外資コンサル企画書アクセンチュア③『平成30年度 省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費』から学ぶ

自動走行システムの実現が、日本社会の社会インフラとして急務になりつつあります。そもそもは、インターネット利用の拡大に伴うアマゾンや楽天に代表されるEC市場の伸びと配送業務の逼迫がありました。

ところが最近は高齢者ドライバーによる悲惨な事故の多発により、流通サービスの円滑な運営だけでなく、安心安全の交通インフラとしての側面が浮上してきています。既に一部の海外エリアでは実験導入されており、今後の実現に向けての動きが加速することが予想されます。

その自動走行のテーマに関して、人気外資コンサル企業のアクセンチュアが綿密に調査したのが、今回の企画書です。先行事例からの洞察及び日本社会での着地イメージさんど、参考になる点が多い企画書です。

 

【目次】
1. 今回の企画書の特徴
2. 『平成30年度 省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費』から学ぶ
0. 表紙
1. エグゼクティブサマリー
2. 課題の背景
3. 調査の概要
4. 海外の動向
5. 自律走行型ロボットの必要性‐ヒアリングを通じて得られた示唆
6. 自律走行型ロボットの必要性
7. 社会実現に向けた課題
8. 課題解決に向けた協議会の組成方針

 

1. 今回の企画書の特徴

今回の企画書のポイントを、以下に記します。

・日本国内において、更なるEC市場の拡大が見込まれる一方で、国内配送人員の確保が困難になっている
・その課題解決の手段として、自律走行型ロボットの活用が検討されている
・私有地で実証実験が進められてきたが、現行制度ではロボットの公道走行は認められていない
・国内でサービス実現をするため、「海外の政策動向」「主要プレイヤーのビジネス動向」「社会実装に向けた戦略」「協議会の組成」の4点について調査・検討
・海外では、既に一部のスタートアップは自律走行型ロボットによるオンデマンド配送サービスを開始
・Marble、Robbyなどのスタートアップ企業も、早期のサービスを目指している
・日本では、海外スタートアップ企業のロボットが使用されている
・自動運転車と自律走行型ロボットではユースケースが異なり、両者は共存していくことが想定される
・自動運転車は長距離・大量配送を主とし、自律走行型ロボットは短距離(約2マイル圏内)・少量配送を主とするユースケースの住み分けが発生することが予想される

 

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2. アクセンチュア作成『平成30年度 省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費』から学ぶ

では、実際にアクセンチュアが作成した企画書を見ていきましょう。

0. 表紙/『平成30年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業』

1‐1. エグゼクティブサマリー(1/5)

【背景】

・日本ではEC市場の拡大などを受けて国内配送需要が急増する一方で、高齢化・若年層の敬遠・労働環境改善などにより配送人員確保が困難になっており、ラストワンマイル配送において深刻な人員不足が発生している

・上記課題解決の手段として以下の理由から自律走行型ロボットの活用が検討されている
→短距離を中心に自律走行型ロボットによる無人配送を実現することで、配送人員の不足をカバーすることが可能
→上記に加え、配送員のサポートとして活用することで配送の効率化を実現可能

・自律走行型ロボットについては、これまでも配送・EC・不動産などのロボット活用事業者が中心となって私有地での実証実験が進められてきた一方、現行制度ではロボットの公道走行は認められておらず、商用化・事業拡大のハードルとなっている

【調査の概要】

・上記背景を踏まえ、本PJTでは自律走行型ロボットを活用したサービスを国内で実現する具体的戦略を明らかにするために、「海外の政策動向」「主要プレイヤーのビジネス動向」「社会実装に向けた戦略」「協議会の組成」という4つの論点について、調査・検討を実施した

・調査にあたっては、文献調査に加えて国内外のプレイヤーへのヒアリングを集中的に行い、当該調査結果を基に社会実装に向けた戦略と協議会組成に関する検討を進めた
→国内では、ロボットメーカー9社、ロボット活用事業者9社、5自治体に対して合計27回のヒアリングを実施
→米国では、ロボットメーカー5社へのヒアリングを実施

