日本の企業の再編の歴史とは?世の中の流れを押さえて企画書作成の情報武装に!

企画書を作成する上で、重要な要素の一つがエビデンスといわれる根拠事実です。事実に基づく説得力は、企画書の効果向上に貢献します。

ちなみにインターネットの世界でも、根拠の重要性は増しています。Googleのアルゴリズムは一昔と比べると相当精度が向上しており、そのコンテンツの信頼性、オリジナル性をかなり正確に認識します。

特に以前より強化されているのが、オーソリティといわれる“権威性”です。ブログやSNSを含むインターネットメディアは、新聞・テレビ・雑誌・ラジオのガリバー4媒体と出版社が出す書籍と比べ自由で低コストで情報発信できる分、その情報の質はまだまだ低いのが現状です。実際検索キーワードで1位表示されているコンテンツの主張が、残念ながら事実とは異なるというケースが多々あります。

そこで重要視されてきたのが、コンテンツのオーソリティ(権威性)です。そのコンテンツの書き手は、専門性が高いか。コンテンツの主張と書き手のキャリア、専門性の相関関係が、より重要になってきているのです。当然企画書作成においても、その主張の信頼性が重要です。日経や四季報、経済産業省や総務省といった信頼性の高い機関のビックデータを引用紹介することで、企画書の主張が立体的になります。

ここでは日本企業の再編史をまとめることで、経済史の流れを客観的に押さえ、また事象ごとの理解を深められればと思います。また自社のサービスや製品の訴求における客観資料として、役立てて頂ければと思います。

【目次】
1. 企業再編史の流れ
2. 企業再編史

 

1. 企業再編史の流れ

経済のグローバル化が普及するにつれ、日本の企業の再編・統合が急速に進みました。古くは明治維新以降「殖産興業」、高度成長期の「所得倍増計画」など、それまで比較的順調だった政府主導の経済政策が転機を迎えたのです。象徴的なのが、都市銀行の再編です。旧大蔵省が主導していた護送船団方式が破綻し、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャルグループ、りそなグループの4グループに再編されました。

また近年は、業界外から新しいプレイヤーが参入し、既存のビジネス構造を根底から覆すディスラプター(破壊者)が注目されています。IT技術と豊富な資金を駆使し、あらゆるモノ・コトをつなげ、膨大なビックデータを一元化することでプラットフォーマーのポジションを狙ってきます。そんな流れも含めた日本の企業再編の歴史を、ここでは考察していきたいと思います。

2. 企業再編史

ここでは、1980年代からの歴史的事象と企業の再編史を追っていきたいと思います。

・1989年(平成元年)6月/天安門事件

民主化を求める学生を、中国軍が武力鎮圧した天安門事件

・1989年(平成元年)11月/ベルリンの壁が崩壊

1989年11月9日、ベルリンの壁の撤去作業が始まった

・1989年(平成元年)/ソニーが、アメリカの映画会社コロンビア・ピクチャーを48億ドルで買収

この日(1989年9月27日)の日経平均株価の終値は、35,370円。この買収劇は、日本のバブル景気を背景とした外国資産の書いあさりとアメリカ国内で日本叩きが発生した。

・1989年(平成元年)/12月29日日経平均株価が、史上最高値3万8,915円をつける

・1990年4月/不動産融資の総量規制実施
・1991年1月/湾岸戦争が勃発。日本は90億ドル(当時の日本円で約1兆2,000億円)を援助した。メディアによるリアルタイムの報道映像がミサイル空爆をテレビゲームのように映し出したことから、「ニンテンドー戦争」とも呼ばれた。

