NTTデータ経営研究所『平成28年度 製造基盤技術実態等調査事業』から学ぶ

日本の生産人口の減少は、世界でも稀にみる危機的状況です。その有力な対処策の一つが、ロボット技術の活用です。

今回御紹介する企画書は、経済産業省が主導で実施する施策の合理性と有効性を、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中東諸国の政府の施策の内容と照合することで検証しようというものです。

国の重要な施策の有効性をリサーチする調査データには、日頃目に触れることができない産業別重要指標データが多く含まれるため、様々なビジネスプランのためのマーケティングに非常に有益だと思われます。

 

【目次】
1. 今回の企画書の特徴
2. 『平成28年度 平成28年度 製造基盤技術実態等調査事業』から学ぶ
0. 表紙
1. 調査目的と調査内容
2. 各国施策調査結果
3. 各国施策調査の分析・まとめ
4. 我が国政策への示唆

 

1. 今回の企画書の特徴

今回の企画書のポイントを、以下に記します。

・日本は、産業用ロボットの国内稼働台数が世界一(※1外務省 28万6554台)のロボット大国である
・生産年齢人口の減少(※2総務省データ参照)、人手不足や社会保障の増大、社会資本の老朽化等の課題先進国であり、これらへの対処にロボットの活用が期待されている
・中国もロボット投資を加速している
・日本政府は、ロボットの徹底活用を製造分野で2倍、サービスなど非製造分野で20倍に拡大させる目標を掲げている
・本調査は、経済産業省が実施するロボット関連施策に係る執行の実効性確保及び今後の展開を検討するべく、米国、欧州、アジア、中東におけるロボット関連施策について網羅的に調査することを目的とする

※1 外務省 産業用ロボット稼働台数の多い国・地域
※2 総務省 人口減少社会の到来

 

2. NTTデータ経営研究所作成『平成28年度 製造基盤技術実態等調査事業』から学ぶ

では、実際にNTTデータ経営研究所が作成した企画書を見ていきましょう。

0‐1. 表紙

0‐2. Contents/1.調査目的と調査内容

1‐1. 調査目的と調査内容 ①調査目的

【調査目的】
我が国は、産業用ロボットの国内稼働台数が世界一を誇るロボット大国である。しかし、生産年齢人口の減少、人手不足や社会保障の増大、社会資本の老朽化等の課題先進国であり、これらへの対処にロボットの活用が期待されている。

世界の動向をみると、欧米はデジタル化・ネットワーク化を用いた新たな生産システムを成長の鍵として巻き返しを図り、中国などの新興国もロボット投資を加速している。

我が国では、ロボットの徹底活用により、データ駆動型の時代も、世界をリードしていくことが望まれている。「ロボット新戦略」(2015年)や「日本再興戦略」改訂2014及び「日本再興戦略」2016に基づき、2020年までにロボット市場を2015年比、製造分野で2倍、サービスなど非製造分野で20倍に拡大させる目標を掲げている。

その目標達成のために、経済産業省ではロボット導入実証事業、ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト、ロボット介護機器開発・導入促進事業、ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト等の各種施策を実施している。

本調査は、前述の4事業を含む経済産業省が実施するロボット関連施策に係る執行の実効性確保及び今後の展開を検討すべく、各国・地域(米国、欧州、アジア、中東)におけるロボット関連施策について網羅的に調査することを目的とする。

1‐2. 調査目的と調査内容 ②調査内容

【調査内容】
・ロボット関連施策に係る執行の実効性確保及び今後の展開を検討するべく、各国のロボット関連施策について調査を行う。
・調査は、下記の施策を検討している
→技術開発
→導入実証・支援
→ロボット競技大会やイベント形式の施策等

【実施方法】
・各国のロボット政策の机上調査
→各国政府HP・関連文献の各国の政策に関連箇所を実施する。
→上記、机上調査で取りきれない情報について、補完的に有識者にインタビューを行うこともある。

【調査のポイント】
・日本、アメリカ、欧州(EU、ドイツ、フランス、北欧)中国、韓国、中東等の政策を整理し、各国がどの部分に資金を投下しているかの傾向を確認する
・本調査では、ロボット競技大会や展示大会等についても調査を実施する
・ロボット関連政策を5分野に分類した。現在、日本で実施されている、次世代技術開発、市場化技術開発、導入実証に加え、その先にある社会実装とそれらを複合的に併せ持つ、飛躍的技術開発の5つの段階に分類した。
・上記の分類のもとで、各国が注力する段階・分野を明らかにして、我が国の政策への示唆を検討する

2. Contents/2.各国施策調査結果

2‐1. 各国施策調査結果 ①アメリカのロボット政策

◆アメリカのロボット政策
①2004年/Defense Advanced Research Projects Agency
・国防総省と米国イノベーションエコシステムに依存
・現在直面しているニーズに対応するのではなく、将来のニーズに対応するための革新的研究を支援し実用化を加速

②2011年/National Robotics Initiative…
・人と協働するロボットの開発、利用の国内促進
・ロボティックス諮問委員会(Robotics Caucus Advisory Committee)がロボット開発目標のロードマップを公表

③2014年/The Industrial Internet Consortium…
・ワーキンググループは、市場採択のための産業インターネット優先事項および実現可能な技術を機能確立する
(※以下は19ワーキンググループの7分野であり、グループは産業インターネットコンソーシアム会員企業の代表者で構成)
1. 事業戦略とソリューションのライフサイクル
2. 法的
3. マーケティング
4. メンバーシップ
5. セキュリティ
6. 技術
7. テストベッド

