すべてのことを検討・差配・対応していくことは難しい場合が想定されるため、少なくともいつのタイミングで何をすべきかを示す計画や、係る進捗管理、また調べてすぐに分かることについては、調査をクイックに代行する、複数企業間にて進出する可能性がある場合は、「音頭役」となって企業間にて調整するなどのフォローアップが必要ではないか。

なお、このフォローアップについては、20 組・10 社の内、その 1 割(1-2 社)が最終的に海外人材から特に関心を持たれる企業とすれば、20-40 社を対応しなければならないため、事務局がこの役割を担うよりかは、コンソーシアムの主幹事が担当する方が現実的である。

– 観光地視察の場合
対日投資(海外旅行者)の増加を行うためには、観光地の企業側ではなく、旅行者側が当
該地域資源(観光地)を訪れる意思決定を促していく必要がある。そのためには、海外旅行客
がそもそもその観光地があることに気づき、関心を持ってもらう必要があるし、また、単に関心を持
つだけでなくお金を払っても行ってみたいと思わせることができるかにかかっている。
幅広く且つ印象的に認知されるためには、地域資源や、観光地企業側のブランディングや情報
発信だけでなく、コンソーシアムの主幹事の長(知事等)による積極的外交や、来日したブロガ
ーやメディア(ガイドブック等)との継続的な情報交換・発信があることが望ましい。
加えて、特にこれまでに日本とあまり接点がなかった旅行客については、行きたいと思った際に一人
で来日することはあまり考えられない。このため、国内の旅行代理店と海外人材として来日した現
地の旅行代理店が連携し、初めてでも来日しやすいツアーパッケージの開発を行う必要がある。
但し、これらの対応については、様々な関係者との連携・調整が欠かせない。このため、フォロー
アップでは、各者が足並みを揃えつつ海外旅行客の誘致に繋げられるよう、全体整合や調整を支
援する必要がある。なお、フォローアップの担当者としては、企業訪問と同様に、コンソーシアムの
主幹事がよいのではないか。

5. 次年度に向けた候補者の選定
5.1. 受入側日本人の選定リスト
① 選定方針
次年度、地域資源魅力発掘プログラムを実施する際には、主幹事が参加企業や参加観光地を取り纏め
てセミナーに応募し、書類やプレゼンテーションを通じて参加団体が選考されると想定している。
主幹事には、①県庁が担当するケースと、②中小企業支援団体や、中小企業等が特定の分野について
研究・議論する研究会グループ等が担当するケースの 2 つがあると想定している。県庁等に関しては、次年度
に情報共有等をする場合すでにコンタクト先情報が一覧で公開されているため、本年度の調査事業では、ま
とまった情報が少ない団体や候補研究会グループ等へ事業を紹介するための日本人の選定リストを作成し
た。
なお、上記団体や候補研究会グループを抽出する際は、①事業の要件にあった参加企業を集められる、
②地域資源の発掘に意欲的、③知事・報道・参加企業・ホテル等との調整が可能な体制が組める、といった
主幹事に求められる要件を念頭に置き、団体を抽出した。

② 選定要件・手法
主幹事に求められる要件に鑑み、①対象分野(食品・飲料・雑貨・工芸品・観光・レストラン)の企業の
海外進出を支援している、②中小企業を対象に海外進出支援をしている、③より多くの企業と関係を有して
いる団体である、ことを抽出要件として設定した。
その上で、日本人リストの作成にあたっては、アクセンチュア内での輸出支援事業及び観光関連事業の担
当者へのヒアリングや、東京都を除く 46 の道府県庁所在地の商工会議所へのヒアリングの他、ウェブ検索等
の公知情報を基に、要件を確認しながら抽出した。

5.2. 発掘側海外人材の選定リスト
① 選定方針
次年度、地域資源魅力発掘プログラムを実施する際に、地方中小企業の海外展開及び観光地への訪
問外国人増加を促進する海外人材を招聘する事が最も肝要である。
このため、海外人材については、「2.地域セミナーの開催 2.1 海外人材の選定」にて述べたように、4 つ
の属性を基に選定している。
販路開拓支援等、日本企業の海外進出にとって直接関わりがあり、またこれまでの職歴や経験等によって
日本企業に有益なアドバイス等が行える「提携先候補関係者」、提携先候補となり得る地元中小企業等に
強いネットワークを持つ「金融機関関係者」、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を活用して簡易に
観光地等の広報活動を支援できる「ブロガー」、日本の観光地等の広報活動を支援するメディア関係者も招
聘することを想定している。

② 選定要件・手法
海外人材リストの作成にあたっては、受託者であるアクセンチュアの海外拠点や各種ネットワークを活用し、
現地メンバ等と連携しながら抽出すると共に、拠点を持たない地域等に関しては、ウェブ検索等の公知情報を
基に、以下に示す必須・任意条件を確認しながら抽出した。

③ 海外人材選定リスト概要
国別では、総人口の多いインド・インドネシアの掲載数をより多く、総人口の少ないカンボジア・ラオスの掲載
数はやや少なくなっている。人材属性別では、消費者の観点からの商品・価格へのフィードバックや販路開拓
において中小企業の海外支援に貢献できると考えられる提携先候補を最も多く掲載し、次に観光地に係るタ
イムリーな情報発信や、消費者視点から商品・価格へのフィードバックできると考えられるブロガーを掲載した。
分野別では、「2.3.4.日本商品巡り」において海外人材が多くの関心を示した、食品を最も多く掲載してい
る。

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