1991年1月17日、多国籍軍によるイラクへの爆撃(砂漠の嵐作戦)が開始された

・1992年1月/改正大規模小売店舗法施行
・1993年1月/王子製紙が神崎製紙と合併し、「新王子製紙」に
・1993年11月/欧州連合(EU)発足

・1994年6月/1ドル=100円を割る円高
・1994年9月/関西国際空港が開港

・1995年1月/阪神・淡路大震災
・1995年4月/1ドル=79円75銭の戦後最高値

・1996年/新王子製紙が本州製紙と合併し、「王子製紙」に
・1996年/バブルの象徴の一つである末野興産が経営破綻した。負債総額7,160億円

・1997年5月/第一勧業銀行による総会屋への利益供与発覚
・1997年7月/タイの通貨バーツ急落を端緒にアジア通貨危機が発生

・1997年/小売ヤオハン・ジャパンが、資金繰りの悪化で1,613億円の負債を抱え、会社更生法を適用申請し倒産

最盛期の売上は、年間5,000億円。熱海の八百屋「八百半」を30年間で「国際流通グループ・ヤオハン」に育てた和田一夫は、現在経営コンサルタント、上海国際経営塾塾長を務めている。

・1997年11月/四大証券の一角だった山一証券が、自主廃業。負債総額は、3兆5,085億円

法人営業に強かった山一証券は、顧客獲得のために「ニギリ」と呼ばれる利回りを保証する行為が蔓延した。その後のバブル崩壊によって株価が下落、その結果膨大な含み損が発生しそれが経営を直撃した。

・1997年/北海道拓殖銀行が経営破綻、負債総額は2兆3,433億円

北海道拓殖銀行は、1900年北海道の開拓事業に資本を供給する特殊銀行として設立された。1950年には普通銀行に転換。発足当時の株主には、皇室、政府の他に安田善次郎大蔵喜八郎鴻池善右衛門などの財閥当主、井伊直憲などが名を連ねた。いわば官製の名門銀行であった。破綻の大きな原因は、「カブトデコム」と焼き鳥屋チェーン「五えんや」を経営する垣端信栄の「イージー・キャピタル・アンド・コンサルタンツ」への過剰融資だった。「カブトデコム」へは3,000~5,000億、ECCには2,000億円貸し付けたといわれている。

・1998年/日本リースが経営破綻、負債総額は2兆1,803億円

・1998年/日本長期信用銀行が経営破綻、負債総額は3兆5,000億円

1952年、当時の池田勇人大蔵大臣主導で企業の設備資金等の安定供給を目的とし日本長期信用銀行は設立された。長銀は当時の近代化を図るための傾斜生産方式を適用された鉄鋼・電力・石炭・海運の4重点産業に設備貸出純増の50%を振り向けた。1955年(昭和30年)から始まった高度経済成長期においては、鉄鋼、石油化学、自動車、家電、工作機械などへの設備投資に貢献した。その後重厚長大企業の資金調達が、金融機関が仲介する間接金融から貸手と借手が直接つながる直接金融に移行するにつれ、長銀の存在基盤が薄れつつあった。そういった背景をもとに、長銀はメーカーや不動産、流通、サービスの新興企業に積極的な融資を展開した。しかし1991年以降のバブル崩壊過程の中で多額の不良債権を抱え込み、イ・アイ・イ・インターナショナルに対する債権3,800億円が焦げ付いたことが致命的になった。1991年12月末の役員会ではグループ全体の不良債権額が2兆4,000億円という報告を受けたが、不良債権隠しを進めた。1998年6月にマスコミに経営危機をスクープされ、200円前後だった株価は急落し、住友信託銀行との合併も破談した。1998年10月12日に金融再生法、10月16日に早期健全化法が成立し、政府により一時国有化された。10月23日の最終株価は2円だった。

・1998年/日本債券信用銀行が経営破綻、債務超過は2,700億円

・1999年/日産がルノーと資本提携

・2000年5月/千代田生命保険が経営破綻、負債総額は2兆9,366億円
・2000年6月/雪印乳業の低脂肪乳による集団食中毒事件が発生
・2000年7月/そごうが経営破綻、負債総額は6,891億円
・2000年10月/協栄生命保険が経営破綻、負債総額は4兆5,296億円