2‐2. 各国施策調査結果 ②EUのロボット政策

2‐3. 各国施策調査結果 ③EU各国の政策

2‐4. 各国施策調査結果 ④中国・韓国・イスラエルのロボット政策

2‐5. 各国施策調査結果 ⑤中東のロボット政策

2‐6. 各国施策調査結果 ⑥インターナショナル:イノベーションを起こす仕組みは、知財起点かつ体系的

2‐7. 各国施策調査結果 ⑦RAND(米国最大級のシンクタンク):米国発の技術は、軍事が握る

2‐8. 各国施策調査結果 ⑧EP7:主な成果と企業化、事業化

2‐9. 各国施策調査結果 ⑨Horizon2020:主な成果と企業化、事業化(1)

2‐10. 各国施策調査結果 ⑨Horizon2020:主な成果と企業化、事業化(2)

2‐11. 各国施策調査結果 ⑩Horizon2020:主な成果と企業化、事業化(3)

2‐12. 各国施策調査結果 ⑫北欧(デンマーク)のロボットに関する取り組み

2‐13. 各国施策調査結果 ⑬北欧(デンマーク)のロボットに関する取り組み

2‐14. 各国施策調査結果 ⑭ロボット競技大会(1/3)

2‐15. 各国施策調査結果 ⑮ロボット競技大会(2/3)

2‐16. 各国施策調査結果 ⑯ロボット競技大会(3/3)

2‐17. 各国施策調査結果 ⑰JVRC

2‐18. 各国施策調査結果 ⑱DARPA Robotics Challenge

2‐19. 各国施策調査結果 ⑲DARPA Robotics Challenge

2‐20. 各国施策調査結果 ⑳DARPA Urban Challenge

2‐21. 各国施策調査結果 ㉑DARPA Urban Olympiad

2‐22. 各国施策調査結果 ㉒FIRST

2‐23. 各国施策調査結果 ㉓European Robotics Challenge

2‐24. 各国施策調査結果 ㉔ARGOS Challenge

2‐25. 各国施策調査結果 ㉕Mohamed Bin Zayed International Robotics Challenge

2‐26. 各国施策調査結果 ㉖ロボカップ

2‐27. 各国施策調査結果 ㉗ミネソタ:小規模の展示であるものの、バリューチェーンのすべてが整っている

2‐28. 各国施策調査結果 ㉘CeBIT:日本の「顔」はどこまで見せられたのか(1/3)

2‐29. 各国施策調査結果 ㉙CeBIT:日本の「顔」はどこまで見せられたのか(2/3)

2‐30. 各国施策調査結果 ㉚CeBIT:日本の「顔」はどこまで見せられたのか(3/3)

2‐31. 各国施策調査結果 ㉛ERF:欧州の研究の持久力と産業化の力は、見習うべき点が多い

3. Contents/3.各国施策調査の分析・まとめ

3. 各国施策調査の分析・まとめ ①ロボット関連政策の国策比較

3. 各国施策調査の分析・まとめ ②ロボット関連政策の国策比較

3. 各国施策調査の分析・まとめ ①各国におけるロボット関連の施策や国家プロジェクト(1/3)

3. 各国施策調査の分析・まとめ ①各国におけるロボット関連の施策や国家プロジェクト(2/3)

3. 各国施策調査の分析・まとめ ①各国におけるロボット関連の施策や国家プロジェクト(3/3)

4. Contents/我が国政策への示唆

4. Contents/我が国政策への示唆

①飛躍的技術開発段階の施策の実施
◇DRC(米)は飛躍的に技術を伸ばすための施策として大きな注目を浴び、競技大会の一つの指針となっている。賞金や研究開発資金も他の競技大会よりも大きく、優秀な参加者を集めるための大きなインセンティブとなった。

◇出場チームの一つであるSCHAFT(東京大学発ベンチャー)は高い技術力が認められ、Googleへ買収された。高い技術力を生み出す原動力として、研究開発資金等の資金提供がある。

・経済産業省・NEDOが主催するWorld Robot Summit(WRS)は、飛躍的技術開発段階の施策と捉えることが出来る。当該施策を成功させるためには、社会実装と研究開発の両輪を回すことが必要となり、競技手法を検討することで技術開発を促進させる効果をもたらし、展示手法を検討することにより社会実装を加速させる政策となり得る。

・DRCでは技術開発を飛躍的に加速させることに焦点を充てていたが、WRSは更に社会実装を目標としている点が特徴と言える。飛躍的な技術開発を我が国でも推進するために、重点政策として実施する必要がある。

②社会実装の場としての日本
◇米国・欧州(EU含む)各国等のロボット先進国は、導入実証以降の支援体制が充実している。一方、中国、韓国などの近隣国は技術開発に注力している。この違いは既存のロボット技術によるものと考えられるが、今後、技術力のあがってくるロボット後進国の技術力を結集するためにも、デンマークの様に、他国のロボットが社会実装を進められる場所づくり・環境整備が必要となってくる。

裏表紙

 

※参考サイト
ロボット活用ナビ
ロボット導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018
2018年のロボット業界まとめ、13分野70社超の事例から今後の潮流をつかむ
ロボット革命イニシアティブ|ロボット導入をサポートする『ロボット活用ナビ』の運用開始
「ロボット新戦略」を徹底解説。ロボット大国・日本のこれから

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