・本報告書では、上記調査・検討の結果を「海外の動向」「自律走行型ロボットの必要性」「社会実装に向けた課題」「協議会の組成方針」という4つの視点からまとめた

1‐2. エグゼクティブサマリー(2/5)

【海外の動向】

・海外、特に米国では、時間指定ができないなど利便性の低いサービスや配送料高騰によるユーザーエクスペリエンス(※商品やサービスを通して利用者が得られる体験)の悪化というビジネス上の課題への対応策として、自律走行型ロボットによる配送サービスへの関心が高まっている

・一部の州・都市で、ロボットの公道走行を可能にする規制緩和が進められるなどビジネス環境も整いつつあり、米国の一部スタートアップは既に自社の自律走行型ロボットによるオンデマンド配送サービスを開始している

→米国では、ワシントンDCが2016年にロボットの公道走行を認めるパイロットプログラムを開始したのを皮切りに、これまで10州においてロボットの公道走行を認める規制緩和が行われてきた

→こうした規制緩和の動きを受け、Starshipは既に3か国で自動走行型ロボットによるオンデマンド配送サービスを開始しているほか、Marble・Robbyなどのスタートアップ企業も早期のサービスインを目指しており、本事業領域の企業は今後益々増加していく見込みである

・上記のように海外では自律走行型ロボットによる配送サービスの普及が見込まれている一方で、日本ではこれまで規制緩和に関する具体的議論が行われてこなかったこともあり、自律走行型ロボットによるサービスを目指している企業、特にロボットメーカーの数は限定的である

→日本ではロボット活用事業主による実証実験が積極的に進められているが、当該実証実験ではZMP社の取組例を除けば、ほとんどが海外スタートアップ企業のロボットが使用されている

1‐3. エグゼクティブサマリー(3/5)

【自律走行型ロボットの必要性】

・前述した現状の一方日本では、配送需要の旧拡大にも関わらず物流業界の担い手が減少傾向にあり、この課題を解決するためには無人での配送を実現する自律走行型ロボットによるサービスの実現が必要不可欠である

・課題解決手段として自動運転車の活用も考えられるが、課題の緊急性と規制面・技術面の課題を踏まえた実現タイムラインを考えると、先ずは自律走行型ロボットを速やかに実現し課題に対処すべき

→自律走行型ロボットについては、既に海外ではStarshipなどがサービスインしていることからも技術的には確立されており、規制緩和が進めば数年以内に国内でも実現可能

→自動運転車については自動運転に関わる規制・技術両面で課題が多く存在し、無人配送に必要な自動運転レベル5を想定すると実現には自律走行型ロボット以上に時間がかかることが想定される

・さらに、将来的に自動運転車が実現した場合にも自動運転車と自律走行型ロボットとでユースケースは異なり、両者は共存していくことが想定される

→自動運転車が実現した場合でも、自動運転車がオンデマンドで短距離・少量配送を担うことはROIが低く非現実的である
→よって、自動運転車は長距離・大量配送を主とし、自律走行型ロボットが短距離(約2マイル圏内)・少量配送を主とするユースケースの棲み分けが発生すると考えられる

1‐4. エグゼクティブサマリー(4/5)

【社会実装に向けた課題と協議会の組成方針】

・国内企業へのヒアリング結果を踏まえると、国内で自律走行型ロボットによるサービスを実現するためには規制、社会的受容性、標準化、インフラ、配送サービス、ロボット製造の6つの課題を解決する必要がある

・上記課題を解決するためには、ロボットメーカー・ロボット活用事業者に加えて自治体や規制官庁が参加し、業界横断で議論していく場の創設が必要であり、経済産業省が主導して早期に協議会を立ち上げることが期待される