・2001年3月/東京生命保険が経営破綻、負債総額は9,802億円
・2001年9月/マイカルが経営破綻、負債総額は1兆6,000億円

・2002年9月/日本鋼管(NKK)と川崎製鉄が経営統合、JFEグループへ

2002年9月27日、日本鋼管(NKK)と川崎製鉄が合併し、JFEホールディングスが誕生

JFEの誕生の遠因の一つに、カルロス・ゴーンによる日産自動車の鉄鋼材料仕入先改革時に日本鋼管(NKK)が外れてしまったことが挙げられる。ちなみにNKKと日産自動車は、同じ芙蓉グループであった。本質的には経営難に陥った多角化企業NKKの分割解体であり、川崎製鉄によるNKK鉄鋼部門の吸収である。人事はたすきがけ人事を行わず、融合人事を実施した。

・2002年12月/ソニーがアイワ(AIWA)を株式交換で完全子会社化

・2003年3月/イラク戦争勃発
・2003年8月/ミノルタとコニカが経営統合、コニカミノルタホールディングスが発足。フィルム事業はコニカ、カメラ事業はミノルタに集約。情報機器分野の競争力向上と、光学事業の強化を目標とした

2003年1月7日、コニカとミノルタは経営統合を発表した

・2004年3月/リコーが、日立製作所のプリンター事業を買収
・2004年9月/サークルケイ・ジャパンがシーアンドエス、サンクスアンドアソシエイツを吸収合併し、商号をサークルKサンクスに

・2005年4月/山之内製薬と藤沢薬品工業が合併し、アステラス製薬が発足
・2005年9月/三共と第一製薬が経営統合し、第一三共が発足

・2006年1月/ライブドアの堀江貴文社長らを証券取引法違反容疑で逮捕
・2006年2月/東芝が米のウェスチングハウスを買収
・2006年3月/コニカミノルタがカメラ事業から撤退し、デジタル一眼レフカメラ関連事業をソニーへ譲渡
・2006年4月/郵政民営化法成立
・2006年10月/GoogleがYouTubeを16億5,000万ドルで買収

・2007年7月/日本ビクターとケンウッドが経営統合を決定

2006年から2007年にかけて、大手電機メーカーを中心に事業再編が相次いだ。三洋電機が中・小液晶パネルから撤退し、ソニーは半導体製造から撤退した。また日立製作所は、初めて上場子会社を売却した。松下電器産業による日本ビクター売却は、業界に衝撃が走った。それまで日本の「垂直」「統合」体制の限界が、この頃から露呈し始めた。

・2007年7月/カネボウが解散
・2007年9月/大丸と松坂屋ホールディングスが経営統合、J.フロントリテイリングが発足
・2007年10月/阪急百貨店と阪神百貨店が経営統合、エイチ・ツー・オー・リテイリングが発足
・2007年10月/日本郵政公社解散、日本郵政グループとして再編

・2008年/9月15日、サブプライム住宅ローン危機によりリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻。9月29日にアメリカ合衆国下院が緊急経済安定化法案を一旦否決したのを機に、ニューヨーク証券取引所のダウ平均株価は史上最大の777ドルの暴落を記録。比較的損失が少なかった野村ホールディングスは、破綻したリーマン・ブラザーズの2/3を買収した。また三菱UFJフィナンシャル・グループからモルガン・スタンレーに9000億円が出資された。

2008年9月15日、米投資銀行リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの経営破綻を発端に世界規模の金融危機が発生


・2008年/ドン・キホーテが長崎屋を完全子会社化

・2009年/経営破綻後に国有化されたGMが、トヨタ自動車との合弁事業解消
・2009年/ミレニアムリテイリング、西武百貨店、そごうの3社が合併、そごう・西武に
・2009年/ファミリーマートがエーエム・ピーエム・ジャパンを完全子会社化
・2009年/パナソニックが三洋電機を子会社化

・2010年1月/日本航空、日本航空インターナショナル、JALキャピタルが経営破綻、負債総額2兆3,221億円

2010年1月19日、日本航空が会社更生法の適用を東京地裁に申請し、経営破綻した

・2010年/NECエレクトロニクスがルネサステクノロジと合併、ルネサスエレクトロニクスが発足

・2011年2月/イオンリテールがマイカルを吸収合併
・2011年3月/東日本大震災が発生、福島第一原子力発電所がメルトダウン
・2011年4月/三越が伊勢丹を吸収合併、三越伊勢丹に商号変更
・2011年7月/ペンタックスイメージングスがペンタックスリコーイメージングに社名変更し、リコーの完全子会社に
・2011年8月/JVC・ケンウッド・ホールディングスから商号変更したJVCケンウッドが日本ビクター、ケンウッドなどを吸収合併
・2011年11月/オリンパスが第三者委員会に設置、損失計上先送りを公式に認める
・2011年12月/日本の貿易収支が31年ぶりに赤字に転落

・2012年/エルピーダメモリーが経営破綻、負債総額は4,480億円
・2012年/産業革新機構の主導で、ソニー・東芝・日立のディスプレイ部門が統合されてジャパンディスプレイが事業を開始
・2012年/J.フロント リテイリングがパルコを子会社化
・2012年/日本製紙が日本大昭和板紙などを吸収合併
・2012年/新日本製鉄と住友金属工業が合併、新日本製鉄住金が発足

2011年2月4日、「新日鉄・住金合併へ、粗鋼生産世界2位、来年10月めど、巨大海外勢に対抗」という大見出しが日本経済新聞の一面トップを飾った。鉄鋼業界の世界第1位アルセロール・ミタルについで、世界第2位となった。しかし鉄鋼業界の見方としては、住金の強みはシームレスパイプでその将来性が乏しい中、官営八幡製鉄所の流れを汲む国内1位の新日鉄が国内3位の住金を飲み込み、美味しいところ取りというのが真相だといわれている。

アジア最大の巨大鉄鋼メーカーが誕生

・2014年/ボルボ・グループ・ジャパンがUDトラックスとUDトラックスジャパンを合併し、UDトラックスに社名変更

・2015年9月/イオンがダイエーを完全子会社化
・2015年11月/フォードが保有していたマツダ株を売却し、資本提携関係を解消

・2016年8月/トヨタ自動車がダイハツ工業を完全子会社化
・2016年/シャープ鴻海グループへの第三者割当増資を実行し、鴻海精密工業の子会社へ
・2016年/ファミリーマートが、ユニーグループ・ホールディングスを吸収合併、ユニー・ファミリーマートホールディングスが発足
・2016年/キャノンが東芝メディカルシステムズの買収を完了

・2017年/東芝傘下のウェスチングハウスが、米連邦破産法11条の適用をニューヨーク州連邦破産裁判所に申請し、経営破綻

ウェスチングハウス・エレクトリック・カンパニーは、原子力関連の製品販売と関連サービスを行う多国籍原子力関連企業である。原子炉の設計や核燃料、サービスとメンテナンスを行なっていた。2017年3月24日、東芝は原子炉建設事業における90億ドルの損失が原因で、米連邦倒産法第11章の適用申請を公表した。経緯としては、2005年7月英国核燃料会社は18億ドルでウェスティングハウスの売却を計画。2006年1月23日、東芝がGE三菱重工よりも高い54億ドル(約6,370億円)で購入提案をし競売に勝った。他社の3倍近い高額で東芝が競り落とした背景には、当時の経済産業省主導による原子力産業の日米一体化政策方針があったといわれている。また東芝はウェスチングハウスの親会社になったものの、肝心の原子炉設計や核反応データといった核心のノウハウには知的財産の壁で手が出せず、13人の役員中は日本人はわずか2人で、実態は単なるスポンサーだった。

・2017年/タカタが経営破綻、負債総額は1兆5,024億円

・2018年1月/仮想通貨交換会社コインチェックから約580億円分の仮想通貨NEMが不正に流出
・2018年1月/富士通が携帯端末事業の国内投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループの売却が完了
・2018年4月/国内製薬最大手の武田薬品工業は、アイルランドの製薬大手シャイヤーを約6兆8,000億円で買収することを発表

買収を決定したフランス人社長クリストフ・ウェバー氏

・2018年5月/東芝が半導体メモリー子会社「東芝メモリ」を米投資ファンドのベインキャピタルなど日米韓連合に売却
・2018年6月/シャープが東芝のパソコン事業の買収を発表

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