・協議会では、先ず構成員が共有しその後の議論の土台となる将来ビジョンを策定した後、「公道走行を可能にする規制緩和」、「自律走行型ロボットに関する標準化」、「自律走行型ロボットビジネス戦略」の3テーマについてGWなどで集中的に議論していくことが考えられる

→規制緩和については、規制のサンドボックスや新事業特例制度を活用し、公道実証実験を早期に実現する動きが一部事業者主導で進められているため、協議会としては実証参加企業を費やすなどの横展開を推進するとともに、実証実験を通じて将来必要となる法令上の枠組みの設計・検証を進めることが考えられる

→ロボットビジネス戦略については、以下の3点を検討すべきではないか
・量産化に向けて、価格面で国際競争力があり高品質なロボット開発の為の戦略
→現状、自律走行型ロボットの製造コストが高止まりであるために生産規模が拡大せず、一方で生産規模が小さいが故に製造コストが高止まりになるというチキン・エッグの問題が日米共通で発生している

・データ連携・API(※ソフトウェアの機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のこと)に関する企業間の協調戦略
→3D地図データの共有化、サービス提供にあたってのAPIの共通化などは各企業が協調することで、事業化を促進できる領域である

・最適な配送システムの構築を進める具体的戦略
→配送元と配送元を結ぶ配送ルートの最適化や、店舗側のリードタイムを含めた最適なフリートマネージメントシステムの構築は日米双方で発展途上であり、今後日本として戦っていける領域である

1‐5. エグゼクティブサマリー(5/5)

2. Agenda(検討課題)/課題の背景

2‐1. 課題の背景/ラストワンマイル配送を巡る現状の課題とロボットの提供価値

2‐2. 課題の背景/ラストワンマイル配送の現状

3. Agenda(検討課題)/調査の概要

3‐1. 調査の概要/調査論点と本報告書における各項目の整理

3‐2. 調査の概要/調査方法・スケジュール

4. Agenda(検討課題)/海外の動向

4‐1. 海外の動向/世界の自律走行型ロボットの法整備状況

4‐2. 海外の動向/米国各州における自律走行型ロボットの法規制の詳細(1/2)

4‐2. 海外の動向/米国各州における自律走行型ロボットの法規制の詳細(2/2)

4‐3. 海外の動向/規制導入の流れ‐ワシントンDC

4‐4. 海外の動向/規制導入の流れ‐サンフランシスコ市

5. Agenda(検討課題)/自律走行型ロボットの必要性‐ヒアリングを通じて得られた示唆

5‐1. ヒアリングから得られた示唆(1/3)

5‐2. ヒアリングから得られた示唆(2/3)

5‐3. ヒアリングから得られた示唆(3/3)

6. Agenda(検討課題)/自律走行型ロボットの必要性

6‐1. 社会課題解決に向けた自律走行型ロボット・自動運転車の必要性

6‐2. 自律走行型ロボット・自動運転車それぞれの実現見通し

6‐3. 自律走行型ロボットと自動運転車の想定ユースケース

6‐4. 自治体が自律走行型ロボットに期待する価値

7. Agenda(検討課題)/社会実現に向けた課題

7‐1. 自律走行型ロボットの国内社会実装に向けた課題(1/2)

7‐2. 自律走行型ロボットの国内社会実装に向けた課題(2/2)

8. Agenda(検討課題)/課題解決に向けた協議会の組成方針

8‐1. 自律走行型ロボット協議会(案)の概要

8‐2. 協議会における検討事項

8‐3. 公道走行実現に向けたロードマップ(案)

8‐4. 標準化の概念整理

8‐5. 標準化戦略の概要

8‐6. デジュール化の詳細

8‐7. 自律走行型ロボットビジネス戦略の検討

 

※参考サイト
自動運転|ロボスタ
宅配ロボット・配送ロボットCarriRo Deli(キャリロ デリ)
自動運転・ロボット研究開発用コンピューター(PC)特集
自動走行ロボットの社会実装に向けて

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